フライドポテトは「冷凍のしかた」で食感が変わります。本記事では、メークインを用いて、揚げたて直後の3D凍結®と冷却後の冷凍を比較しました。設定はどちらも庫内-35℃。3DフリーザーはACVCS(非貫流方式)のため、揚げたて投入が可能です。結果はシンプルですが示唆に富みます。

Contents
テスト概要
- 使用品種:メークイン
 - 前処理:スティック状にカット → 190℃で約2分30秒揚げ → 油切り
 - 条件① 揚げたて冷凍:揚げ上がり直後に凍結
 - 条件② 冷却冷凍:68.7℃まで自然冷却後に凍結
 - 凍結庫設定:いずれも庫内 -35℃(3Dフリーザー/ACVCS:非貫流方式)
 
結果①:凍結時間
| 条件 | 初温 | 終温 | 凍結時間 | 
|---|---|---|---|
| ① 揚げたて冷凍 | 88.8℃ | -20.2℃ | 12分42秒 | 
| ② 冷却冷凍 | 68.0℃ | -15.0℃ | 6分48秒 | 
冷却後のほうが、必要な温度差が小さいため凍結時間は短縮しました。一方で、次の項目で課題が見えます。
結果②:重量変化(=水分損失)
| 条件 | 前 | 後 | 差 | 損失率 | 
|---|---|---|---|---|
| ① 揚げたて冷凍 | 623.4 g(前) | 623.3 g(後) | -0.1 g | 0.16% | 
| ② 冷却冷凍(自然冷却プロセス) | 616.6 g(冷却前) | 612.9 g(冷却後) | -3.7 g | 0.6% | 
| ② 冷却冷凍(凍結前後) | 612.9 g(凍結前) | 612.9 g(凍結後) | ±0.0 g | 0% | 
自然冷却の段階で0.6%の水分損失が発生しました。凍結そのものは損失ゼロでも、放冷で水分が抜けることが確認できます。


テスト結果
- 揚げたて→即凍結は、水分損失が0.16%と極小。食感保持に有利です。
 - 自然冷却を挟むと、放冷中に0.6%の損失。冷めるほどパサつきを感じやすくなります。
 - 凍結時間だけ見れば冷却後が短い。しかし総合品質(食感・風味)を優先するなら、揚げたての急速冷凍が有利です。
 
なぜ3D凍結®が有利か
3DフリーザーはACVCS(非貫流方式)による熱交換で、揚げたての高温サンプルの投入に適合します。放冷を挟まないため、揚げ物の水分・油膜バランスを保ちやすく、解凍後のザクほく食感に直結します。仕組みの詳細と導入メリットは こちら(急速冷凍機をもっと知る) をご覧ください。
運用のポイント
- フライ→油切り→即凍結の直行動線を設計する。
 - 庫内は常時-35℃。トレーは薄敷きで整列し、冷却ムラを抑える。
 - 凍結後は素早く包装。保管は-18℃以下を安定維持。
 
導入事例・資料
- 導入事例を見る(実運用・製品別のヒント)
 - 詳しい資料をダウンロード(仕様・導入の流れ・ROI)
 
よくある質問
A. 凍結時間は短くなります。ただし自然冷却中の水分損失(今回0.6%)が食感に影響します。高品質を狙うなら揚げたて→即凍結を推奨します。
A. 本テストでは-35℃で良好な結果でした。製品サイズ・油分量・盛り厚みにより最適値は変わります。まずは現状のラインで小ロット検証を行ってください。
A. 一般的なエアブラストは揚げたて投入が難しいケースがあります。3DフリーザーはACVCS(非貫流方式)により、高温サンプルの処理に適します。
まとめ
凍結時間だけでなく、放冷による水分損失を含むトータルの品質で設計しましょう。揚げたてからの3D凍結®は、フライドポテトの食感・風味維持に有効です。
    
   
   
      
      
      
      
      
      