うどんのおいしさは、噛んだ時のモチッとした「コシ」と、つるりと通る「喉越し」にあります。 しかし、一般的な冷凍を行うと、麺の水分が抜けてボソボソになったり、逆に水分を含みすぎてブヨブヨになったりと、茹でたての食感を維持するのは至難の業です。 特に太い麺は、急激に冷やしすぎると表面だけが乾燥して「ひび割れ」を起こすリスクもあります。
今回は、茹でて冷水で締めた18℃の状態から、3Dフリーザーで57分かけて丁寧に凍結を行い、その仕上がりを検証しました。
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テスト条件と結果

茹で上げ後、冷水でぬめりを取り、1玉ずつトレイに入れた状態
- サンプル名:うどん(茹で麺・太麺)
- 投入温度:18℃(※水洗い・水切り後)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:57分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット
18℃から57分。 中華麺やそばに比べて時間がかかっているように見えますが、水分の多い太麺(うどん)にとっては、この時間が「ひび割れずに芯まで凍らせる」ための黄金タイムです。
1. 太麺の天敵「ひび割れ」を防ぎ、ツルツルの麺肌をキープ
うどんは水分量が多く、麺も太いため、強すぎる冷風を当てると表面が一気に乾燥収縮し、亀裂(クラック)が入ってしまいます。ひび割れたうどんは、茹でるとそこから切れてしまい、商品になりません。
今回のテストでは、湿度を保った冷気で包み込むことで、麺にストレスを与えずに57分かけて芯まで凍結させています。 表面が乾燥しないため、解凍後もツヤツヤとした美しい麺肌を維持。「冷凍うどんは表面がザラつく」という悩みを解消します。
2. デンプンの老化を抑え、自慢の「コシ」を残す
うどんのコシは、デンプンの糊化(アルファ化)状態によって決まります。 冷凍スピードが遅すぎるとデンプンが老化(ベータ化)して硬くなり、ボソボソとした食感になってしまいます。
3Dフリーザーは、麺の組織を壊さない最適なスピードで熱を奪います。 水分バランスを崩さずに凍結するため、レンジや鍋で温めた時、モチモチとした弾力と、中心に芯のある強いコシが復活します。 讃岐うどんのような強いコシも、稲庭うどんのような滑らかさも、そのまま再現可能です。
3. 「水洗い→即冷凍」で、菌の繁殖を防ぐ
茹でたうどんは水分活性が高く、常温に置いておくとすぐに菌が増殖してしまいます。 水で締めた直後の18℃から、予冷なしでダイレクトに凍結ラインに乗せることで、衛生的に最も安全な状態で商品をパックできます。
また、保存料やpH調整剤(酸味料)を使わずに長期保存が可能になるため、小麦本来の風味を損なわず、「無添加」を謳った高付加価値商品として販売できます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?

うどんは、地域や製法によって太さやコシが全く異なります。
- 太さ:極太の讃岐うどんか、細めの稲庭・五島うどんか。太いほど中心凍結に時間がかかります。
- コシの強さ:タピオカ粉入りの冷凍専用麺か、小麦100%の本格手打ちか。
- 包装:玉売りか、つゆと一緒の具付き冷凍麺か。
「極太麺でも中心まで白くならずに凍るか?」「つゆとセットでも麺が伸びないか?」 デモテストでは、貴社のうどんを実際に凍結・解凍し、「食べた時のコシの強さ」や「麺の切れにくさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のうどんのテストでは、「18℃から57分で急速凍結」することで、乾燥によるひび割れを防ぎ、茹でたてのコシとツヤを維持できることが実証されました。
「手打ちうどんの味を、全国の食卓へ届けたい」「店舗のピークタイムに合わせて、高品質な冷凍麺を用意したい」とお考えの製麺業者様、うどん店様。 麺の命であるコシを守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
