冷凍たこ焼きの課題は、解凍した時の食感再現です。 「レンジで温めると、形がぺちゃんこに潰れてしまう」「中のトロトロ感がなくなり、団子のように固まってしまう」。これは、冷凍・解凍の過程で生地の水分バランスが崩れ、デンプンが老化してしまうことが原因です。
今回は、まだ湯気が出る65℃の状態から、予冷なしで37分かけて急速凍結を行いました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:たこ焼き(ソースなし・焼成後)
- 投入温度:65℃(※かなり温かい状態)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:37分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

65℃から37分。 生地の塊であるたこ焼きを、中までしっかり凍らせつつ品質を守るには、この「37分」の質が問われます。
1. 中の「トロトロ感(ダシ感)」を維持し、団子化を防ぐ
たこ焼きのおいしさは、中の生地がダシを含んでトロッとしていることです。 しかし、ゆっくり冷ますと小麦粉のデンプンが老化し、水分が分離してボソボソの固い食感(団子状態)になってしまいます。
今回のテストでは、65℃から一気に冷凍することで、デンプンの老化が進む温度帯を素早く通過させています。 これにより、ダシの水分を生地の中に抱き込んだまま固定できます。レンジで温め直した時、焼きたてのような熱々のトロトロ感が復活するのはこのためです。
2. 「まん丸の形」をキープし、陥没(へこみ)を作らせない
たこ焼きを冷凍すると、冷える過程で中の空気が収縮し、表面がベコッと凹んでしまう「陥没」が起きやすいのが難点です。また、強い風で乾燥すると表面がひび割れてしまいます。
3Dフリーザーの「包み込むような冷気」は、全方向から均一に冷やすため、内圧の変化による変形を最小限に抑えます。 また、表面を乾燥させすぎないため、きれいな「まん丸」の形状を保ったまま凍結でき、見た目の商品力が落ちません。
3. 「65℃投入」で、衛生管理と効率化を両立
たこ焼きは中が半熟状のため、菌が繁殖しやすいリスクがあります。 特に、焼いた後に常温で冷ます(放冷)時間は、衛生管理上もっとも気を使う工程です。
65℃という高温からダイレクトに冷凍機へ入れることで、菌が好む温度帯を「秒」で通過させることができます。 放冷スペースが不要になるだけでなく、焼きたての香ばしさを逃さずパックできるため、安全性とおいしさを高いレベルで両立できます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
たこ焼きは、関西風、関東風(揚げ焼き)など、スタイルによって生地が全く違います。
- 生地の水分量:ダシたっぷりの柔らかい生地か、しっかり焼いた固めの生地か。
- 具材:タコの大きさ、天かす、紅生姜の量。
- サイズ:大玉か、標準サイズか。
「水分が多い生地でも破裂しないか?」「ソースを塗った状態でも凍るか?」 デモテストでは、貴社のこだわりのたこ焼きをお持ち込みいただき、「レンジアップ後の食感(トロみ)」や「形状の維持率」を実際に確認していただけます。
まとめ
今回のたこ焼きのテストでは、「65℃から37分で急速凍結」することで、まん丸の形状と、中のトロトロ食感を維持できることが実証されました。
「冷凍でも、お店のカウンターで食べる味を再現したい」「イベント用に大量ストックを作りたい」とお考えの飲食店様、食品メーカー様。 粉もんの冷凍こそ、技術力の見せ所です。ぜひその違いを3Dフリーザーで体感してください。
