ケーキ、パフェ、スムージーと、スイーツ界の絶対エース「いちご」。 旬の時期に大量に収穫されるいちごを、高品質なまま冷凍保存できれば、一年中高単価で販売できる強力な武器になります。 しかし、一般的な冷凍庫でゆっくり凍らせると、細胞が壊れて解凍時に形が崩れ(離水)、ジャムのようにドロドロになってしまうのが悩みどころです。
今回は、収穫後の23℃の状態から、3Dフリーザーで20分という短時間で凍結を行い、その形状と色味を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:いちご
- 投入温度:23℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:20分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

23℃から20分。 このスピードは、水分の多い果実の「細胞」と「見た目」を守るための絶対条件です。
1. 細胞を壊さず、丸い「形状」をキープ
冷凍いちごの最大の失敗は、解凍した時に水分(ドリップ)が流れ出し、形がペシャンコになってしまうことです。 これは、凍結スピードが遅いと、果実内の水分が大きな氷の結晶となり、細胞壁を突き破ってしまうためです。
今回の「20分」という急速凍結なら、氷の結晶を極小サイズに留め、細胞破壊を防ぎます。 完全に解凍してもドリップが少なく、半解凍(フローズン)状態で食べれば、シャリッとした食感の中に、生のいちごのようなフレッシュな果肉感が楽しめます。
2. 酸化による「黒ずみ」を防ぎ、鮮やかな赤へ
いちごの魅力である鮮やかな赤色は、冷凍中に酸化するとドス黒く変色してしまい、見た目の美味しさが半減してしまいます。 特に表面が乾燥すると、変色が加速します。
3Dフリーザーの「包み込むような優しい冷気」は、表面を乾燥させずに素早く凍結させます。 解凍後も、まるで摘みたてのような明るい赤色が残り、 「冷凍いちご=色が悪い」というイメージを覆します。
3. 「バラ凍結(IQF)」で、必要な分だけトッピング
いちご同士がくっついて、大きな氷の塊(ブロック)になってしまうと、使う時に割るのが大変で、果実を傷つけてしまいます。
20分で表面をサッと凍らせることで、一粒一粒がバラバラの状態(IQF)で凍結できます。 カフェやケーキ屋さんでは「パフェに3粒だけ使いたい」「スムージー用に50gだけ欲しい」という時に、袋からコロコロと取り出すだけで使えるため、作業効率が劇的に向上します。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
いちごは、品種や糖度、熟度によって条件が変わります。
- 品種:果肉が硬めの品種(とちおとめ等)か、柔らかい品種(あまおう等)か。
- 糖度:糖度が高いほど凍結点は下がります。
- サイズ:2Lサイズの大玉か、ジャム用の小粒か。
「完熟状態でも形が崩れないか?」「ヘタを取った切り口から変色しないか?」 デモテストでは、貴社のいちごを実際に凍結し、「半解凍時の食感」や「色の鮮やかさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のいちごのテストでは、「23℃から20分で急速凍結」することで、見た目の美しい高品質な冷凍フルーツを作れることが実証されました。
「旬のいちごを、一年中スイーツに使いたい」「規格外のいちごを、冷凍ブランドとして再生させたい」とお考えの農家様、製菓業者様。 フルーツの鮮度と彩りを守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
