スパイラルフリーザー|省スペース・大量急速冷凍で食品工場の生産性を大幅UP!

食品工場の生産性を飛躍的にアップする方法

近年、食品工場を取り巻く環境は激変しています。需要の拡大、人手不足、そして求められる品質基準の高さ――これらの課題を同時にクリアするためには、新たな製造ラインの構築と効率化が不可欠です。そこで注目されているのが「スパイラルフリーザー」。
従来の冷凍設備を大きく凌駕する省スペース性能と大量急速冷却性能により、多くの食品工場で導入が進んでいます。本記事では、スパイラルフリーザーの仕組み、導入メリット、選定ポイント、他方式との比較などを徹底的に解説し、食品製造ラインの最適化に役立つ情報を提供します。

スパイラルフリーザーとは?省スペースと大量冷凍を両立する技術

らせん状ベルトがもたらす省スペース化

「スパイラルフリーザー」とは、らせん状(スパイラル状)に組み上げられたベルトコンベヤーで食品を搬送し、狭いスペースでも大量に食品を連続冷却できる冷凍機です。トンネルフリーザーのように横に長くスペースを要することがなく、工場の床面積を効率的に利用できる点が最大の特徴。

全方位から吹き付ける冷気による急速凍結

スパイラルフリーザーは冷気を隅々まで循環させる設計が施されているため、食品一つひとつに均等に冷風が当たるようになっています。これにより、表面だけでなく食品の中心部まで短時間で冷却が可能。食品細胞が破壊されにくく、解凍時のドリップも最小限に抑えられることから、品質保持歩留まり向上に大きく寄与します。

スパイラルフリーザー導入のメリット

1. 省スペース&大量処理

  • 狭いフロアでも高い処理能力
  • 既存工場への追加導入がしやすい
  • レイアウトの自由度が高い

トンネルフリーザーと比較すると、スパイラルフリーザーはタワー状にベルトを積み上げられるため、同じ床面積であっても多くの食品を一度に冷却できます。「スペース不足で増設が難しい」という悩みを解決できるのが大きな利点です。

2. 冷凍品質の向上

  • 急速凍結により細胞破壊を低減
  • ドリップや食品形状の崩れを抑制
  • 食感・味・色などの品質を安定維持

冷凍のスピードが速いほど食品内部の結晶が小さく抑えられるため、解凍時の劣化を最小限にとどめることが可能です。特に、肉類や鮮魚のように高品質保持が求められる製品で真価を発揮します。

3. 自動化・省人化の実現

  • ベルト搬送によりワンストップで処理
  • 入庫から出庫までがシームレスに連動
  • 人手不足・労働コスト削減への効果大

ベルトを使った連続処理が基本構造のため、自動化システムとの相性が抜群です。これによって作業工程の多くを無人化・省人化でき、人材不足問題を抱える食品業界で特に重宝されます。

4. 生産ライン全体の効率アップ

  • 他の工程との連動がしやすい
  • 作業動線を短縮できる
  • 出荷までのリードタイムを大幅短縮

スパイラルフリーザーを導入すると、生産ラインの設計に一貫性が生まれます。包装工程や検品工程との連動を図りやすくなるため、フロー全体を最適化しやすいのもメリットです。

スパイラルフリーザーの主な種類と仕組み

シングルスパイラルとデュアルスパイラル

シングルスパイラル

  • スパイラルが1基のみの構成
  • 比較的小・中規模の工場向け
  • 凍結処理量がやや控えめで導入コストも低め

デュアルスパイラル

  • スパイラルが2基連動する大規模タイプ
    • 一度に大量の食品を処理可能
    • 大型工場や高出力が求められるラインに最適

冷却方式の違い

エアブラスト方式

冷却ファンで強制的に冷気を循環させる方式。省エネ効果が高く、食材に合わせた風量調整も可能。

液体窒素方式

-196℃という極低温を利用して瞬間的に凍結するため、品質保持効果が高い。ただし、ランニングコストが高めになる点に注意が必要。

CO2冷媒方式

地球温暖化係数が低く、環境負荷が小さい次世代冷媒として注目されている。

導入前にチェックしたいポイント

1. 設置スペースと高さ制限

スパイラルフリーザーは縦に積み上げる構造のため、天井の高さ梁(はり)の位置を事前に確認することが重要。メーカーによりサイズや構造が異なるため、自社工場の寸法を正確に把握しておきましょう。

2. 生産量と稼働時間

日々の生産量が多い場合、デュアルスパイラルなど大容量タイプの導入を検討しましょう。一方、夜間稼働や休日稼働が増える場合は、メンテナンスや清掃に十分な時間を確保できるよう計画が必要です。

3. 予算とコストパフォーマンス

  • 導入費:装置費用、設置工事費、関連設備費(冷却設備、電源工事など)
  • ランニングコスト:電気代、冷媒補充費、メンテナンス費用
  • 付帯コスト:定期点検、清掃負荷、人員配置

長期的なスパンで見たときのコストメリットを考慮し、費用対効果を算出しましょう。初期費用が高くても、稼働率の向上や生産効率アップによる利益増が見込めるならば検討価値があります。

4. 清掃性・メンテナンス性

  • ベルトコンベヤーの着脱や洗浄のしやすさ
  • 異物混入リスクを減らす設計
  • 定期メンテナンスのサポート体制

食品安全が厳格化されている現在、清掃がしやすく衛生基準に対応した構造は必須要件。メンテナンスに時間がかからないモデルなら、稼働停止リスクの軽減につながります。

他の急速冷凍方式との比較

方式特徴メリットデメリット
トンネルフリーザー横長のトンネル内で連続的に冷却する大量処理が可能スペースが必要
プレートフリーザープレートに食品を挟んで両面から同時に急速冷却均一で効率的、形が崩れにくいバッチ式が多く、大量生産には不向き
IQF(バラ凍結)食品を個別にバラバラに凍結する方式食感・品質を高く維持しながら小ロット対応装置価格や運用コストが高め
スパイラルフリーザーらせん状ベルトで省スペース&連続冷却を実現縦方向を有効活用し、急速・大量凍結が可能高さ制限がある場合は設置が難しいケースも

スパイラルフリーザーは上記の中でもスペース効率大量処理能力のバランスが優れており、幅広い食品に適用しやすいのが利点です。

導入事例:食品工場の成功例

床面積30%削減にもかかわらず生産量は20%アップ

従来使用していたトンネルフリーザーをスパイラルフリーザーに切り替えることで、床面積を約30%削減しながらも生産量を20%以上増大させました。また、常時稼働する機械を効率的にまとめることでメンテナンス性も向上。結果として、「装置の故障によるダウンタイムを従来比50%削減」という成果まで達成しました。

品質・歩留まり改善によるブランドイメージ向上

冷凍後の解凍時に発生するドリップ量が減少し、製品の味・食感が大幅に向上。消費者からのリピート率が高まり、ブランド価値を上げることにつながった事例もあります。食品の外観や風味を重視する製品ほど、スパイラルフリーザーへの期待が大きいといえます。

実際に導入する流れとポイント

ニーズ分析と要件定義

  • 1日の生産量、稼働時間、製品特性を明確化
  • フロアレイアウト、天井高さなどの制約条件を確認

メーカーやサプライヤーの比較検討

  • 装置性能、メンテナンス性、コストを総合評価
  • サポート体制(部品供給、緊急対応)が手厚いかを確認

装置の設計・カスタマイズ

  • シングルスパイラルかデュアルスパイラルか
  • 冷却方式(エアブラスト、液体窒素、CO2など)の選択

施工・設置工事

  • 導入前に既存ラインとの接続計画を入念にチェック
  • 現場スタッフへの安全教育・操作研修を徹底

稼働テスト・調整

  • 実際に稼働し、品質や生産効率を検証
  • 不具合やトラブルを洗い出し対策を講じる

本稼働とモニタリング

  • 定期点検や清掃をスケジュール化
  • 生産データを分析し、さらなる効率化を図る

まとめ|スパイラルフリーザーについて

スパイラルフリーザーは、食品工場の多彩なニーズに応え、限られたスペースでも効率的に大量冷凍が可能です。

  • 省スペース性
  • 大量急速冷凍による品質保持
  • 生産ラインとの連携による自動化・省人化
  • メンテナンス性の向上

こうした特徴が総合的に組み合わさり、食品工場の生産性と収益性を飛躍的に高めます。世界的にも食品の安全性や品質維持が強く求められる今、スパイラルフリーザーの導入は企業競争力の差を生む大きな要素になりえます。「さらに詳しく知りたい」「自社に最適なモデルを提案してほしい」という方は、ぜひお問い合わせページからお問い合わせください。

最後に、食品の鮮度や美味しさを保つ冷凍方法としてお勧めしたいのが、3Dフリーザー®です。世界各国で特許取得の3D凍結技術を搭載し、食品業界での導入事例も多く、その効果が実証されています。通常の業務用急速冷凍機では冷凍不可能な食材にも対応しており、高品質な冷凍が可能です。

▼3Dフリーザーについて

業務用急速冷凍機をご検討の方は、是非お気軽にお問い合わせください!

KOGASUN PRESS

3D凍結®で「食」の未来を変える。 技術と品質に絶対の自信をもつKOGASUNが、豊富な経験と専門知識に基づいた有益な情報をお届けします。

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