スパイラル vs トンネル型フリーザー徹底比較|省スペース・品質・コストで選ぶ最適解【2025年版】

連続式の急速冷凍機を検討する際、必ず比較対象となるのが「スパイラルフリーザー」と「トンネル型フリーザー」です。両者はどちらも優れた装置ですが、その特性は大きく異なり、自社の目的や環境に合わない方を選ぶと、生産効率の低下や無駄なコストを招きかねません。

本記事では、業務用冷凍機の専門メーカーであるKOGASUNが、両者の違いを「①設置面積」「②凍結品質」「③コスト」「④衛生管理」の4つの重要な軸で徹底的に比較・解説します。

この記事を読めば、貴社の製品、生産量、そして工場にとって、どちらが本当に最適な選択なのかが明確になります。

より網羅的な情報をお求めの方は、まずはこちらの完全ガイドをご覧ください。
スパイラルフリーザー完全ガイド|仕組み・選び方・価格まで徹底解説

比較1:設置面積とレイアウトの自由度

最も大きな違いは、コンベアの搬送方向と、それに伴う設置面積です。

比較項目 スパイラルフリーザー トンネル型フリーザー
コンベア形状 螺旋状(縦方向) 直線状(横方向)
設置面積 小さい 大きい
レイアウト自由度 高い 低い

スパイラルフリーザーは、コンベアを縦に積み上げることで、限られた床面積でも長い搬送ラインを確保できます。「既存の工場に新しいラインを増設したいが、もうスペースがない」といった場合に最適です。

一方、トンネル型フリーザーは直線的に長いスペースを必要とします。新設の工場などで、レイアウトに制約がない場合には有効な選択肢です。

勝者:スパイラルフリーザー

比較2:凍結品質と得意な食品

凍結品質は、冷風の当て方と製品が庫内を通過する時間(滞留時間)に影響されます。

比較項目 スパイラルフリーザー トンネル型フリーザー
得意な処理 長時間冷却が必要な製品 短時間で凍結する製品
品質の均一性 高い 製品による
得意な食品 揚げ物、パン、包装品 バラ凍結(IQF)、薄い製品

スパイラルフリーザーは、長い滞留時間を確保しやすいため、ハンバーグやパン生地、調理済み食品など、中心までじっくりと熱を取る必要がある製品の冷却・冷凍に適しています。また、KOGASUNの3Dフリーザー®のように、高湿度の冷気で包み込むように冷却するタイプは、乾燥を防ぎ、高い歩留まりを実現します。

トンネル型フリーザーは、強力な冷風を直線的に吹き付けるため、瞬間的な冷却能力に優れています。ひき肉や魚の切り身、カット野菜などのバラ凍結(IQF)に適しています。

引き分け(製品による)

比較3:コスト(初期費用と運用費)

コストは、初期費用と運用費(ランニングコスト)を合わせた総所有コスト(TCO)で考える必要があります。

比較項目 スパイラルフリーザー トンネル型フリーザー
初期費用 高い傾向 安い傾向
運用費(電気代) 省エネ性が高いモデルも 高くなる傾向
TCO モデルによる モデルによる

一般的に、トンネル型フリーザーの方が構造がシンプルなため、初期費用は安くなります。しかし、運用コスト、特に電気代は、装置のエネルギー効率によって大きく変わります。

スパイラルフリーザーは初期費用が高い傾向にありますが、KOGASUNの3Dスパイラルフリーザー®のように、ダクトレス構造でエネルギー効率を高めたモデルであれば、長期的に見て運用コストを大幅に削減できる場合があります。

コストに関するより詳しい解説はこちらをご覧ください。 → スパイラルフリーザーの価格・コスト完全ガイド

引き分け(TCOでの比較が必須)

比較4:衛生管理とメンテナンス性

食品工場において、衛生管理のしやすさは極めて重要な選定基準です。

比較項目 スパイラルフリーザー トンネル型フリーザー
構造 複雑 シンプル
洗浄性 CIP機能が重要 洗浄しやすい
メンテナンス性 部品点数が多い 部品点数が少ない

トンネル型フリーザーは構造がシンプルなため、部品の分解や洗浄、メンテナンスが比較的容易です。

スパイラルフリーザーは構造が複雑で、従来型は洗浄のしにくさが課題でした。しかし、近年はCIP(自動洗浄)装置を標準搭載したモデルが主流です。さらに、KOGASUNの3Dスパイラルフリーザー®は、雑菌の温床となりやすい庫内ダクトを完全になくしたことで、圧倒的な洗浄性を実現しています。

勝者:トンネル型フリーザー(ただし、最新のスパイラルフリーザーは同等以上の洗浄性を持つモデルもある)

結論:どちらを選ぶべきか?

スパイラルフリーザーがおすすめな場合 トンネル型フリーザーがおすすめな場合
工場 設置スペースに限りがある 設置スペースに余裕がある
製品 揚げ物、パン、調理済み食品など、じっくり冷却したい バラ凍結(IQF)など、瞬間的に凍結させたい
方針 生産ラインの自動化、省人化を重視する とにかく初期費用を抑えたい

最終的には、「何を、どれだけ、どこで凍らせたいのか」を明確にし、両者のメリット・デメリットを比較検討することが重要です。

KOGASUNでは、お客様の製品での凍結テストを通じて、最適な機種選定をサポートいたします。どちらのタイプが適しているか迷われた際は、ぜひ一度ご相談ください。

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