「冷凍した椎茸は、グニャグニャして食感が悪い」 「カサの裏が茶色く変色して、鮮度が悪く見える」
椎茸などのキノコ類は、冷凍することで細胞壁が壊れ、旨味成分(グアニル酸)が増えるという嬉しい特性があります。 しかし、一般的な冷凍庫でゆっくり凍らせすぎると、細胞が壊れすぎて水分(ドリップ)が大量に出てしまい、食感が損なわれたり、変色が起きたりしてしまいます。
今回は、20℃の状態から3Dフリーザーで25分間の急速凍結を行い、「旨味アップ」と「食感維持」の両立ができるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:椎茸
- 投入温度:20℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:25分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

20℃から25分。 水分を多く含むスポンジ状の椎茸を、このスピードで凍らせることは、品質と見た目を守るために非常に重要です。
1. 「ベチャつき」を抑え、旨味成分だけを引き出す
椎茸冷凍の最大のメリットは、冷凍効果で酵素が働き、旨味成分(グアニル酸)が生の約3倍になると言われている点です。 しかし、ゆっくり凍らせると氷の結晶が細胞をズタズタにしてしまい、旨味ごと水分が流れ出てしまいます。
今回の「25分」という急速凍結なら、過度な細胞破壊を防ぎながら、旨味が増えるきっかけを作ります。 解凍せずそのまま鍋や汁物に入れれば、椎茸の濃厚な出汁が出つつ、身はしっかりとしていて、噛むとジュワッと旨味が溢れる最高の状態になります。
2. カサの裏の「白さ」を守り、変色させない
生椎茸の鮮度は、カサの裏側(ヒダ)の白さで判断されます。 ここが茶色く変色したり、黒ずんだりしていると、商品価値は大きく下がります。酸化酵素の働きや、冷凍焼けが主な原因です。
3Dフリーザーは、包み込むような冷気で酸化酵素の活性を素早く止めます。 解凍後もヒダが真っ白で美しく、採れたてのような見た目をキープ。 スライスして冷凍した場合も、切り口が変色せず、きれいな断面を保てます。
3. 「丸ごと」でも「スライス」でも、使い勝手抜群
椎茸は、軸(足)をカットしたり、飾り切りをしたりと加工の手間がかかる食材です。 飲食店では「すぐに使える状態」での納品が喜ばれます。
25分でサッと凍らせることで、くっつかずにバラ凍結(IQF)が可能です。 「煮物用に丸ごと」「炒め物用にスライス」など、用途に合わせた形状でストックでき、必要な分だけ取り出せるため、厨房の時短とロス削減に大きく貢献します。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
椎茸は、品種や水分量によって条件が変わります。
- 種類:肉厚な「どんこ」か、カサが開いた「こうしん」か。肉厚なほど中心凍結に時間がかかります。
- 栽培方法:水分が少なめの原木か、水分が多い菌床か。
- 形状:丸ごとか、スライスか、軸のみか。
「肉厚のどんこでも中まで凍るか?」「解凍後にドリップで目減りしないか?」 デモテストでは、貴社の椎茸を実際に凍結し、「加熱調理後の食感(歯ごたえ)」や「出汁の出方」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回の椎茸(生)のテストでは、「20℃から25分で急速凍結」することで、ベチャつきと変色を防ぎ、旨味成分を活かした高品質な冷凍キノコを作れることが実証されました。
「規格外の椎茸を、付加価値をつけて冷凍販売したい」「旨味たっぷりの冷凍キノコミックスを作りたい」とお考えの生産者様、食品加工業者様。 キノコのポテンシャルを最大限に引き出す技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
