「冷凍の牡蠣は、焼くと縮んでスカスカになる」 「生臭さが強くて、レモンをかけても誤魔化せない」
牡蠣の魅力は、あのふっくらとした身の「プリプリ感」と「クリーミーな旨味」です。 しかし、分厚い殻は断熱材の役割をしてしまうため、一般的な冷凍庫では中心(身)まで冷気が届くのに時間がかかり、その間に鮮度が落ちて身痩せや臭みの原因となっていました。
今回は、下処理を終えた11℃の状態から、殻付きのまま急速凍結を行い、その品質を検証しました。
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テスト条件と結果

水揚げ後、洗浄・滅菌浄化を経て、少し冷やされた状態からのスタートです。
- サンプル名:殻付き牡蠣
- 投入温度:11℃(※浄化・洗浄後)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:23分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

硬い殻に守られているにも関わらず、23分という短時間で完了。 このスピードは、牡蠣ビジネスの可能性を大きく広げる数字です。
1. 「身縮み」ゼロ!蒸しても焼いてもプリップリ
牡蠣を冷凍して一番ガッカリするのは、加熱した時に身がキュッと縮んで、殻の中が隙間だらけになってしまうことです。 これは、凍結スピードが遅いことで細胞が壊れ、解凍・加熱時に旨味エキス(ドリップ)が大量に流出してしまうためです。
今回の「23分」というスピードなら、細胞を壊さずに水分を保持したまま凍結できます。 酒蒸しや焼き牡蠣にしても、身がふっくらと膨らみ、食べた瞬間に熱々のスープが溢れ出す、あの「獲れたての感動」が味わえます。
2. 「殻の壁」を突破する3D冷気
牡蠣の殻は凸凹しており、厚みもあるため、一方向からの風では冷やすのが非常に困難です。 風が当たらない裏側から傷んでしまったり、冷えムラができたりするのがこれまでの課題でした。
3Dフリーザーの立体的な冷気は、複雑な形状の殻を全方向から包み込み、隙間に入り込んで熱を奪います。 断熱材となる殻があっても、わずか20分台で芯まで凍らせることができるのは、この「冷気の質」があってこそです。
3. 「旬の牡蠣」を通年提供し、ノロウイルス対策にも
牡蠣は産地によって旬が異なりますが、一番美味しい時期は限られています。また、冬場はノロウィルスなどのリスク管理も重要です。
身入りが最高の時期に急速凍結しておけば、一年中いつでも「旬の味」を提供できます。 また、11℃から一気に-18℃まで落とすことで、菌が繁殖しやすい温度帯を瞬時に通過させます。 生食用の基準を満たした牡蠣であれば、解凍してそのまま「生牡蠣」として提供できるレベルの鮮度保持が可能です(※生食提供は保健所の基準に従ってください)。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
牡蠣は、産地や種類によって殻の厚さや身の水分量が違います。
- 産地:北海道(厚岸・仙鳳趾)の丸い殻か、広島・三陸の縦長の殻か。
- 種類:真牡蠣(小ぶり・水分多め)か、岩牡蠣(大型・殻が分厚い)か。
- 提供方法:生食用か、加熱用(カンカン焼きなど)か。
「特大の岩牡蠣でも中まで凍るか?」「ハーフシェル(片殻)の状態だと乾燥しないか?」 デモテストでは、貴社の牡蠣をお持ち込みいただき、「解凍後の身のふくらみ具合」や「臭みの有無」を実際に調理してご確認いただけます。
まとめ
今回の殻付き牡蠣のテストでは、「11℃から23分で急速凍結」することで、身縮みを防ぎ、濃厚な旨味と磯の香りをキープできることが実証されました。
「オイスターバーで、一年中最高品質の牡蠣を出したい」「通販のクレーム(身が小さい、臭い)をなくしたい」とお考えの生産者様、飲食店様。 殻の奥にある旨味を守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
