鯖寿司(バッテラや棒寿司)は、一般的な握り寿司よりもシャリの密度が高く、サイズも大きいため、中心まで凍るのに時間がかかりがちです。 時間がかかるということは、それだけお米が劣化(老化)するリスクが高まり、解凍後に「芯が残ったような硬さ」になりやすいということです。
今回は、作りたての20℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、その品質を検証しました。
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テスト条件と結果

- サンプル名:鯖寿司
- 投入温度:20℃(※加工室温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:27分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

20℃から27分。 厚みのある鯖寿司を30分切りで凍結できたことは、シャリとネタの品質を守る上で非常に大きな意味を持ちます。
1. 押し寿司特有の「一体感」を守り、シャリを老化させない
鯖寿司は、鯖とシャリが馴染んだ「一体感」がおいしさの秘訣です。 しかし、冷凍に時間がかかりすぎると、シャリ(デンプン)が老化してパラパラに解けてしまい、鯖と分離してしまいます。また、食感もボソボソと硬くなってしまいます。
今回の「27分」というスピードは、お米が最も劣化しやすい温度帯(0℃〜4℃)を素早く通過しています。 これにより、解凍後もシャリはしっとりと粘りがあり、鯖とぴったり寄り添ったまま。 口の中でホロリとほどける、作りたての食感が再現されます。
2. 青魚の「脂」を酸化させず、臭みを出さない
鯖は「青魚の王様」と言われるほど脂が乗っていますが、この脂は非常に酸化しやすく、少しでも空気に触れながら時間が経つと「生臭さ」に変わります。 酢で締めてあるとはいえ、冷凍焼けによる劣化は避けられません。
3Dフリーザーの「包み込む冷気」は、表面を乾燥から守りながら熱を奪います。 鯖の脂を酸化させることなく凍結するため、解凍後も青魚特有の嫌な臭いがしません。 皮目の輝きや、身のピンク色も鮮やかに残り、見た目の美しさをキープします。
3. 「常温投入」だから、冷蔵庫でお米をダメにしない
通常、寿司を冷凍する際は、中心温度を下げるために一度冷蔵庫に入れる(予冷)ことが多いですが、冷蔵庫はお米を劣化させる一番の敵です。 予冷している間に、シャリはどんどん硬くなっていきます。
20℃(常温)からダイレクトに凍結できるということは、「劣化の原因となる予冷工程」をカットできるということです。 作ってすぐの柔らかい状態で凍らせるからこそ、解凍した時にも柔らかさが戻るのです。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
鯖寿司は、お店によってスタイルが様々です。
- 形状:丸い棒寿司か、四角いバッテラか。
- 昆布の有無:白板昆布を乗せているか(乾燥しやすい)。
- 包装:竹の皮で包むか、ラップのみか、真空パックか。
「竹の皮に包んだままでも中まで凍るか?」「焼き鯖寿司の場合はどうなるか?」 デモテストでは、貴社の製品スタイルそのままで凍結を行い、「解凍後のシャリの口当たり」や「鯖のドリップ」をご自身の舌で確かめていただけます。
まとめ
今回の鯖寿司のテストでは、「20℃から27分で急速凍結」することで、シャリの硬化を防ぎ、鯖の旨味と脂の鮮度を維持できることが実証されました。
「京都の老舗の味を、全国へ届けたい」「駅弁や空弁の廃棄ロスをなくしたい」とお考えの食品メーカー様、飲食店様。 シャリと青魚、どちらも妥協しない冷凍技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
