健康志向の高まりで、お弁当のメインとしても需要が高い「魚料理」。中でもサバは定番ですが、冷凍販売には大きなリスクが伴います。 それは「解凍した時の生臭さ」と「身がパサパサに硬くなる」ことです。 「レンジで温めたら、部屋中に魚の臭いが充満してしまった」「煮汁が水っぽくなり、魚の旨味が抜けている気がする…」。これは、凍結時間が長引くことで魚の脂が酸化し、細胞からドリップ(旨味成分を含んだ水分)が流出してしまうことが原因です。
今回は、脂の乗ったサバをピリ辛ダレで煮込んだお弁当を使用し、魚の鮮度と副菜の食感を守れるか検証しました。
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テスト条件と結果

今回は、調理後に放冷し、常温(20℃)に落ち着いた状態からのスタートです。
- サンプル名:鯖のピリ辛煮弁当(副菜:ベビーコーンと麺の和え物、野菜のトマト煮込み風、ひじき煮など)
- 投入温度:20℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:22分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

常温からわずか「22分」で凍結完了。魚介系のお弁当において、このスピードは「臭み」と「パサつき」を抑えるための決定的な要素となります。
1. 「青魚の臭み」が出る前に、鮮度を固定する
サバなどの青魚は、空気に触れている時間が長いほど脂が酸化し、独特の生臭さを発生させます。一般的な冷凍庫でゆっくり凍らせると、その間に酸化が進み、解凍時に強い臭いとなって現れます。 22分という短時間で一気に凍結させることで、酸化の進行を物理的にストップさせます。レンジアップした時も、嫌な臭いではなく、タレの食欲をそそる香りが立ち上り、「作りたてのような煮魚」を提供できます。
2. 煮汁の「濃度」を保ち、身をふっくら仕上げる
煮魚の美味しさは、身の中に残る水分と脂のバランスで決まります。緩慢凍結で細胞が壊れると、解凍時に大量のドリップが出て身がスカスカになり、逆に煮汁は水っぽく薄まってしまいます。 3Dフリーザーは細胞破壊を防ぐため、サバの身の中に水分を留めたまま凍結できます。箸を入れた時にほぐれる「ふっくら感」と、濃厚なままのピリ辛ダレを両立できるのはこのためです。
3. 繊細な「麺」と「ひじき」の食感を守る
今回のお弁当には、冷凍が難しい「細麺(パスタ・そうめん系)」や、水分が出やすい「野菜煮込み」「ひじき」も含まれています。特に麺類は、凍結が遅いと水分を吸ってブヨブヨになりがちです。 お弁当全体を急速かつ均一に冷却することで、麺のコシを残しつつ、野菜煮込みのシャキッとした歯応えもキープ。主菜のサバだけでなく、副菜一つひとつの完成度を落としません。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
魚惣菜やお弁当は、魚種や調理法によって最適な条件が異なります。
- 魚の厚みと脂乗り:肉厚な切り身か、薄いフィーレか。脂が多い時期か。
- タレの粘度:味噌煮のようなドロッとしたタレか、醤油ベースのサラサラした煮汁か。
- 副菜の組み合わせ:漬物やマヨネーズ和えなど、分離しやすい食材はあるか。
「骨付きの魚でも中まで安全に凍るか?」「タレがフィルムに付着しないか?」 デモテストでは、貴社の自信作であるお弁当をそのままの形で凍結し、レンジアップ後の「魚の匂い」や「身のほぐれ具合」を実際に食べて確認していただけます。
まとめ
今回の鯖弁当のテストでは、「20℃から22分」で処理することで、青魚特有の課題である臭みとパサつきを解消し、副菜まで高品質に維持できることが実証されました。
「魚のお弁当はクレームが怖くて冷凍に踏み切れない」「給食で出す魚料理のクオリティを上げたい」とお考えの食品メーカー様、配食サービス事業者様。 冷凍技術の差がダイレクトに味に出る「魚料理」こそ、3Dフリーザーでその違いを体感してください。
