中華麺のおいしさは、小麦の風味と、グルテンが生み出す「コシ」、そして喉越しの良さです。 しかし、一般的な冷凍庫(直風式)で麺を凍らせると、強い風で表面が乾燥してひび割れたり、冷凍中に麺の水分が抜けてボソボソになったりして、茹でた時にブツブツ切れる残念な麺になってしまいます。
今回は、製麺後に少し落ち着かせた18℃の状態から、3Dフリーザーで急速凍結を行い、打ちたての品質を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:中華麺
- 投入温度:18℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:48分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

18℃から48分。 中心まで冷気が入りにくいため、芯まで凍らせるには時間が必要ですが、この48分間「乾燥させずに守り抜く」ことが最大のポイントです。
1. 麺の「乾燥(ひび割れ)」を防ぎ、ツルツル食感を維持
冷凍中華麺の最大の敵は「乾燥」です。 麺の表面が乾燥してひび割れると、茹でている最中にそこから麺が切れてしまったり、お湯の中にデンプンが溶け出して表面がヌルヌルになったりします。
今回のテストでは、高湿度の冷気で包み込むことで、48分かけても麺の水分を奪わずに凍結させています。 表面が滑らかなまま凍るため、茹で上がりはツルツルとしており、喉越しの良さが「生麺」そのものです。
2. グルテン組織を守り、噛みごたえのある「コシ」を残す
ラーメン好きがこだわる「コシ(弾力)」。 緩慢冷凍(通常の冷凍)では、麺の中の水分が大きな氷の結晶となり、グルテンの網目構造をズタズタに壊してしまいます。これでは、どんなに良い小麦を使っていても台無しです。
3Dフリーザーは、氷の結晶を微細なまま留めるため、グルテンの結合力を弱めません。 食べた瞬間の「プツッ」と切れる歯切れの良さと、噛むほどに押し返すような弾力が残り、スープによく絡む最高の麺に仕上がります。
3. 「製麺→即冷凍」で、保存料を使わずに長期保存
生麺は日持ちしないため、流通させるには酒精(アルコール)や保存料を使うのが一般的ですが、これが風味を損なう原因になることもあります。 しかし、急速冷凍ができれば保存料は不要です。
製麺直後の18℃からダイレクトに凍結することで、小麦の香りをそのままに、数ヶ月単位での長期保存が可能になります。 「無添加の生麺」を全国へ通販したり、多店舗展開のラーメン店へ一括配送したりと、ビジネスの幅が大きく広がります。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
中華麺は、加水率や太さによって凍結条件が大きく変わります。
- 加水率:多加水麺(モチモチ)か、低加水麺(パツパツ)か。水分が多いほど凍結時の膨張リスクがあります。
- 太さ:極太つけ麺か、博多風極細麺か。細麺は特に乾燥しやすいので注意が必要です。
- 形状:ストレートか、手揉みちぢれか。
「低加水のバリカタ麺でも折れないか?」「全粒粉入りでも風味は残るか?」 デモテストでは、貴社のこだわりの麺をお持ち込みいただき、「茹でた後の麺の長さ(切れにくさ)」や「小麦の香り」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回の中華麺のテストでは、「18℃から48分で急速凍結」することで、乾燥による麺切れを防ぎ、生麺特有のコシと滑らかさを維持できることが実証されました。
「製麺所の打ちたての味を、そのまま家庭に届けたい」「店舗のロスをなくし、常に最高の麺を提供したい」とお考えの製麺業者様、ラーメン店オーナー様。 麺のコシを守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
