「SDGs(持続可能な開発目標)」という言葉を、聞かない日はないほどになりました。環境問題や社会問題への関心が世界的に高まる中、企業にとってSDGsへの取り組みは、もはや単なる社会貢献活動ではなく、持続的な成長に不可欠な経営戦略そのものとなっています。
しかし、多くの食品事業者、特に中小企業にとっては、「SDGsと言われても、何から手をつけていいか分からない」「日々の業務に追われて、そんな余裕はない」というのが本音ではないでしょうか。
実は、あなたのビジネスの根幹に関わる「急速冷凍」技術の導入・活用こそが、極めて効果的なSDGsへの取り組みとなることをご存知ですか?
急速冷凍は、食品の品質を維持するという本来の目的に加え、「フードロスの削減」「働きがいの向上」「地方経済の活性化」など、SDGsが掲げる多くの目標達成に、直接的に貢献する大きなポテンシャルを秘めているのです。
この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーであるKOGASUNが、急速冷凍技術がいかにしてSDGsの達成に貢献できるのか、具体的な目標と関連付けながら解説します。
急速冷凍が貢献する、5つのSDGs目標
急速冷凍技術は、SDGsが掲げる17の目標のうち、特に以下の5つの目標達成に大きく貢献します。

1. 目標12:つくる責任 つかう責任(フードロスの削減)
急速冷凍の導入が最も直接的に貢献できるのが、この目標です。特に、ターゲット12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」に直結します。
•賞味期限の延長: 生鮮食品の賞味期限を数ヶ月〜1年以上に延長することで、需要予測のズレによる売れ残りや、急なキャンセルによる廃棄をほぼゼロにします。
•未利用資源の活用: これまでサイズが不揃い、少し傷があるといった理由だけで「規格外」として廃棄されていた農水産物を、カット・加工して急速冷凍することで、付加価値の高い商品として蘇らせることができます。これは、生産者の収入向上にも繋がります。
2. 目標2:飢餓をゼロに(食料の安定供給)
ターゲット2.1「安全かつ栄養のある食料へのアクセスの確保」や、2.4「持続可能な食料生産システムの確保」に関連します。
•旬の食材の通年供給: 豊漁・豊作の時期に獲れた栄養価の高い食材を急速冷凍してストックすることで、収穫量が少ない時期にも安定的に供給することが可能になります。これにより、食料価格の安定化にも貢献します。
•災害時の備蓄: 長期保存が可能な冷凍食品は、地震や台風などの災害時における非常食としても極めて有効です。栄養バランスの取れた食事を、被災地に届けることができます。
3. 目標8:働きがいも経済成長も(働き方改革と生産性向上)
ターゲット8.5「働きがいのある人間らしい仕事」や、8.2「高いレベルの経済生産性」に貢献します。
•計画生産による労働環境改善: 急速冷凍を活用した「計画生産」により、ピークタイムの作業負荷を平準化。これにより、長時間労働の是正や休日の確保が容易になり、従業員のワークライフバランスを改善します。
•省人化と多様な人材活用: 店舗での調理工程が簡略化されるため、調理経験の浅い人や、短時間勤務を希望する人でも活躍の場が広がります。これは、人手不足の解消と、多様な人材が働き続けられる環境づくりに繋がります。
4. 目標14:海の豊かさを守ろう(水産資源の保護)
ターゲット14.4「持続可能な漁業の実現」に間接的に貢献します。
•漁獲量の平準化: 豊漁時に獲れた魚を安値で買い叩いたり、最悪の場合廃棄したりするのではなく、急速冷凍してストックすることで、魚価の安定化に貢献します。これにより、漁業者の経営が安定し、乱獲を防ぎ、持続可能な漁業を営むインセンティブが生まれます。
5. 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう(地方創生)
ターゲット9.3「中小企業の金融サービスへのアクセス拡大」や、9.b「国内の技術開発、研究、イノベーションを支援する」に関連します。
•地方産品の全国展開: 急速冷凍技術は、地方の小さな生産者や飲食店が、自慢の産品や料理を「冷凍食品」という形で全国に発信することを可能にします。EC通販を通じて、地域の特産品が新たなブランドとなり、雇用を生み出し、地方経済の活性化(地方創生)に繋がります。
まとめ:サステナブル経営への第一歩は「急速冷凍」から
これまで見てきたように、急速冷凍技術への投資は、単なる生産設備への投資ではありません。それは、自社の利益向上と同時に、地球環境や社会が抱える課題の解決に貢献する、未来への投資です。
•フードロスを減らし(目標12)
•従業員の働きがいを高め(目標8)
•地域の資源を活かし(目標9, 14)
•食料の安定供給に貢献する(目標2)
これらの取り組みは、企業の社会的評価を高め、消費者や取引先からの信頼を獲得し、優秀な人材を惹きつける上で、大きな力となります。
「SDGs」と聞くと難しく考えてしまいがちですが、まずは自社の事業活動の中で、最も身近で、かつインパクトの大きい「食料廃棄」の問題から着手してみてはいかがでしょうか。
KOGASUNでは、お客様の事業が、急速冷凍技術を通じてどのようにSDGsに貢献できるか、具体的なストーリーを描き、それを外部に発信していくためのお手伝いもしています。補助金申請の際にも、SDGsへの貢献は強力なアピールポイントとなります。
持続可能な社会の実現と、自社の持続的な成長。その両立を目指す一歩を、ぜひ私たちと一緒に踏み出しましょう。
