せっかく高品質な急速冷凍を行っても、包装が不適切だと、冷凍焼けや乾燥によって品質が劣化してしまいます。
急速冷凍食品の品質を長期間保つためには、適切な包装方法を選ぶことが非常に重要です。
本記事では、真空パック、脱気包装、ラップ、アルミホイルなど、さまざまな包装方法の特徴と、食材別の使い分けについて詳しく解説します。
Contents
なぜ包装が重要なのか?
冷凍食品の品質劣化の主な原因は、以下の2つです。
1.冷凍焼け: 食品表面の水分が昇華(氷→水蒸気)し、乾燥してパサパサになる現象。
2.酸化: 空気中の酸素に触れることで、脂質が酸化し、風味が劣化する。
適切な包装は、これらを防ぎ、冷凍食品の品質を長期間保つために不可欠です。
詳しくは**冷凍焼けの原因と防止策**をご覧ください。
包装方法の種類と特徴
1. 真空パック(真空包装)
特徴:
•専用の真空包装機を使い、袋内の空気を完全に抜いて密封する。
•酸素を遮断するため、酸化を防ぎ、長期保存に最適。
メリット:
•冷凍焼けを最も効果的に防げる
•賞味期限を大幅に延ばせる
•業務用・EC販売に最適
デメリット:
•専用の機械が必要(数万円〜数十万円)
•柔らかい食材は、真空圧で潰れる可能性がある
適した食材: 肉、魚、惣菜、調理済み食品
2. 脱気包装(エアー抜き)
特徴:
•袋に食材を入れ、手やストローで空気を抜いて密封する。
•真空パックほどではないが、ある程度空気を遮断できる。
メリット:
•特別な機械が不要
•家庭でも簡単にできる
デメリット:
•完全に空気を抜くのは難しい
•真空パックより保存期間は短い
適した食材: 家庭用の肉、魚、野菜
3. ラップ(食品用ラップフィルム)
特徴:
•食材を直接ラップで包む。
•最も手軽な方法。
メリット:
•手軽で安価
•少量の食材に適している
デメリット:
•空気を完全に遮断できない
•長期保存には不向き
適した食材: パン、ご飯、少量の食材
ポイント: ラップで包む際は、食材に密着させ、空気を入れないことが重要。さらにアルミホイルで包むと、より効果的。
4. アルミホイル
特徴:
•ラップの上からさらにアルミホイルで包む。
•光と酸素を遮断する効果が高い。
メリット:
•冷凍焼けを防ぐ効果が高い
•手軽に使える
デメリット:
•単体では密閉性が低い
適した食材: パン、ご飯、魚(ラップと併用)
5. 冷凍用保存袋(ジッパー付き袋)
特徴:
•厚手のポリエチレン製で、冷凍に適している。
•ジッパーで密閉できる。
メリット:
•手軽で再利用可能
•家庭用に便利
デメリット:
•完全な密閉は難しい
•業務用には不向き
適した食材: 家庭用の野菜、果物、ご飯
食材別|最適な包装方法
| 食材 | 最適な包装方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 肉(ブロック・ステーキ) | 真空パック | 酸化を防ぎ、ドリップを最小限に |
| 魚(切り身) | 真空パック | 鮮度を保ち、臭い移りを防ぐ |
| ひき肉 | 真空パック or 冷凍用保存袋 | 薄く平らにして冷凍 |
| 野菜(カット済み) | 冷凍用保存袋 | ブランチング後、水気を切って |
| パン | ラップ + アルミホイル | 1枚ずつ包むと使いやすい |
| ご飯 | ラップ(1食分ずつ) | 熱いうちにラップで包む |
| 惣菜(唐揚げ等) | 真空パック | 油の酸化を防ぐ |
| デザート(ケーキ) | ラップ + 密閉容器 | 形崩れを防ぐ |
包装のコツ|冷凍焼けを防ぐ3つのポイント
1.空気を徹底的に抜く: 食材と包装材の間に空気が残らないようにする。
2.二重包装: ラップで包んだ後、さらにアルミホイルや冷凍用保存袋で包む。
3.早めに使い切る: 真空パックでも、家庭用冷凍庫では3ヶ月以内を目安に。
業務用・EC販売には真空パック機が必須
業務用として冷凍食品を製造・販売する場合、または、EC・通販で全国に販売する場合は、真空パック機の導入を強く推奨します。
•品質保証: 長期間、高品質を保てる。
•見た目の良さ: プロフェッショナルな印象を与える。
•表示義務への対応: 賞味期限や原材料名などを印字したラベルを貼りやすい。
KOGASUNは包装方法もアドバイスします
KOGASUNでは、急速冷凍機の導入だけでなく、最適な包装方法や、真空パック機の選び方についてもアドバイスいたします。
**無料の冷凍テスト**では、複数の包装方法で冷凍し、品質を比較することも可能です。
「どの包装方法が最適かわからない」という方も、お気軽にご相談ください。
