
この記事では、長年培ってきたラーメンの味を損なうことなく冷凍し、ECサイトや通販を通じて全国のお客様に「店の味」をお届けするための急速冷凍機の選び方について解説します。
ラーメンの麺、スープ、具材それぞれの品質を維持しながら急速冷凍する仕組みから、主要な凍結方式の特性、生産規模や予算に応じた具体的な選定基準、さらにはコスト削減に役立つ補助金情報まで、網羅的にご紹介します。
品質にこだわりを持つ生産責任者の方々が、自信を持って販路拡大に踏み出せるような実践的なガイドとしてご活用ください。
Contents
なぜ今、ラーメンの冷凍に急速冷凍機が必要なのか?
ECや通販で冷凍ラーメンの需要が高まる中、多くの店舗が直面しているのが「店の味をいかに忠実に再現するか」という課題です。従来の冷凍方法では、どうしてもラーメン本来のおいしさが損なわれがちでした。この課題を解決し、顧客満足度を高めるためには、冷凍技術そのものへの深い理解が不可欠です。
急速冷凍機は、単に食品を凍らせるだけでなく、品質劣化の根本原因を排除し、店の味をそのままの状態でお客様に届けるための戦略的な設備と言えます。この章では、急速冷凍技術がラーメンの品質維持になぜ重要なのか、その科学的な理由と市場背景を説明し、急速冷凍の基本的な必要性を解説していきます。
従来の冷凍方法でラーメンの味が落ちる理由

一般的な業務用冷凍庫などを用いた緩慢冷凍では、残念ながらラーメンの品質を大きく損なってしまう原因となります。その科学的根拠は、食品に含まれる水分が凍る過程にあります。食品の水分は、-1℃から-5℃の温度帯で氷の結晶を最も大きく生成します。この温度帯は「最大氷結晶生成帯」と呼ばれています。
緩慢冷凍の場合、食品がこの最大氷結晶生成帯をゆっくりと通過するため、水分が大きな氷の結晶へと成長してしまいます。この大きな氷の結晶は、麺の細胞壁やスープの組織、チャーシューなどの具材の繊維を物理的に破壊してしまいます。その結果、解凍した際に、破壊された細胞から旨味成分を含んだドリップ(水分)が流出し、麺はコシを失って伸びたような食感になり、スープの風味は薄れ、チャーシューはパサつき、本来のジューシーさが失われてしまうのです。
このように、従来の冷凍方法では、「店の味」をそのままの状態でお届けすることが極めて困難であり、これが冷凍ラーメンの品質に関する大きな課題となっていました。
急速冷凍がラーメンの品質を保つ仕組み

急速冷凍機がラーメンの品質を高いレベルで維持できるのは、凍結のメカニズムが従来の緩慢冷凍とは根本的に異なるためです。急速冷凍機は、食品が「最大氷結晶生成帯(0℃〜-5℃)」を極めて短時間で通過するように設計されています。
これにより、食品の細胞内外に形成される氷の結晶を非常に微細な状態に保つことが可能になります。氷の結晶が小さければ小さいほど、細胞組織への物理的な損傷は最小限に抑えられます。細胞組織が破壊されなければ、解凍時に旨味成分を含んだドリップの流出が抑制され、食品本来の水分や栄養素、風味が保持されるのです。
この技術のおかげで、急速冷凍されたラーメンは、解凍後もまるで打ち立てのような麺のコシと弾力、炊き立てのスープの豊かな香り、そしてジューシーで柔らかなチャーシューの味わいを、限りなく店舗で提供される状態に近い品質で再現できるようになります。

EC・通販市場の拡大と急速冷凍機の重要性
急速冷凍技術は、単なる品質維持のツールにとどまらず、現在の食品EC・通販市場において企業の成長戦略を支える重要な要素となっています。特にコロナ禍以降、自宅で本格的な外食の味を楽しみたいという消費者のニーズが急速に高まり、冷凍ラーメンのEC・通販市場は飛躍的な拡大を遂げました。
この大きなビジネスチャンスを掴み、競合他社との差別化を図るためには、単に冷凍ラーメンを販売するだけでなく、「高品質な冷凍ラーメン」を安定的に供給することが不可欠です。お客様は「お店の味そのまま」を求めており、期待を裏切らない品質を提供し続けることで、リピーターの獲得やブランドイメージの向上に繋がります。
急速冷凍機への投資は、目先のコストではなく、販路拡大を目指す生産責任者にとって、長期的な視点での事業成長を実現するための戦略的投資と言えます。高品質な冷凍ラーメンを提供できることは、新たな顧客層の開拓、売上向上、そしてブランド価値の向上に直結し、攻めの経営を実現する鍵となるでしょう。
ラーメンの品質を左右する!急速冷凍機の種類と特徴
一口に急速冷凍機といっても、その凍結方式はさまざまです。ここでは、ラーメンの製造において代表的な4つの凍結方式「エアブラスト式」「液体凍結式」「3Dフリーザー」「液体窒素式」を取り上げ、それぞれの仕組み、メリット・デメリット、そしてどのような食材に適しているかを詳しく解説します。自社のラーメンのどの部分(麺、スープ、具材)の品質を最も重視するかによって、最適な選択肢は異なります。それぞれの特徴を理解し、比較検討するための知識を提供します。
エアブラスト式(空気凍結):汎用性が高く、包装後の冷凍に

エアブラスト式急速冷凍機は、-30℃から-40℃の強力な冷風を食品に直接吹き付けて凍結させる方式です。この方式の最大のメリットは、比較的導入コストが安価である点と、すでに包装された商品をそのまま冷凍できる汎用性の高さにあります。例えば、最終的に袋詰めされた冷凍ラーメンのセット商品を、まとめて急速冷凍する際などに適しています。
しかし、デメリットとしては、冷風を直接当てることで食品表面が乾燥し、いわゆる「冷凍焼け」を引き起こすリスクがある点が挙げられます。また、液体凍結方式に比べると凍結速度は劣ります。ラーメンにおいては、比較的乾燥に強いチャーシューなどの具材や、包装後の麺とスープのセットを凍結するのに向いていますが、麺単体のデリケートな食感を維持するには工夫が必要になることがあります。
液体凍結式(リキッドフリーザー):スープや具材の品質維持に最適

液体凍結式急速冷凍機、通称リキッドフリーザーは、アルコールなどの不凍液(ブライン液)を-30℃程度に冷却し、真空包装した食品をその中に漬け込むことで急速に熱を奪い凍結させる方式です。空気と比較して熱伝達率が非常に高い液体を用いるため、速い凍結速度を実現できる点が最大のメリットです。
この高速凍結により、食品内部に形成される氷結晶を微細な状態に保つことができます。特にラーメンのスープのように液体成分が多いものは、凍結速度が品質に大きく影響します。液体凍結式であれば、スープの風味を閉じ込め、解凍後の分離や劣化を最小限に抑えることが可能です。また、チャーシューなどの具材も細胞組織の破壊が少なく、ジューシーな食感を維持しやすいです。ただし、食材を直接液体に触れさせることができないため、必ず真空包装が必要になる点が運用上の注意点となります。
3Dフリーザー®:麺・スープ・具材を“同じ品質”で戻すための高品質凍結

3Dフリーザー®は、麺・スープ・具材を別々に凍らせても、セットで凍らせても、解凍後の仕上がりを安定させることを目的に設計された急速冷凍機です。一般的な空気凍結のように一方向から強い冷風を当てるのではなく、庫内を高湿度に保った3D冷気(高湿度冷気)で満たし、食材を多方向から包み込むように冷却・凍結します。これにより、凍結中に表面の水分が奪われにくく、乾燥(目減り)や冷凍焼けを抑えやすくなります。
ラーメンで差が出やすいのは、麺の食感と、解凍時のドリップ(うま味を含んだ離水)です。冷え方に偏りがあると、表面と中心の温度差が大きくなり、内部の水分が動いて偏りやすくなります。水分の偏りは、解凍時のドリップ増加や食感低下につながる要因の一つです。3Dフリーザー®は急激な温度勾配を作りすぎない考え方で凍結を進め、水分移行を起こしにくい状態をつくることで、解凍後の麺のコシやなめらかさ、具材のジューシーさを保ちやすく、スープの仕上がりも安定しやすいのが特長です。
さらに、3Dフリーザー®にはACVCS®という特許技術が搭載されており、この品質設計を支える要素の一つになっています。麺・スープ・具材をまとめて冷凍する商品設計や、通販・業務用で「作りたての再現性」を重視する場合に、検討価値の高い方式と言えるでしょう。
※「3D凍結®」「3Dフリーザー®」「ACVCS®」はKOGASUNの登録商標です。
液体窒素式:究極の品質を求めるがコストは高め

液体窒素式急速冷凍機は、-196℃という極低温の液体窒素を直接、あるいは気化させた窒素ガスを食品に吹き付けて凍結させる方式です。他のどの方式よりも圧倒的に速い凍結速度を実現できる点が最大の特徴であり、超高速凍結によって食品内部にできる氷結晶が極めて微細に抑えられます。
これにより、食品の細胞組織へのダメージを極限まで抑えることが可能となり、解凍後の品質再現性は高いと言えるでしょう。しかし、その一方で、液体窒素を常に消費するためランニングコストが非常に高くなるという最大のデメリットがあります。また、極低温ガスを取り扱うため、導入時には厳重な安全対策が不可欠です。コストを度外視してでも最高品質にこだわりたい、希少価値の高い食材や特定の限定商品向けに検討されることが多い方式です。
【ラーメン向け】凍結方式の比較まとめ表
これまで解説した主要な急速冷凍機の凍結方式を、ラーメン製造の視点からまとめました。自社の製品特性や生産体制に合った最適な方式を選ぶ際の参考にしてください。
| 凍結方式 | 凍結速度の目安 | 品質維持能力 (麺・スープ・具材) |
得意な用途 | 導入コスト | ランニングコスト | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| エアブラスト式 | 中 | 中(冷凍焼け注意) | 包装後製品の凍結、乾燥に強い具材 | 安価 | 中(電気のみ) | 汎用性が高い、比較的安価 | 冷凍焼けリスク、液体・窒素よりかは凍結速度が緩やか |
| 液体凍結式 | 速い | 高(特にスープ、具材) | スープ、液体を含む具材、真空包装品 | 中 | 中~高(ブライン液費用) | 高速凍結で風味保持 | 真空包装必須、裸の食材は不可 |
| 3Dフリーザー® | 中 | 高(麺・スープ・具材全般) | 麺、スープ、具材のセット、ドリップ抑制 | 中 | 安価(省エネ、電気のみ) | ムラなく均一凍結、高品質・ドリップ抑制 | 液体・窒素よりかは凍結速度が緩やか |
| 液体窒素式 | 非常に速い | 高(麺・スープ・具材全般) | 麺、スープ、具材のセット、ドリップ抑制 | 高 | 非常に高(液体窒素費用) | 高い品質再現、ドリップ抑制 | ランニングコスト高、安全対策必須 |
失敗しない!ラーメン用急速冷凍機の選び方5つのポイント
急速冷凍機の種類を理解しただけでは、最適な一台を選ぶことはできません。自社の製品、生産体制、設置環境、そして予算に合致した機種を選ぶことが、導入成功の鍵を握ります。ここでは、ラーメン製造の現場責任者が意思決定を行う上で、必ず確認すべき5つの具体的な選定ポイントを、チェックリスト形式で分かりやすく解説します。
Point 1. 食材との相性で選ぶ(麺・スープ・具材)

急速冷凍機を選ぶ上で最も重要なのは「食材との相性」です。一口にラーメンといっても、麺、スープ、チャーシューなどの具材はそれぞれ異なる性質を持っています。例えば、麺のしなやかさやコシを最優先したいのであれば、水分を保持しつつ均一に凍結できる3Dフリーザーやエアブラスト式が適している場合があります。
一方、濃厚なスープの風味やとろみを損なわずに閉じ込めたい場合は、熱伝導率の高い液体で急速に冷却する液体凍結式や3Dフリーザーが非常に効果的です。また、チャーシューやメンマなどの具材の食感や瑞々しさを保つためには、細胞破壊を最小限に抑える凍結方式を選ぶ必要があります。自社のラーメンで特にこだわっている部分や、どの要素の品質維持を最優先したいのかを明確にすることが、機種選定の第一歩となります。
さらに、麺、スープ、具材をそれぞれ個別に急速冷凍するのか、それともすべてをセットにして一括で凍結するのかによっても、選ぶべき機種は変わってきます。製造プロセス全体を考慮し、それぞれの食材に最適な凍結方法を検討することで、解凍後も「店の味」と変わらない高品質なラーメンを顧客に届けることが可能になります。
Point 2. 生産量と処理能力で選ぶ

自社の生産規模に適した処理能力を持つ急速冷凍機を選ぶことは、効率的な運用と将来的な事業拡大を見据える上で非常に重要です。まずは、1日に製造するラーメンの食数や総重量から、1時間あたりに処理すべき凍結量(kg/h)を具体的に算出しましょう。この数値を基準に、各メーカーの機種が持つ処理能力を比較検討します。
急速冷凍機には、一度に食材を投入して凍結する「バッチ式」と、コンベアで連続的に食材を送り込みながら凍結する「トンネルフリーザー」「スパイラルフリーザー」があります。少量多品種の生産体制で、特定の時間帯に集中して凍結作業を行う場合はバッチ式が適しています。一方、大量生産を目指し、生産ラインと連携させて途切れることなく凍結したい場合は、「トンネルフリーザー」「スパイラルフリーザー」が効率的です。
現在の生産量だけでなく、将来的な販路拡大や需要の増加を見越して、少し余裕を持った処理能力の機種を選ぶことも大切な視点です。初期投資を抑えたい気持ちはよくわかりますが、将来的に生産量を増やしたくなった際に、処理能力不足で再度設備投資が必要になる事態は避けたいものです。中長期的な事業計画を立て、それに見合った処理能力を持つ機種を選びましょう。
Point 3. 設置スペースと厨房レイアウトで選ぶ

急速冷凍機を導入する際には、工場の厨房や生産ラインにおける物理的な制約を事前に確認することが不可欠です。まず、設置を予定している場所の幅、奥行き、高さを正確に測定しましょう。急速冷凍機本体のサイズだけでなく、扉の開閉に必要なスペース、メンテナンス作業を行うための作業スペース、そして食材の搬入・搬出を行う作業動線も考慮に入れる必要があります。
また、急速冷凍機を工場内に搬入するための経路も重要な確認事項です。出入口の広さ、通路の幅、エレベーターの積載量などを事前に確認し、スムーズな搬入が可能かを確認しましょう。床の耐荷重も考慮すべき点です。大型の急速冷凍機は重量があるため、設置場所の床がその重量に耐えられる設計になっているか、必要に応じて補強が必要ないかを確認してください。
さらに、電源の種類(単相・三相)、電圧、容量、そして給排水の有無も、機種選定に影響する見落としがちなポイントです。これらのインフラ設備が現在の設置場所で対応可能か、または追加工事が必要となるかを事前に把握しておくことで、導入後の予期せぬトラブルや追加費用の発生を防ぎ、現場へのスムーズな導入を実現できます。
Point 4. 導入コストとランニングコストで選ぶ

急速冷凍機の選定においては、コスト面から多角的に検討することが重要です。まず、急速冷凍機本体の購入費用である「導入コスト(イニシャルコスト)」はもちろんですが、それだけでなく、運用にかかる「ランニングコスト」まで含めたトータルコストで判断する必要があります。本体価格が安価でも、日々の運用コストが高くつく機種もあるため、長期的な視点でのコストシミュレーションが欠かせません。
ランニングコストの主な内訳としては、最も大きな割合を占める「電気代」が挙げられます。機種ごとの消費電力や想定される稼働時間を基に、月々の電気代を試算してみましょう。次に、「消耗品費」として、液体窒素式であれば液体窒素の補充費用、液体凍結式であればブライン液の補充や交換費用が発生します。これらの消耗品の単価や消費量を事前に確認しておくことが大切です。
さらに、「メンテナンス・保守費用」も考慮に入れる必要があります。急速冷凍機は精密機器であり、安定稼働を維持するためには定期的な点検や部品交換が不可欠です。メーカーが提供する保守プランの内容や費用を確認し、万が一の故障時の修理費用なども考慮に入れることで、導入後の運用コストを正確に把握し、事業計画に無理のない投資判断ができるようになります。
Point 5. サポート体制と実績で選ぶ
急速冷凍機は高価な設備であり、一度導入すれば長期間にわたって安定稼働させることが求められます。そのため、メーカーや販売代理店のサポート体制を重視することは非常に重要です。導入時の設置工事や操作指導が丁寧であることはもちろん、万が一の故障時に迅速に対応してくれるかどうかが、生産計画に大きな影響を与えます。
特に、ラーメンの生産ラインは少しの停止でも大きな損失につながる可能性があるため、全国どこでも迅速に駆けつけてくれるサポート体制や、24時間対応の窓口があるかなどは、確認すべき重要なポイントです。また、定期的なメンテナンスプランが充実しているかどうかも確認しましょう。事前の予防保全を行うことで、突発的な故障のリスクを低減し、安心して生産を継続することができます。
さらに、ラーメンや類似する食品での導入実績が豊富なメーカーを選ぶことも有効です。実績のあるメーカーは、品質向上に関するノウハウや凍結に関する深い知識を持っていることが多く、単なる設備の提供者としてだけでなく、事業のパートナーとして頼りになる存在となりえます。自社の「味の誇り」を理解し、共に事業の成長をサポートしてくれるような、信頼できるメーカーを見極める視点を持つことが、最適な急速冷凍機選びにつながるでしょう。
急速冷凍機の導入コストは?価格相場と補助金活用術
急速冷凍機の導入は、店舗の味を全国に届けるための重要な投資ですが、やはりコストは多くの生産責任者にとって最も気になる点の一つではないでしょうか。ここでは、業務用急速冷凍機の種類やサイズごとの価格相場、見落としがちな運用コストの内訳、そして導入負担を軽減するための国や自治体の補助金・助成金制度について、具体的な金額感を交えながら詳しく解説します。賢い資金計画を立て、安心して導入を進めるための情報を提供いたします。
業務用急速冷凍機の価格相場(種類・サイズ別)
業務用急速冷凍機の導入を検討する際、まず気になるのが本体価格です。価格相場は、凍結方式、処理能力、サイズによって大きく異なります。例えば、小型の業務用急速冷凍機であれば、200万円台から導入が可能です。これは、比較的導入コストを抑えたい場合に検討しやすい選択肢と言えるでしょう。
中型の業務用急速冷凍機になると、一般的には300万円から1,000万円程度の範囲が目安となります。3Dフリーザーは、麺やスープ、具材といったラーメンの構成要素すべてにおいて高品質な凍結が期待できるため、品質を重視する生産者に多く選ばれています。さらに、トンネル式のような大型の連続処理型急速冷凍機では、数千万円を超えるものも珍しくありません。これらの機種は、大量生産を目的とした大規模な工場での導入に適しています。
これらの価格はあくまで目安であり、冷却能力、オプション機能、設置工事費、運搬費などによって総額は大きく変動します。正確な導入コストを知るためには、必ず複数のメーカーから見積もりを取得し、自社の生産規模や求める品質、設置環境に合った最適な機種を選定することが重要です。
見落としがちなランニングコストの内訳
急速冷凍機の導入を考える際、本体価格(イニシャルコスト)に目が行きがちですが、長期的な運用においてはランニングコストも非常に重要な要素となります。ランニングコストを把握しておくことで、導入後の費用対効果をより正確にシミュレーションできます。
ランニングコストの最も大きな部分は「電気代」です。急速冷凍機は大量の電力を消費するため、機種の消費電力、1日の稼働時間、地域ごとの電気料金単価を考慮して、事前にシミュレーションを行うことが不可欠です。次に、「消耗品費」も考慮に入れる必要があります。液体窒素式であれば液体窒素の補充費用、液体凍結式であればブライン液の補充や交換費用が発生します。これらの消耗品は定期的に必要となるため、計画的な予算計上が求められます。
さらに、「メンテナンス・保守費用」も忘れてはなりません。急速冷凍機は精密機械であり、安定稼働を維持するためには定期的な点検や部品交換が不可欠です。メーカーによっては年間の保守契約プランが用意されていることもありますので、事前に確認し、トータルコストに含めて検討することが重要です。本体価格が安くてもランニングコストが高い機種もあるため、長期的な視点でのコストシミュレーションを行い、総合的に判断することをおすすめします。
賢く導入!活用できる補助金・助成金を紹介
急速冷凍機の導入は大きな投資となりますが、国や地方自治体が提供する補助金や助成金制度を活用することで、導入コストの負担を大幅に軽減できる可能性があります。これらの制度は、中小企業の生産性向上や新規事業展開、販路拡大などを支援することを目的としています。
代表的な制度としては、「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」が挙げられます。これは、革新的な製品開発やサービス提供、生産プロセス改善のための設備投資などを支援するもので、急速冷凍機の導入も対象となり得ます。また、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越え、事業再構築を目指す企業を支援する「事業再構築補助金」や、小規模事業者の販路開拓等を支援する「小規模事業者持続化補助金」なども活用できる場合があります。これらの補助金は、ラーメンの冷凍事業による販路拡大や生産性向上といった明確な目的がある場合に特に有効です。
さらに、設備投資にかかる税負担を軽減する「中小企業経営強化税制」も確認しておきましょう。この税制は、特定の要件を満たす設備投資に対して、即時償却または税額控除が適用される制度です。補助金や助成金は公募時期や申請要件が頻繁に更新されるため、中小企業庁や各自治体のウェブサイトで最新情報を確認し、専門家(税理士や中小企業診断士など)に相談しながら、自社に最適な制度を見つけることを強くおすすめします。
導入前に確認!無料テストのすすめ
急速冷凍機の選定と並行して、どのメーカーから購入するかも重要な意思決定です。高価な買い物で失敗しないためには、カタログに記載された性能だけでなく、実際に自社の製品でその性能を試すことが不可欠です。ここでは、信頼できるメーカーを見極めるポイントと、導入前に必ず実施したい「凍結テスト」の重要性について解説します。
まずは「凍結テスト」で品質を確かめよう

急速冷凍機の導入を検討する上で、カタログやウェブサイトの情報だけでは判断しきれないのが実情です。最も確実なのは、実際に自社のラーメンを冷凍し、解凍後の品質を確認する「凍結テスト」を実施することです。多くの急速冷凍機メーカーでは、自社のテストキッチンやラボで、お客様が持ち込んだ食材を無料で実際に凍結させてくれるサービスを提供しています。
この凍結テストでは、こだわり抜いた麺の食感、丹念に作り上げたスープの風味、そしてチャーシューなどの具材の味わいが、急速冷凍によってどのように変化するのかを、ご自身の目と舌で直接確かめることができます。解凍後のドリップの量や、麺が伸びていないか、スープの香りが飛んでいないかなど、店舗で提供する「店の味」がどれだけ忠実に再現されるかを徹底的に検証してください。このテストは、長年守り続けてきた品質への誇りを、機械化・量産化の過程で失いたくないという強い思いに応える、最も重要なステップとなります。
導入後の後悔を避けるためにも、必ず複数のメーカーで凍結テストを実施し、その結果を比較検討することをおすすめします。テストを通じて、冷凍技術のプロフェッショナルであるメーカー担当者から、自社のラーメンに最適な凍結条件や運用方法について具体的なアドバイスを得ることも可能です。この地道な検証作業こそが、自信を持って全国の顧客に「店の味」を届けるための、最適な一台を見つける鍵となるでしょう。
まとめ:最適な急速冷凍機で、あなたの店の味を全国へ
この記事では、ラーメンの品質を落とさずに冷凍し、全国の顧客に「店の味」を届けるための急速冷凍機の選び方を詳しく解説しました。冷凍ラーメンの品質維持には、細胞組織の破壊を最小限に抑える急速冷凍技術が不可欠です。適切な急速冷凍機を導入することで、打ち立ての麺の食感や炊き立てのスープの香りを再現し、消費者に感動を届けることが可能になります。
最適な急速冷凍機を選ぶためには、「食材との相性」「生産量と処理能力」「設置スペースと厨房レイアウト」「導入コストとランニングコスト」「サポート体制と実績」という5つのポイントを総合的に判断することが重要です。特に、麺、スープ、具材といったラーメンの構成要素それぞれに最適な凍結方式は異なりますので、自社のこだわりや商品の特性に合わせて慎重に検討してください。そして最も重要なのは、導入を決定する前に必ず「凍結テスト」を行い、ご自身の目で、舌で、自慢のラーメンが狙い通りの品質で冷凍・解凍できるかを確かめることです。
貴社の課題に合わせた最適な急速冷凍ソリューションをご提案します
この記事を通じて急速冷凍機に興味を持たれたものの、「どの冷凍機が自社の製品に最適なのか」「具体的な投資対効果はどれくらいになるのか」「まずは自社製品でテストをしてみたい」といった疑問やご要望をお持ちではありませんか?貴社の製品や生産規模、目指すビジネスモデルに合わせて、最適な機種の選定から導入後の運用サポートまで、一貫して支援させていただきます。
まずはお客様の現状を詳しくお伺いし、具体的なシミュレーションや、凍結テストの機会をご提供することも可能です。カタログだけでは分からない、実際の品質変化や導入効果を、ぜひご自身の目でお確かめください。急速冷凍機の導入は、貴社の事業を次のステージへと押し上げる強力な一手となるでしょう。まずはお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。貴社からのお問い合わせを心よりお待ちしております。



