まず結論です。3Dフリーザー®の急速冷凍は、一般冷凍に比べて色の再現性・食感保持・ドリップ(液だれ)抑制で優位になりました。この記事では、実機でのテスト手順と結果を整理し、3Dフリーザー®の仕組みを噛み砕いて解説します。加えて、現場で役立つ解凍のコツと、歩留まり改善の考え方をまとめました。

Contents
テスト概要
今回は「一般的な冷凍」と「3Dフリーザー®による急速冷凍」を比較しました。対象は鮮度の良いスルメイカ。前処理(下処理と水気除去)を統一し、凍結30〜40分で中心温度を到達させることを目安に運用しています。
共通条件
- 下処理:内臓除去・表面の水分をキッチンペーパーで除去
- 包装:空気接触を最小化(ラップ+袋)
- 解凍:冷蔵庫内での緩慢解凍(後述のコツ参照)

庫内の中に入れて30分~40分ぐらいで凍りました。
結果(ビジュアル比較)


3D凍結®したものは目の色に変化がなく、色もほぼ冷凍前と同様の色を再現しています。
身の状態についても冷凍前と比べても大きな劣化はありませんでした。
観察ポイントの比較表
| 評価項目 | 一般冷凍 | 3Dフリーザー®急速冷凍 |
|---|---|---|
| 目の透明感 | 白濁しやすい | 透明感が維持されやすい |
| 身色の再現性 | ややくすむ | 冷凍前に近い発色 |
| 食感 | 繊維感が弱まりやすい | 張り・弾力が残りやすい |
| ドリップ | 多め(旨味が流出) | 少なめ(旨味保持に寄与) |
| 解凍ムラ | 出やすい | 出にくい |
何故このような違いが出たのか?
理由は氷結晶のサイズと均一性にあります。一般冷凍では凍結時間が長く、組織内に大きな氷結晶が形成され、細胞壁を傷つけがちです。一方で、3Dフリーザー®は高湿度の冷気で包み込むように全方位から均一に急速冷却し、微細な氷結晶に抑えます。だから、解凍時のドリップや食感劣化を最小限にできます。

現場で使える:前処理と解凍のコツ
前処理の要点
- 下処理後は水気をしっかり除去(ドリップ抑制に直結)
- 平らにして薄く、空気接触を減らす(凍結時間の短縮)
- 必要に応じて軽い真空や袋内置換で酸化抑制
解凍のコツ
- 基本は冷蔵庫内での緩慢解凍(時間はかかるが歩留まりが安定)
- 急ぐ場合は氷水+塩少量で温度を0℃付近にキープ
- 解凍直後の常温放置は避ける(変色・ドリップ増の原因)
対象食材の広がり
イカだけでなく、マグロ・ヒラメ・ホタテなどの刺身系でも同様の効果が期待できます。用途別の事例は下記にまとまっています。
導入事例
よくある質問(FAQ)
A. 3Dフリーザー®は高湿度の冷気で食材を全方位から均一に急速冷却します。だから氷結晶が微細化し、色・食感・ドリップの劣化を抑えられます。
A. 条件により変動しますが、今回のテストでは30〜40分で凍結できました(前処理・厚み・装置設定に依存)。
A. 冷蔵庫内の緩慢解凍が基本です。急ぐ場合は氷水を活用し、常温放置は避けてください。
A. はい、デモのご相談を承っています。下記の「資料ダウンロード」よりご連絡ください。
