【実証テスト】盛り付け済み「おせち」をそのまま冷凍!48分で完了させるメリットとは?

おせち料理の難しさは、「水分の多い煮物」「パサつきやすい焼き物」「変色しやすい酢の物」が混在している点にあります。 これらを一つの箱に詰めて同時に凍らせるには、繊細なコントロールが必要です。

今回は、冷蔵(10℃)の状態から、重箱(またはトレイ)ごと3Dフリーザーで凍結させました。

テスト条件と結果

  • サンプル名:おせち料理(盛り込み済み)
  • 投入温度:10℃
  • 取出温度:-18℃(中心温度)
  • 凍結時間:48分

この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

48分という時間は、おせち料理の品質と生産計画において、非常に重要な意味を持ちます。

1. 「霜」が付かない!蓋を開けた瞬間の感動を守る

冷凍おせちのクレームNo.1と言われるのが「霜」です。 ゆっくり凍らせたり、温度変化があったりすると、食材の水分が蒸発して蓋の裏や食材の表面に霜として付着してしまいます。これでは、せっかくの豪華なおせちが台無しです。

今回のテストでは、48分でスムーズに凍結ゾーンを通過させています。 3Dフリーザーの湿度を保つ冷気は、食材からの水分蒸発(昇華)を最小限に抑えるため、霜の発生を劇的に防ぎます。 解凍して蓋を開けた時、作りたてのような鮮やかな色彩が目に飛び込んでくる。この「見た目の品質」こそが高単価商品の命です。

2. 「伊達巻」はふわふわ、「なます」はシャキシャキ

通常、異なる食材を同時に凍らせると、どちらかが犠牲になりがちです。 例えば、強い風を当てると、伊達巻や栗きんとんは乾燥してひび割れてしまいますが、風が弱いと根菜類(煮しめ)が凍らずに食感が悪くなります。

3Dフリーザーの「高湿度の包み込む冷気」は、デリケートな食材を乾燥から守りつつ、密度の高い食材の熱もしっかり奪います。 結果として、伊達巻のふわふわ感、エビのプリッとした食感、紅白なますの歯ごたえなど、それぞれの持ち味を損なうことなく均一に凍結できます。

3. 「12月の激務」を解消する計画生産が可能に

おせち料理の製造現場は、年末の数日間に業務が集中し、徹夜続きになることも珍しくありません。 しかし、高品質な急速冷凍が可能になれば、10月・11月から製造を開始し、冷凍在庫としてストックしておくことが可能になります。

「10℃から48分」という計算できるサイクルがあれば、1日の製造数を正確に割り出し、無理のない生産スケジュールを組むことができます。 労働環境の改善は、人手不足の解消や、製造ミスの防止にも直結します。

なぜ「デモテスト」が必要なのか?

おせち料理は、容器(重箱)の材質や段数によって凍結条件が大きく変わります。

  • 容器の材質:紙製、プラスチック製、木製では熱伝導率が異なります。
  • 段数:1段平置きか、3段重ねて凍らせるか(重ねると中心部の凍結に時間がかかります)。
  • 特殊食材:イクラやカズノコなど、冷凍変性が気になる食材の確認。

「3段重ねた状態で、真ん中の段もしっかり凍るのか?」「解凍方法は冷蔵庫で24時間でいいのか?」 デモテストでは、実際の商品形態(重箱の状態)でセンサーを設置し、「最も凍りにくい場所」が安全に凍結できているかを検証します。

まとめ

今回のおせちのテストでは、「盛り付けた状態で48分凍結」することで、霜のない美しい見た目と、食材ごとの食感を守れることが実証されました。

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