紋別市の海幸フーズ 「3D冷凍」で新展開

引用元:水産新聞 2023年11月6日 掲載

すし種・カニ加工・玉冷強化

紋別市の株海幸フーズ(渡辺雅俊社長、電話0158・28・5568)は今年1月に地元・すし店の経営を継承した。提供するすし、刺身や天ぷらなど料理素材の確保で細心の冷凍技術「3D冷凍」のフリーザー(株コガサン製)を1台導入。併せてカニの冷凍加工、ホタテ玉冷の生産強化に乗り出している。

継承したすし店は、市内中心部に店舗を構える「寿司処みらく」。従来生ガキなどの取引先だったが、経営者が昨年暮れに死去。同店と自社共通の会計士から相談・依頼を受け、遺志を引き継ぐことを決断した。急きょ職人を探し、店名を残して1月26日にリニューアルオープンした。

40席強で昼間にランチも提供。地元客に加えてインバウンドを含め観光客らが「多いときは1日70人ほどが来店する」と渡辺社長。オヒョウやカレイ類、ソイなど前浜産を提供するため、経済産業省の「ものづくり補助金」と紋別市の助成金を活用し、高品質冷凍加工の体制を整えた。

3Dフリーザーの導入は紋別市では初めて。冷凍能力1時間当たり100キロ強を設備。「5年ほど前にデモ機でカキ、ホタテの凍結試験を行ったところ、ドリップが3%以下と少なく、凍結品質は連続式と遜色ない」と強調。「設置スペースも取らず、初期投資を併せて使い勝手がいい。凍結能力の増強が必要になれば台数を増やせば対応できる」と見据える。

また、従来外注していたズワイのポーションなどカニ製品を自社加工に切り替え、ホタテは原貝で販売していた300トン以上を玉冷製造に仕向けて内販に取り組んでいくほか、フレークも3D冷凍を実施。「差別化につなげていきたい」と話す。

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