引用元:みなと新聞 2010年6月24日 掲載
エアオペレーションテクノロジーズ株式会社(AOT)は、山口県下関市の老舗かまぼこメーカー「岡虎」と共同で、3Dフリーザーを活用した焼き抜きかまぼこの品質検証試験を実施しました。
対象製品は、SA級冷凍すり身を主原料とし、でんぷん含量1%以下の高級焼き抜きかまぼこ「夕波」(容量200g)。
今回の試験では、従来のエアブラスト(AB)冷凍方式と比較し、3Dフリーザーによる凍結品質の差を確認しました。
試験概要
試料は2024年6月17日午後4時30分に凍結を開始。
庫内温度マイナス35℃の「3Dフリーザー」と、同条件下での「AB冷凍庫」にて同時凍結を行いました。
両試験区とも芯温マイナス20℃以下まで冷却後、マイナス30℃のストッカーで21日午後9時まで保管。
その後、2℃の冷蔵環境で解凍し、6月22日午後1時から室温25℃で物性変化を測定しました。
結果
解凍後の官能試験および視覚評価では、3Dフリーザーで凍結した試料は「す」やドリップがほとんど見られず、弾力・食感・艶などが冷凍前と遜色ないことが確認されました。
一方で、AB冷凍区では「す」の発生やドリップが多く、品質に明確な差が現れました。
岡虎の貞政社長からは、
「3Dフリーザーで冷凍した『夕波』は、冷凍前とほぼ変わらない商品化レベルの品質」
との高い評価をいただきました。
追加検証と今後の展望
AOTでは今回の比較試験に加え、地魚すり身100%の「伝承づくり」製品でも補完的な試験を実施。
結果はいずれも同様で、でんぷんや糖分の含量が低く「す」ができやすいとされる高級焼き抜きかまぼこでも、3Dフリーザーによる高品質保持が確認されました。
古賀社長は次のように述べています。
「今後はより厳密で科学的な検証を重ね、食品分野での3D凍結技術の信頼性をさらに高めていきたい」
   


      
      
      
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   