『漁獲物』から『製品』へ|上越漁協の6次化×3Dフリーザー®

上越漁協の6次産業化と3Dフリーザー®導入を伝えるみなと新聞記事(2018年1月5日掲載)


本記事は、みなと新聞(2018年1月5日掲載)の内容をもとに、上越漁協(JF上越/新潟県糸魚川市)の取り組みを紹介するものです。公開日(2018年1月5日)当時の情報に基づきますが、読みやすさ向上のため2025年10月31日に再構成・追記しました。

『漁獲物』から『製品』へ──発想の転換

上越漁協では、魚を「漁獲物」ではなく「製品」として扱うという発想を前面に出しています。まず、海上段階から品質設計を行い、最終製品まで一貫して衛生・品質管理を徹底。つまり、海にいる時点から最高の製品づくりが始まっているという考え方です。

鮮度保持と衛生管理の仕組み

  • やさしい取り扱い:魚体を傷付けないようタモスキ(網)で丁寧に水揚げ。
  • 船上の設備:滅菌海水の生成装置と冷却装置を備え、船上から鮮度保持を実施。
  • 陸上の衛生管理:水揚げ場・荷さばき場を滅菌海水で常時洗浄し、衛生状態を維持。
  • 隣接工場で一貫加工:自営加工場でフィレー(コンブ締めなど)を効率的に製造。

一方で、傷みやすいメギス(ニギス)でもウロコを保ったままの取り扱いが評価されるなど、現場の工夫が成果につながっています。

3Dフリーザー®の導入意図と効果

次に注目すべきは、古賀産業の3Dフリーザー®による急速凍結です。従来、天然魚が獲れ過ぎた際の需給調整としての冷凍とは異なり、付加価値を高めるための冷凍へと位置付けを転換。さらに、真空パック後に短時間で中心までムラなく凍結することで、解凍後の味・食感・歩留まりの最適化を図っています。

ユニークな販売手法──小型冷凍ケースの活用

販路開拓では、マイナス20℃前後まで下がる小型冷凍ケースを取引先に貸与し、省スペースでの展開+POPによる訴求を提案。築地場外市場など県外にも設置先が広がり、組合員の鮮度保持の努力が価値として伝わる仕組みづくりを進めています。

製品ラインアップ(一例)

  • マダイ/マダラ/ホウボウ/ナンバンエビ/カワハギのコンブ締め冷凍フィレー
  • メギス(ニギス)・ナンバンエビの粉付け冷凍品(油調でそのまま提供可能)

まとめ

品質×衛生×急速冷凍の三位一体で、需要を創出する上越漁協。漁獲から最終製品までの一貫体制を基盤に、3Dフリーザー®の活用で“製品としての魚”を社会へ安定供給していきます。


出典:みなと新聞(2018年1月5日 掲載)/本ページは掲載内容を要約・再構成したものです。

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