ハンバーグ、餃子、つくねなど、あらゆるメニューのベースとなる「ミンチ肉(挽き肉)」。 使い勝手が良い反面、食肉加工の現場では「在庫管理が最も難しい食材」と言われています。 理由は、肉を細かく挽いているため空気に触れる表面積が圧倒的に大きく、「すぐに酸化して茶色く変色する」「解凍すると大量のドリップが出て、旨味が抜けてしまう」からです。 「冷凍の挽き肉を使ったら、ハンバーグがボソボソして固まらなかった」「変色でお客様からクレームが来た」。 これは、凍結スピードの遅さが招く「酸化」と「細胞破壊」が原因です。
今回は、冷蔵庫で冷やし込んだ5℃の状態から、わずか30分で急速凍結を行い、挽きたての鮮やかな色と結着力(つなぎ)を維持できるか検証しました。
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テスト条件と結果

- サンプル名:ミンチ肉(牛・豚・鶏)
- 投入温度:5℃(※冷蔵・チルド)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:30分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

5℃から30分で凍結完了。傷み足の早いミンチ肉において、このスピードが「鮮度」と「安全性」を守る鉄則です。
1. 「酸化(黒ずみ)」を秒速で止め、鮮やかな赤色をキープ
ミンチ肉の最大の敵は「酸化」です。空気に触れた瞬間から劣化が始まり、牛肉は黒っぽく、豚・鶏肉はくすんだ色に変色してしまいます。 30分という短時間で一気にマイナス温度帯へ封じ込めることで、酸化プロセスを物理的にストップさせます。解凍後も、牛肉の鮮やかな赤色や、豚・鶏肉のきれいなピンク色がそのまま残るため、スーパーの陳列や調理前の見た目で「鮮度の良さ」をアピールできます。
2. ドリップを出さず、ハンバーグが「ふっくら」仕上がる
緩慢凍結で細胞が壊れたミンチ肉は、解凍時に肉汁(ドリップ)が流れ出てしまいます。粘り気も失われるため、ハンバーグやつくねにした際にまとまりにくく、焼くとひび割れてパサパサの食感になります。 細胞破壊を防いで凍結するため、肉の結着力と水分が保たれます。調理時に肉汁が外に逃げず、ふっくらジューシーで、肉の旨味が凝縮された仕上がりを実現できます。
3. 菌が繁殖しやすいミンチ肉の「衛生リスク」を低減
ブロック肉に比べて、ミンチ肉は菌の付着・繁殖リスクが格段に高い食材です。ゆっくり冷やしている時間は、菌にとって増殖のチャンスを与えているのと同じです。 チルド温度から瞬時に凍結させることで、菌の活動を一気に停止させます。HACCPの観点からも、最もリスクの高いミンチ肉を安全に管理し、賞味期限を延ばすための強力な武器となります。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
ミンチ肉は、脂の割合や形状によって凍結アプローチが変わります。
- 脂身の比率:脂の多い牛ミンチか、水分の多い鶏むねミンチか(脂が多いほど酸化しやすい)。
- 挽き目:粗挽きか、細挽きか。
- 荷姿:トレーパックか、真空袋詰めか、番重に敷き詰めたパラパラ凍結(IQF)狙いか。
「業務用1kgパックの厚みでも、中心まで変色せずに凍るか?」「パラパラの状態(バラ凍結)を作れるか?」 デモテストでは、貴社が扱う肉種とパッケージ形態で凍結を行い、解凍後の「ドリップの量」や「色の再現性」を実際に確認していただけます。
まとめ
今回のミンチ肉のテストでは、「5℃から30分」で処理することで、最も課題となる酸化変色とドリップ流出を防ぎ、挽きたての品質を維持できることが実証されました。
「廃棄ロスをなくすために、ミンチ肉を高品質にストックしたい」「冷凍ハンバーグの肉汁をもっと増やしたい」とお考えの精肉店様、食品工場様。 加工度が高く、ごまかしの利かない「挽き肉」こそ、3Dフリーザーの技術力で差がつきます。ぜひ一度、その“色の違い”をお試しください。
