サラダやチャーハン、スープの具材として人気のレタス。 しかし、冷凍加工においては「最も難しい野菜」の一つと言われています。水分があまりに多いため、冷凍すると細胞が破壊され、解凍時に水分が抜けきってペシャンコになってしまうからです。
今回は、加熱処理を行ってアツアツの70℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、その食感と色味を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

ブランチング(湯通し)を行い、水気を切った直後の高温状態を想定しています。
- サンプル名:レタス(カット・ブランチング済み)
- 投入温度:70℃(加熱直後)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:46分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

70℃から46分。 水分たっぷりの葉野菜を、高温から破壊せずに凍らせる。このプロセスが、レタスの商品価値を大きく引き上げます。
1. 繊維を残して「ドロドロ化」を回避
レタスを失敗冷凍すると、解凍した瞬間に水が出て、原形をとどめないほどドロドロになってしまいます。 これは、凍結スピードと風の当て方が適切でないと、繊細な細胞膜が氷の結晶で突き破られてしまうためです。
今回のテストでは、70℃から一気に温度を下げつつ、細胞を守るコントロールを行っています。 水分を細胞内に留めたまま固定するため、解凍しても繊維がしっかり残っています。 チャーハンやスープに入れた時、レタス特有の「シャキッ」としたアクセントが楽しめます。
2. 「70℃投入」で、変色を防ぎ鮮やかな緑をキープ
レタスは加熱後、すぐに冷まさないと余熱で色が飛び、茶色く変色してしまいます(褐変)。 通常は冷水で冷やしますが、レタスのような葉物は水を吸いすぎてしまい、食感が悪くなる原因になります。
加熱直後の70℃からダイレクトに凍結することで、「色止め」と「凍結」をワンステップで完了させます。 余分な水分を含ませることなく、鮮やかなライトグリーンを維持できるため、料理の彩りとしても最高です。
3. 加熱調理用の「高品質ストック」として活用
これまでレタスは「生鮮で使い切る」のが当たり前で、相場が高い時や欠品時はメニューから外すしかありませんでした。 しかし、この技術で冷凍ストックができれば話は変わります。
旬の安い時期に加工して保存しておけば、チャーハンや炒め物、スープの具材として年間通じて安定供給が可能になります。 特に加熱調理用としてのポテンシャルは非常に高く、飲食店の原価率低減に貢献します。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
レタスは、玉レタスかサニーレタスか、またカットサイズによって条件が変わります。
- 種類:結球レタス(水分多い)か、リーフレタス(葉が薄い)か。
- カット:ざく切りか、手ちぎりか。
- 用途:スープ用か、炒め物用か、自然解凍で和え物にするか。
「炒めても水っぽくならないか?」「芯の部分の食感は?」 デモテストでは、貴社の用途に合わせて凍結し、「加熱調理後の食感」や「色の鮮やかさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のレタスのテストでは、「70℃から46分で急速凍結」することで、細胞破壊によるドロドロ化と変色を防ぎ、加熱調理に最適なシャキシャキ感を維持できることが実証されました。
「冷凍チャーハンの具材をグレードアップしたい」「スープ用のカット野菜を自社製造したい」とお考えの食品工場様、農家様。 水分の多い野菜の限界に挑む技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
