お弁当やお惣菜で不動の人気を誇るカレーですが、冷凍商品として開発するには「香り」と「野菜の食感」という壁があります。 「解凍したら、スパイスの風味が飛んでしまい、ただ辛いだけのルーになった」「トッピングの揚げナスが、スポンジのようにスカスカで水っぽい」。 特に水分が多い野菜や、繊細な香辛料を使用するキーマカレーは、凍結スピードが遅いと品質が著しく低下してしまいます。
今回は、大きくカットされたナスやカボチャ、オクラが乗った具沢山のキーマカレー弁当を使用し、見た目のインパクトとスパイスの鮮度を維持できるか検証しました。
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テスト条件と結果

今回は、盛り付け後に放冷し、常温(20℃)まで下げた状態からのスタートです。
- サンプル名:野菜キーマカレー弁当(トッピング:揚げナス、副菜:オクラとカボチャの和え物、ブロッコリーのサラダ、キャベツなど)
- 投入温度:20℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:30分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

常温から30分で凍結完了。粘度の高いカレーソースと、水分の多い野菜を組み合わせたお弁当において、このスピードが「作りたてのシズル感」を守ります。
1. 挽肉がパサつかない!ソースとの「一体感」をキープ
キーマカレーの主役である挽肉は、緩慢凍結すると肉の水分が抜けてしまい、ボソボソとしたドライな食感になりがちです。また、ソースの油分と水分が分離し、口当たりが悪くなることもあります。 30分で一気に温度を下げることで、挽肉のジューシーさをソースの中に閉じ込めます。解凍後も肉の旨味とスパイス、野菜の甘みが溶け合った、滑らかで濃厚なキーマカレーの食感が蘇ります。
2. ナスの紫、オクラの緑。「変色」を防ぎ、見た目で食欲をそそる
今回のお弁当で目を引くのは、ゴロッと乗った「ナス」や、副菜の「カボチャ」「オクラ」です。これらは冷凍によるダメージを受けやすく、特にナスは黒ずんで変色したり、繊維が壊れてベチャッとしやすい食材です。 3Dフリーザーは、高湿度の3D冷気を包み込むように当てることで、野菜の色素が酸化する前に凍結させます。ナスの鮮やかな紫色やオクラの緑色がそのまま残るため、蓋を開けた瞬間の「美味しそう!」という感動を損ないません。
3. スパイスの香りを「密封」し、他のおかずへの匂い移りを防ぐ
カレーをお弁当にする際、懸念されるのが強い香りの拡散です。凍結に時間がかかると、庫内でカレーの匂いが充満し、隣り合う優しい味付けの副菜(キャベツやカボチャ)に香りが移ってしまうことがあります。 短時間で表面から中心までカチッと凍らせることで、香りの成分をカレーの中に封じ込めます。レンジアップした瞬間に初めてスパイスの芳醇な香りが立ち上るため、メリハリのある味わいを楽しんでいただけます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
カレーは、その粘度やスパイスの配合によって凍結特性が異なります。
- ルーの粘度:小麦粉を使った欧風カレーか、野菜とスパイスだけの無水カレーか。
- 具材の大きさ:溶け込んだ野菜か、後乗せのグリル野菜か。
- 容器の深さ:ルーの厚みによって、中心まで冷える時間は変わります。
「ゴロゴロ野菜が入っていても、中までしっかり凍るか?」「解凍後に油浮きしないか?」 デモテストでは、貴社のこだわりのカレー弁当を実際に凍結し、スパイスの飛び具合や、野菜の解凍後の食感を厳密にチェックしていただけます。
まとめ
今回のキーマカレー弁当のテストでは、「20℃から30分」で処理することで、挽肉のジューシーさ、野菜の鮮やかな色味、そして複雑なスパイスの香りをすべて維持できることが実証されました。
「レトルトにはない、手作り感あふれるカレーを届けたい」「野菜たっぷりのヘルシーカレーを冷凍販売したい」とお考えの食品メーカー様、飲食店様。 香りと食感が命の「スパイスカレー」こそ、3Dフリーザーの技術力で差がつきます。ぜひ一度、その再現性をお試しください。
