子供からお年寄りまで愛される「いなり寿司」。 冷凍食品としても需要が高い商品ですが、「解凍するとご飯が芯残りで硬い」「油揚げがパサパサしてジューシーさがない」といった不満の声もよく聞かれます。 お米の「老化」と、油揚げの「乾燥」を同時に防ぐことが、美味しい冷凍いなり寿司を作る条件です。
今回は、詰めたての21℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、作りたての柔らかさを維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:いなり寿司(味付け油揚げ・酢飯)
- 投入温度:21℃(※製造・常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:40分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

21℃から40分。 水分と糖分を含んだ油揚げと、密度の高いご飯の組み合わせを、この時間で凍結させることには大きな意味があります。
1. 「魔の温度帯」を突破し、シャリの硬化(老化)を防ぐ
いなり寿司冷凍の最大の敵は、ご飯(デンプン)の老化です。 ゆっくり冷やすと、0℃〜4℃付近でデンプンが急速に劣化し、ボロボロと崩れる硬いご飯になってしまいます。一度老化したご飯は、解凍しても元には戻りません。
今回の「40分」という急速凍結なら、老化が進む温度帯をスムーズに通過させることができます。 デンプンの構造が柔らかいまま固定されるため、レンジで温めたり自然解凍したりした時、ふっくらとした粘りのある美味しいシャリが復活します。
2. 油揚げの「煮汁」をご飯に移さない
時間がかかると、油揚げに含まれるたっぷりの煮汁が、内側のご飯に染み込みすぎてしまいます。 結果、ご飯がベチャベチャになり、逆に油揚げはスカスカになってしまいます。
21℃から一気に凍結工程に入ることで、煮汁が移動する前に、それぞれの場所で水分をロックします。 「お揚げはジューシー、ご飯は粒立ちが良い」という、作りたての絶妙なバランスを解凍後も楽しめます。
3. 「常温投入」だから、冷蔵庫で味を落とさない
ご飯ものは「冷蔵庫に入れると不味くなる」のが定説です。 予冷のために冷蔵庫に入れる工程自体が、いなり寿司の品質を下げてしまいます。
製造直後の21℃からダイレクトに凍結機へ入れることで、劣化の原因となる予冷時間をカットできます。 ご飯が一番美味しい状態(常温)からスタートすることが、解凍後の品質を高める一番の近道です。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
いなり寿司は、地域やメーカーによって味付けや形状が異なります。
- 形:俵型か、三角形か。
- 味付け:関東風(濃いめ)か、関西風(薄め・出汁重視)か。糖度が高いほど凍りにくくなります。
- 具材:五目入りか、酢飯のみか。
「黒糖を使った濃厚な揚げでも凍るか?」「包装したままでも40分で落ちるか?」 デモテストでは、貴社の規格のいなり寿司を実際に凍結・解凍し、「ご飯のふっくら感」や「油揚げのジューシーさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のいなり寿司のテストでは、「21℃から40分で急速凍結」することで、ご飯の老化と煮汁の移行を防ぎ、ジューシーでふっくらとした品質を維持できることが実証されました。
「スーパーのお惣菜コーナーで、廃棄ロスをゼロにしたい」「通販で、冷凍とは思えないいなり寿司を販売したい」とお考えの食品メーカー様、米飯加工業者様。 シャリとお揚げのハーモニーを守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
