「ジビエは臭いから苦手」 そう言われてしまう最大の原因は、処理の悪さと、冷凍・解凍時のドリップ(血を含んだ肉汁)にあります。 野生動物の肉は、個体差が激しく、また鉄分が多いため、冷凍スピードが遅いとドリップと共に鉄分が酸化し、強烈な「獣臭」を発してしまいます。
今回は、適切に処理された8℃の状態から、3Dフリーザーで急速凍結を行い、レストランのメインディッシュとして通用する高品質を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:ジビエ(鹿肉・猪肉)
- 投入温度:8℃(冷蔵)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:40分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

8℃から40分。 このスピードは、ジビエを「クセのある肉」から「高級食材」へと昇華させるための重要な鍵となります。
1. 「ドリップ」を止めて、野生特有の臭みをシャットアウト
ジビエ、特に鹿肉は鉄分が非常に多く、冷凍で細胞が壊れてドリップが出ると、その鉄分が酸化して独特の「鉄臭さ(レバー臭)」や「獣臭」になります。 緩慢冷凍(通常の冷凍)されたジビエが敬遠されるのは、このドリップが原因です。
今回の「40分」という急速凍結なら、細胞膜を破壊せずに、肉汁を繊維の中に閉じ込めます。 解凍してもドリップが出ないため、嫌な臭みが一切ありません。ジビエ初心者でも「食べやすい!」「美味しい!」と驚く、クリアな味わいが実現します。
2. 鹿肉の「鮮やかな赤」と、猪肉の「脂の甘み」を守る
鹿肉の魅力は、ルビーのような美しい赤身の色ですが、酸化して黒ずみやすいのが難点です。 猪肉の魅力は、とろけるような脂身の甘さですが、これも酸化すると古臭い油の匂いになります。
3Dフリーザーは、表面を乾燥させずに素早く凍結するため、鹿肉の鮮やかな赤色を黒変させずにキープします。 また、猪肉の脂も酸化から守るため、ぼたん鍋やローストにした時、脂の甘い香りが際立ちます。
3. 「狩猟期間」に獲れた最高品質を通年販売
ジビエは狩猟期間(冬場など)が決まっており、年間を通じて安定供給するのが難しい食材です。 しかし、一番脂が乗って美味しい時期に獲れた個体を、品質を落とさずにストックできればビジネスチャンスは広がります。
40分で芯まで凍結し、高品質な在庫として保管することで、夏場のBBQシーズンや、端境期にも「冬の美味しいジビエ」を提供可能になります。 「在庫が持てる」ことは、飲食店への卸売りにおいて最強の武器です。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
ジビエは、家畜と違って規格が一定ではありません。
- 個体差:若い個体か、老成した個体か(水分量や肉質が違う)。
- 部位:背ロース(柔らかい)か、モモ(筋肉質)か。
- 形状:大きなブロックか、スライスか、ミンチか。
「ブロックのまま凍らせても中心からドリップが出ないか?」「真空パックと脱気包装、どっちがいいか?」 デモテストでは、貴社が扱うジビエをお持ち込みいただき、「解凍後のドリップの量(歩留まり)」や「焼いた時の臭気の有無」をご自身の鼻と舌で厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回のジビエのテストでは、「8℃から40分で急速凍結」することで、臭みの原因となるドリップを防ぎ、鮮やかな色味と本来の旨味を維持できることが実証されました。
「ジビエをブームで終わらせず、定番の高級食材にしたい」「臭いという偏見を覆す商品を届けたい」とお考えの解体処理施設様、食肉販売業者様。 野生の恵みを最高のおいしさで届ける技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
