元祖もみぢ饅頭の食感を冷凍で守り休日出勤をなくした株式会社高津堂様の導入事例

広島を代表する銘菓、もみじ饅頭。その発祥の店が、明治39年(1906年)創業、宮島口の株式会社高津堂様です。一つひとつ手焼きすることで生まれる独特のモチモチ食感で多くのファンを持つ一方、人気ゆえに大量注文を断らざるを得ず、繁忙期には休みのスタッフを呼び出す状態が続いていました。本記事では、伝統の食感を守りながら休日出勤をなくした導入事例に加えて、焼き饅頭のモチモチが失われる仕組みと、個包装のまま凍らせるときの注意点まで解説します。

結論:もみじ饅頭はモチモチのまま冷凍でき、平準化生産が休日出勤の解消につながった

株式会社高津堂様は、3Dフリーザー®の導入で、繁忙期に偏っていた製造を平準化しました。導入前の比較テストの試食で確かめたとおり、冷凍しても生地はパサつかず、焼きたて特有のモチモチ感と風味がそのまま残ります。閑散期に作ってストックし、繁忙期は在庫から出荷できるため、急な休日出勤の依頼はなくなりました。これまで断っていた大口注文も受けられるようになり、若いスタッフが長く働ける職場づくりが進んでいます。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業株式会社高津堂様(広島県廿日市市・明治39年創業)
事業元祖もみぢ饅頭の製造・販売
対象食材手焼きのもみぢ饅頭
導入目的平準化生産による働き方改革、大量注文への対応
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(2枚扉モデル)
導入の決め手数社の比較テストで、モチモチ食感の再現と操作のしやすさを確認できた

導入企業:明治39年創業、元祖もみぢ饅頭の店

株式会社高津堂様は、明治39年に初代・高津常助氏が考案した紅葉形焼饅頭をルーツに持つ、元祖もみぢ饅頭の店です。同社の商品名は「もみぢ饅頭」と表記し、一般名詞としては「もみじ饅頭」と書き分けます。一度は製造が途絶えましたが、常助氏の孫にあたる現店主が当時の焼型とレシピを復活させ、再創業しました。葉脈がくっきりとした美しい見た目と、他にはない弾力のある生地が評判を呼び、メディアでも多数取り上げられています。

「日本で最初のもみぢ饅頭の焼型」の説明札と、初代が使っていた紅葉形の金色の焼型

導入前の課題:繁忙期の休日返上と、大口注文の辞退

茶色の制服のスタッフたちが、店内の工房でもみじ饅頭のトレーを運ぶ製造風景

手焼きにこだわる現場では、注文が増える繁忙期に大きな負担が集中していました。

  • 大量注文への限界:日々の製造能力に上限があり、急な大口の依頼は断らざるを得ませんでした。
  • 休日返上の常態化:繁忙期には休みのスタッフを急きょ呼び出すことがあり、労働環境の改善が急務でした。
  • 品質への懸念:冷凍ストックを検討したものの、自慢の焼きたての食感が損なわれるのではという不安がありました。

伝統の味を守る仕事が、人の休みを削って成り立っていました。この構造を変えたのが、凍結技術でした。

なぜ焼き饅頭のモチモチは、失われてしまうのか

高津堂様のもみぢ饅頭が他と違うのは、噛んだときに返ってくる弾力です。この食感は、生地が水分をたっぷり抱えていることで成り立っています。つまりモチモチとは、水分の状態そのものを指しています。

焼き上がった直後の生地は、その水分が最も豊かな状態にあります。ところが熱いものは表面から水蒸気を出し続けるため、置いておく時間が長いほど水分は減っていきます。しかも生地のでんぷんは、冷蔵庫くらいの低温で時間が経つほど締まっていく性質を持っています。この二つが重なると、弾力のあった生地は硬くぼそぼそになります。

冷凍ストックへの不安は、まさにここにありました。凍らせる前に水分が抜け、凍らせる過程でも抜けるなら、伝統の食感は守れません。逆に言えば、焼き上がりから凍結までの時間を短くできれば、モチモチはそのまま残せます。

なぜ個包装のまま凍らせると、袋の内側に霜が付くのか

もう一つ、包装した状態で凍らせる商品ならではの落とし穴があります。

個包装された饅頭の袋の中には、わずかながら空気があります。ゆっくり凍らせると、生地の水分はその空気へ水蒸気として移り、袋の冷たい内側で霜になります。凍った袋を開けたときに張り付いている白い霜は、生地から抜けた水分そのものです。減った分だけ生地は乾き、モチモチは戻りません。

この移動も、時間が長いほど進みます。袋の中で水分が動き出す前に凍り切ってしまえば、霜は付きません。個包装のまま凍らせる商品では、凍結の速さが、袋の内側に霜が付くかどうかを分けます。

3D凍結®が、もみじ饅頭を焼きたての食感のまま冷凍できる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

対策は一つに絞られます。焼き上がりから凍結までの時間を、できるだけ短くすることです。時間を短くする手段として、強い風を当てる急速冷凍機は以前からあります。ただし乾いた強風は、モチモチの土台である生地の水分を奪いながら凍らせてしまいます。求められるのは、水分を守ったままの速さです。

その速さを、3Dフリーザー®は高湿度の3D冷気で実現します。冷気は個包装の全面に当たり、袋の外から一気に熱を奪います。個包装をトレーに並べたまま、上からも横からも同時に冷やせるため、でんぷんが締まる温度帯を短時間で通過できます。生地は水分を抱えたまま固まり、袋の中で水分が移動する時間も残りません。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

同じロットの中で食感が変わらないことも、伝統の味を守る条件です。冷気の当たり方に差があると、同じトレーでも置いた位置で凍る速さが変わります。凍結が後回しになるほど生地から水分が抜ける時間が長くなり、でんぷんの締まりも進みます。同じ日に焼いた饅頭なのに、袋を開けたときの食感がばらつくのはこのためです。袋の全面に冷気が当たるので、どの位置の一個も同じ速さで凍り、仕上がりに差が出ません。

冷気が乾いていないことも重要です。湿った冷気は生地から水分を奪わないまま熱だけを引き出すため、袋の中で水分が動き出す前に凍り切ります。焼き上がりを絶やさず投入しても冷気が乾かないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

数社の比較テストで生地のパサつきがなかったのは、この速さと湿度が組み合わさったからでした。手焼きという製法は一切変えずに、焼き上がりの状態だけを保存します。伝統と効率が両立したのは、そのためです。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:焼きたてと変わらない、モチモチ感

東京や広島のメーカー数社で冷凍テストを実施し、最終的に3Dフリーザー®が選ばれました。決め手は職人も納得する再現性です。試食すると、最も懸念していた生地のパサつきがなく、焼きたて特有のモチモチ感と風味がそのまま残っていました。機械の操作が直感的で、毎日使うスタッフの負担が一番少ないと判断できたことも後押しになりました。

個包装したもみじ饅頭を敷き詰めたコンテナを、3Dフリーザーの庫内へ運び入れる場面
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:閑散期に製造してストックする平準化生産により、急な休日出勤を解消した

閑散期に製造してストックする平準化生産が可能になりました。繁忙期でも在庫から出荷できるため、急な休日出勤の依頼がなくなり、休日を確実に取得できる体制が整いました。働き方の改善は、スタッフの定着率向上にもつながっています。

効果2:大口注文を断らない、強い経営基盤

十分なストックを持てるようになり、これまで断っていた大口注文も自信を持って受けられるようになりました。生産体制が安定したことで販売の機会を逃さず、経営の土台がひと回り強くなっています。

効果3:労働環境の改善で、若いスタッフが長く働ける職場になった

労働環境が改善されたことで、若いスタッフが無理なく長く働ける職場になりました。高津堂で働いてよかったと思ってもらえる企業づくりが進んでいます。導入前後の変化をまとめます。

赤い法被のスタッフが、急速冷凍機の前で作業する後ろ姿
観点導入前導入後
生産繁忙期に製造が集中閑散期に作る平準化生産
働き方休みの日の呼び出しが常態化急な休日出勤の依頼がゼロに
受注大量注文を断らざるを得ない在庫を強みに大口も受注
人材負担の大きい職場若手が定着する環境へ

和菓子の冷凍は和菓子工場様の導入事例でも紹介しています。パン・菓子のほかの実例はパン・菓子類の導入事例一覧にまとまっています。

導入機種:個包装を上下2室で凍らせるトレーインタイプ(2枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(2枚扉モデル)です。個包装したもみぢ饅頭をトレーに並べ、棚へ差し込むだけで凍結できます。上下2室に分かれた扉のため、焼き上がりのタイミングに合わせて少量ずつ入れても庫内の冷気を逃しにくく、閑散期に作りためる平準化生産の仕込みと相性のよい構造です。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

上下2枚の扉を開けたトレーインタイプ。各室にトレー棚が入り、扉の脇にタッチパネルが付く

お客様の声:株式会社高津堂様より

平準化生産の効果について、次のようにお話しいただきました。

「懸念していた品質も、いろいろテストして『これなら大丈夫』と確信して導入しました。一番の変化は働き方改革です。これがあれば平均して働けるので、忙しい時の無理な出勤のお願いがなくなりました。若い人が長く続いて、安心して働ける状態を作ることができたと思います。」

ご協力いただいた企業様

「元祖もみぢ饅頭」の赤い塔看板を掲げた、髙津堂の店舗がある街角

株式会社高津堂様

もみじ饅頭のモチモチ感を、焼きたてと食べ比べる:無料の凍結テスト

饅頭や大福、どら焼きのような乾燥しやすい和菓子の生地こそ、凍らせ方の違いが食感の差として表れます。KOGASUNの凍結テストは費用も出張費も無料です。主力の焼き饅頭を持ち込めば、次の項目を確かめられます。

確認項目見るポイント
生地の弾力解凍後のモチモチ感を、焼きたてと食べ比べる
袋の内側個包装のまま凍らせ、霜が付いていないかを見る
表面の状態生地が乾いていないか、葉脈の形が保たれているかを確かめる
餡の状態水が出ていないか、生地へ染みていないかを見る
操作のしやすさ毎日使う担当者が、迷わず扱えるかを確かめる

本事例と同じように、複数社比較の一社としてKOGASUNへ持ち込むのも歓迎です。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

和菓子・饅頭の冷凍でよくある質問

もみじ饅頭のような焼き饅頭は、冷凍で食感が落ちませんか?

生地のモチモチは水分が支えているため、凍結までに水分が抜けるとパサついて硬くなります。本事例では3Dフリーザー®の急速凍結により、焼きたて特有のモチモチ感と風味を保てることを試食で確認しました。焼き上がりから凍結までの時間の短さが分かれ目です。

個包装のまま冷凍すると、袋の内側に霜が付きませんか?

ゆっくり凍らせると、生地の水分が袋の中の空気へ移り、内側で霜になります。3D凍結®のように包装ごと素早く凍らせれば、水分が動く前に固まるため霜が付きにくくなります。袋の中の空気を減らして包むことも有効です。

平準化生産とは、どんな作り方ですか?

閑散期に製造して高品質な冷凍在庫を作り、繁忙期は在庫から出荷する生産方式です。製造量の山谷がならされるため、無理な残業や休日出勤に頼らず需要のピークへ対応できます。

手焼きの伝統製法と冷凍ストックは、両立できますか?

できます。冷凍は製法を変えるのではなく、作る時間と売る時間を切り離す技術です。本事例でも一つひとつ手焼きする工程はそのままに、焼き上がりを3Dフリーザー®で凍結して伝統の味を守っています。

和菓子店の働き方改革につながる設備投資に、補助金はありますか?

あります。省力化や生産性向上を目的とした設備投資は、中小企業省力化投資補助金やものづくり補助金の検討対象です。適用の可否は公募回の要件次第のため、KOGASUNの導入相談で直近の情報をご確認ください。

まとめ:平準化生産が休日出勤をなくし、大口注文を受けられる体制になった

高津堂様の事例は、凍結技術が食品の保存だけでなく、従業員の働き方の改善にもつながることを示しています。モチモチが失われる理由も、袋に霜が付く理由も、たどれば凍るまでの時間の長さです。その時間を短くした結果、伝統の食感はそのままに、急な休日出勤の依頼はなくなり、大口注文を断らない経営へ変わりました。職人の長時間労働に悩み、伝統の味を変えずに効率化したい和菓子店は、無料の凍結テストからお試しください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
導入・更新をご検討中の方へ
食品・生産量・設置環境に合わせて、最適な3Dフリーザーをご提案します。
機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
お問い合わせ・ご相談

関連記事

お問い合わせ