具沢山のスープと絡む太麺が美味しい「ちゃんぽん」。 麺の製造業者様や、通販を始めたい飲食店様にとって、茹で麺の冷凍は非常に難易度が高い分野です。 「解凍すると、麺にコシがなくなり、ブヨブヨのうどんのようになってしまう」「麺同士がガッチリくっついてしまい、スープに入れてもなかなかほぐれない」。 これは、凍結スピードの遅さが招く「デンプンの老化」と、表面水分の「氷結晶化」が原因です。特に太麺であるちゃんぽん麺は、中心まで冷えるのに時間がかかり、品質劣化が顕著に出やすい食材です。
今回は、茹で上げ後に冷水で締め、表面が濡れた状態(10℃)のちゃんぽん麺を使用し、お店で食べるような「モチモチ食感」を維持できるか検証しました。
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テスト条件と結果

今回は、茹でた後に水洗い(水締め)を行い、麺の中心温度を10℃まで下げた状態からのスタートです。
- サンプル名:ちゃんぽん麺(茹で・水締め済み)
- 投入温度:10℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:30分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

10℃から30分で凍結完了。水を含んだ太麺において、このタイムで凍らせることが、解凍後の「ほぐれやすさ」と「食感」を決定づけます。
1. 「デンプンの老化」を阻止し、モチモチの弾力をキープ
麺の美味しさは、茹でることでデンプンが「α化(糊化)」し、柔らかくなることで生まれます。しかし、冷凍でゆっくり温度が下がると、デンプンは元の硬い状態(β化・老化)に戻ってしまいます。これが解凍後の「ボソボソ感」や「コシのなさ」の正体です。 今回のテストでは、老化が最も進む温度帯を一気に通過させています。そのため、解凍後も茹でたてのようなモチモチとした粘りと、歯を押し返す強い弾力がそのまま残ります。
2. 表面水分を瞬時に凍らせ、麺の「くっつき」を軽減
水締めした麺は表面が濡れているため、緩慢凍結では麺同士の水が結合して大きな氷の塊(ブロック)になってしまいます。こうなると、調理時に無理にほぐそうとして麺が切れてしまいます。 30分で急速冷却することで、表面の水分を薄い膜のように素早く凍結させます。麺一本一本が独立した状態に近くなるため、熱いスープに入れた瞬間にサッとほぐれ、短時間で提供が可能になります。
3. スープを吸いすぎない「伸びにくい麺」へ
冷凍でダメージを受けた麺は、スポンジのように組織がスカスカになり、調理時にスープを異常に吸ってしまいます(いわゆる「伸びた」状態)。 細胞破壊を防いで凍結された麺は、組織が緻密なままです。煮込み調理が基本のちゃんぽんでも、最後まで麺がデロデロにならず、小麦の風味とスープの旨味をバランスよく楽しめます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
麺類は、その太さや加水率によって最適な凍結条件が異なります。
- 麺の太さと形状:極太麺か、丸麺か、角麺か。
- かんすいの量:中華麺特有のコシや色味への影響。
- 包装形態:1玉ずつの個包装か、番重に並べたバラ凍結か。
「袋に入れた状態でも、中心まで30分で凍るか?」「自然解凍で冷やしちゃんぽんとして使えるか?」 デモテストでは、貴社の自慢の麺を実際に凍結し、解凍後の「コシの強さ」や「のどごし」を実際に試食して厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回のちゃんぽん麺のテストでは、「10℃から30分」で処理することで、太麺特有のモチモチ感を守り、調理時のほぐれやすさも両立できることが実証されました。
「製麺所の作りたての味を、そのまま全国へ届けたい」「人手不足解消のために、茹で麺の冷凍ストックを活用したい」とお考えの製麺メーカー様、ラーメン店経営者様。 品質差がはっきりと出る「茹で麺」こそ、3Dフリーザーの技術力で差がつきます。ぜひ一度、その食感の違いをお試しください。
