すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉と、高単価なメニューに使われる「牛スライス」。 しかし、精肉店様や飲食店様にとって、スライス肉の冷凍は非常にリスクが高い作業です。 「冷凍すると、鮮やかな赤色がどす黒く変色してしまう(褐変)」「解凍したら大量の赤い汁(ドリップ)が出て、お肉がパサパサになってしまった」。 牛肉、特に薄切り肉は空気に触れる表面積が広いため、酸化スピードが非常に速く、少しの遅れが見た目と味を致命的に損なってしまいます。
今回は、スライス加工後に10℃(冷蔵状態)で管理された牛肉を使用し、切りたての鮮紅色の美しさと、肉本来のジューシーさを維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

今回は、スライサーでカットした後、冷蔵温度(10℃)に落ち着いた状態からのスタートです。
- サンプル名:牛スライス(すき焼き・しゃぶしゃぶ用など)
- 投入温度:10℃(※冷蔵・チルド)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:30分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

10℃から30分で凍結完了。酸化しやすい薄切り肉において、このスピードが「売れる見た目」と「リピートされる味」を守る絶対条件です。
1. 「変色(黒ずみ)」を秒速で阻止!鮮やかな赤色をキープ
牛肉の価値は「見た目」で9割決まると言っても過言ではありません。しかし、ミオグロビン(色素)は酸化しやすく、緩慢凍結では凍るまでの間に茶色や黒に変色してしまいます。 30分という短時間で一気にマイナス温度帯へ封じ込めることで、酸化プロセスを物理的にストップさせます。解凍後も「鮮紅色(きれいな赤色)」と、サシ(脂)の純白のコントラストがそのまま残るため、ショーケースやギフト商品として最高の見栄えを提供できます。
2. ドリップを出さず、高価な「肉の重さ(歩留まり)」を減らさない
解凍時に出る赤いドリップは、ただの水分ではなく「旨味の塊」です。これが流出すると、肉はパサパサになり、重量も減ってしまいます(歩留まりの悪化)。 細胞破壊を起こさない急速凍結なら、肉の細胞内に水分と旨味をガッチリ固定します。100gの肉は100gのまま。焼いたり煮たりしても硬くならず、口の中でとろけるような食感と濃厚な肉の甘みが広がります。
3. 薄い端っこの「冷凍焼け(乾燥)」を防ぐ
スライス肉の端は非常に薄く、強い風を当て続ける一般的な急速冷凍では、すぐに乾燥して白っぽくカピカピになってしまいます(冷凍焼け)。 3Dフリーザーの包み込むような冷気(高湿度冷気)は、肉の水分を奪わずに優しく凍結させます。一番薄い部分まで瑞々しさを保てるため、広げた時の美しさと、食べた時の滑らかな舌触りを損ないません。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
牛スライスは、部位や厚み、並べ方によって最適な凍結条件が変わります。
- 肉質:サシの多い和牛か、赤身主体の輸入牛か(脂の融点による違い)。
- 厚み:1.5mmの極薄か、焼肉用の厚切りか。
- 荷姿:トレーに平並べか、シートを挟んで重ねるか。
「重ねた状態でも、重なり部分が変色しないか?」「解凍時に一枚ずつ綺麗に剥がれるか?」 デモテストでは、貴社が扱う実際の牛肉を使用し、解凍後の「色の再現性」や「ドリップシートの汚れ具合」を厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回の牛スライスのテストでは、「10℃から30分」で処理することで、最も課題となる変色とドリップを防ぎ、切りたてと変わらない高品質を維持できることが実証されました。
「高価な和牛を、色が変わるのを恐れずに在庫ストックしたい」「通販ギフトのクレーム(変色・ドリップ)をゼロにしたい」とお考えの精肉加工業者様、焼肉店経営者様。 品質が価格に直結する「牛肉」こそ、3Dフリーザーの技術力で価値が変わります。ぜひ一度、その“色の違い”をお試しください。
