【実証テスト】焼きたて75℃から直行!厚焼き卵の「す」と「菌」を防ぐ急速冷凍

卵料理、特にだし汁をたっぷり含んだ厚焼き卵(だし巻き卵)は、水分のコントロールが非常に難しい食品です。 通常の冷凍では、水分が分離して繊維質が固まり、ボソボソとした食感になってしまいがちです。また、焼いた後の「放冷(粗熱取り)」は菌が繁殖しやすい時間帯であり、衛生管理上のボトルネックでもありました。

今回は、その「放冷工程」を完全にカットし、焼成直後の高温状態から一気に凍結を行いました。

テスト条件と結果

湯気が立つほどの焼きたて状態からのスタートです。

  • サンプル名:厚焼き卵(だし巻き卵・一本焼き)
  • 投入温度:75℃(※焼成直後)
  • 取出温度:-18℃(中心温度)
  • 凍結時間:90分

この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

75℃という高温から、芯までカチカチになるまで90分。 一見時間がかかっているように見えますが、厚みのある卵焼きの中心部まで熱を奪い切るには必要な時間です。重要なのは、このプロセスで何が得られるかです。

1. 最大の敵「す(空洞)」が入らない、なめらかな食感

厚焼き卵を冷凍した時の失敗例として最も多いのが、氷の結晶が大きくなることでスポンジ状の穴が開く「す」が入る現象です。 これは、凍るスピードが遅いと、卵の中の水分が集まって巨大な氷となり、タンパク質の網目を押し広げてしまうために起こります。

今回のテストでは、高温から一気に温度を下げることで、水分の移動を最小限に抑えています。 解凍後も断面がきめ細かく、食べた瞬間にダシがじゅわっと染み出す、焼きたてのような「ふんわり感」が見事に再現されました。

2. 「75℃投入」で、菌が繁殖する魔の時間をカット

通常、食品衛生の観点から、焼成後の卵焼きは菌が増えやすい「20℃〜50℃」の温度帯をいかに早く通過させるかが課題です。 これまでは、ラックに並べて数時間かけて粗熱を取るなど別の設備を通す必要がありました。

3Dフリーザーなら、75℃のままダイレクトに投入可能です。 菌が繁殖する隙を与えず、衛生的に最も安全な状態で凍結工程に入れるため、消費期限の延長や、HACCP対応の面でも非常に強力な武器になります。

3. 予冷スペース不要で、生産ラインをコンパクトに

「焼いて、冷まして、冷凍する」。この「冷ます」工程には、場所と時間が必要です。特に夏場などは室温が下がらず、冷却に時間がかかって生産計画が狂うこともあります。

焼きたてをそのまま冷凍機へ流せるということは、放冷用の棚やスペースが不要になり、製造リードタイム(トータルの製造時間)を大幅に短縮できます。 90分で凍結完了して包装へ回せるため、1日の製造回転数を上げることが可能になります。

なぜ「デモテスト」が必要なのか?

厚焼き卵は、配合によって冷凍特性が大きく変わります。

  • だし汁の量:水分が多いほど「す」が入りやすく、難易度が上がります。
  • 砂糖の量:糖度が高いと凍結点は下がりますが、保水力は上がります。
  • でんぷんの有無:つなぎを入れているかどうかで食感への影響が変わります。

「うちは京風でダシが多いけど大丈夫か?」「甘めの味付けでも焦げずにきれいに凍るか?」 デモテストでは、貴社独自の配合の卵焼きをお持ち込みいただき、「解凍後の離水(ドリップ)の量」や「食感の戻り具合」をご確認いただけます。

まとめ

今回の厚焼き卵のテストでは、「75℃からのダイレクト凍結」により、衛生リスクを排除しつつ、ふわふわの食感を維持できることが実証されました。

「冷凍おせちの卵焼きをグレードアップしたい」「お弁当工場の衛生管理レベルを上げたい」とお考えの皆様。 卵料理の冷凍における常識を、3Dフリーザーで変えてみませんか?

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