特殊冷凍の簡便商品に着手
斎藤商店(斎藤満社長)は主に塩蔵ワカメや昆布など海藻加工をはじめ、ホタテの生出荷なども手掛ける。同社は新たに「簡便・即食」商品を開発し、販路の拡大を図るため昨年から古賀産業(山口県下関市)の3Dフリーザーをはじめ、蒸し器、焙焼機などを導入。冷凍ワカメを皮切りに,干物や焼き魚などの加工品にチャレンジする。
斎藤社長は加工の他、自らも養殖を行う生産者でもある。震災前は主に塩蔵ワカメで東北地区のスーパーとも取引があったが、原発事故の風評もあり、現在は百貨店や小売店が中心になっている。販路回復にあたり、「ライフスタイルが変わる中、消費者が簡単に食べられるものを考えていかなくては。メーカーが手間暇をかけた商品を提供する必要がある」と斎藤社長。
解凍後も味、食感が損なわれない、3Dフリーザーに着目。冷凍ワカメはボイル塩蔵ワカメを塩抜きしてから真空包装して急速凍結をかける。シャキシャキとした食感と香り、味は生ワカメそのもの。冷凍商品第一弾のワカメを皮切りに、サンマ開きの干物や、前浜産のカレイや鰆をラインアップする予定。生だけでなく、焼き魚などもそろえる。
また、生出荷も行っているホタテはウロを取り除いたハーフシェル形態で生冷凍はもちろん、加熱調理タイプも対応できる。今後は新たな冷凍商品をスーパー、量販店はもちろんのこと、飲食店など業務筋関係にも広く販売していきたい考えだ。
▼斎藤商店=岩手県大船渡市末崎町字大豆沢17の8 TEL0192.29.3181
カレイやサンマ開きなどもある
3Dフリーザー凍結の生ワカメ