ドリップの正体は?解凍時に出る液体の原因と対策

冷凍した肉や魚を解凍すると、赤い水分が出ていたり、調理するとパサついて美味しくないなと感じた経験はないでしょうか?

その水分はドリップと呼ばれるもので、肉や魚を解凍した後に出やすく、調理時に味を落とす原因のひとつです。

今回は「解凍時に食材から出る液体はなに?」「出たらどうするの?」「出さない方法ってあるの?」そういった疑問にお答えします。

ではどのように冷凍、解凍すればいいのか説明します。

ドリップとは

血のようにみえる赤い液体は、「ドリップ」と言います。

もともと食材には水分が含まれており、冷凍すると水分が氷となります。
解凍時に、細胞内にある氷が溶け出したものがドリップです。

ドリップが出ると、栄養素やうまみ成分が食品から流れ出てしまい、食材本来の品質や味を損なうため冷凍すると味が落ちるという印象を与えてしまいます。

またドリップには食中毒の原因となる菌もふくまれているため、ドリップが多く出てしまうと菌が繁殖する原因となります。

ドリップが出た場合、捨てるかまたはキッチンペーパーでよく拭いてから調理しましょう。

ドリップが出る原因

食材を時間をかけて冷凍すると、氷結晶がどんどん大きな氷の結晶へと成長してしまい、氷結晶が大きければ大きいほど食材の細胞膜を破壊していきます。その結果、組織内の水分を保持する能力が低下し、解凍時にドリップが溢れ出てしまいます。

ドリップを抑える方法

ドリップを抑える方法は2つあります。
「急速冷凍」と「低温解凍」をすることです。

急速冷凍でドリップを抑える

冷凍時にできる氷結晶は、大きくなりやすい温度帯があります。
このことを「最大氷結晶生成温度帯」と言います。
最大氷結晶生成温度帯は-1~-5℃で、冷凍する時はできるだけこの温度帯を素早く通過させることによって氷結晶を小さく冷凍する必要があります。

低温解凍でドリップを抑える

もう一つの低温解凍ですが、「冷蔵庫解凍」がおすすめです。
表面と中心部の温度差がうまれてしまうと、表面の細胞が膨張して破裂し、氷結晶が一気に溶け出しドリップが発生しやすくなります。

解凍する時は、表面と内部の温度差がうまれないように、ゆっくりと低温で解凍することによりドリップの量を減らすことができます。

しかし、冷蔵庫解凍の解凍時間は半日から1日ほどかかるため、計画をもって解凍するか他の解凍方法も知っておくことがいいでしょう。

まとめ

食品の保存に便利な冷凍ですが、解凍の際にドリップが出てしまうと食材の品質を落としてしまいます。

本来の美味しさを最大限に維持するため、適切な保存方法や解凍方法を理解し、実践することでドリップを出さず高品質な食材を提供することができます。
ぜひ参考にしてみてください。

株式会社コガサンではお客様の取り扱う食品・生産や加工の工程等を把握して、最適な冷凍方法や解凍方法をご提案いたします。

3Dフリーザー®の冷凍テストも無料で行っております。実際に自社製品を冷凍して品質を確かめてみたい方、お気軽にお問い合わせください。

KOGASUN PRESS

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