居酒屋の定番メニューや、唐揚げ専門店で不動の人気を誇る「手羽先」。 しかし、冷凍商品化しようとすると、骨付き肉特有の大きな壁にぶつかります。 それは「解凍すると、骨の周りがドス黒く変色してしまう」ことです。 「揚げてみたら、骨の周辺が赤黒くなっていて、お客様から『火が通っていないのでは?』とクレームになった」「独特の獣臭さが抜けず、タレで誤魔化すしかない」。 これは、凍結スピードが遅いために、骨の中にある髄液(血液成分)が膨張して染み出し、酸化してしまうことが原因です。一度黒ずんでしまうと、どれだけ加熱しても色は戻りません。
今回は、冷蔵庫でしっかり冷やし込んだ2℃の状態から、わずか20分で急速凍結を行い、美しいピンク色の肉質とジューシーさを維持できるか検証しました。
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テスト条件と結果

今回は、ドリップを拭き取り、芯温2℃まで冷却された新鮮な状態からのスタートです。
- サンプル名:手羽先(生・冷蔵状態)
- 投入温度:2℃(※冷蔵・チルド)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:20分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

2℃から20分で凍結完了。骨ま
1. 「骨周りの黒変」を阻止し、見た目のクレームをゼロへ
冷凍手羽先の最大の欠点である「骨周辺の黒ずみ」。これは、ゆっくり凍る間に骨髄の組織が破壊され、血液成分が肉へ漏れ出すことで起こります。 20分という驚異的なスピードで骨の芯まで一気に温度を下げることで、血液が移動する隙を与えずに凍結させます。解凍後も肉はきれいなピンク色のまま。調理しても骨の周りが変色しないため、お客様に安心して食べていただける高品質な商品になります。
2. 豊富な「コラーゲン」と「肉汁」を逃がさない
手羽先の魅力は、皮と肉の間に詰まったコラーゲンと脂の旨味です。緩慢凍結で細胞が壊れると、解凍時に旨味成分を含んだドリップが大量に流れ出てしまい、パサパサの硬い肉になってしまいます。 細胞破壊を起こさない急速凍結なら、肉汁を細胞内にしっかりロックします。唐揚げやグリルにした際、パリッとした皮の中からジュワッと溢れ出る、生肉と変わらないジューシーさを再現できます。
3. 脂肪の酸化を防ぎ、新鮮な「鶏の香り」を守る
皮下脂肪が多い手羽先は、空気に触れる時間が長いと脂が酸化し、鼻につく「冷凍臭」が発生しやすい食材です。 短時間でパックするように冷気で包み込むことで、酸化の進行を物理的にストップさせます。時間が経っても脂が回らず、鶏肉本来の甘い香りとコクをそのまま楽しんでいただけます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
手羽先は、サイズや加工状態によって最適な凍結条件が変わります。
- サイズ:小ぶりな若鶏か、肉厚な銘柄鶏か。
- 加工形態:生のままか、味付け(タレ漬け)か、粉付きか。
- 包装:バラ凍結(IQF)か、真空パックか、トレー並べか。
「タレに漬け込んだ状態でも、芯まで20分で凍るか?」「揚げた時の皮の縮み具合は?」 デモテストでは、貴社で使用している鶏肉を実際に凍結し、解凍後の「骨周りの色」や「肉質の柔らかさ」を実際に調理して厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回の手羽先のテストでは、「2℃から20分」で処理することで、骨周りの変色(黒ずみ)を完全に防ぎ、ドリップのないジューシーな品質を維持できることが実証されました。
「見た目の悪さで、冷凍手羽先の導入を諦めていた」「ブランド地鶏の品質を落とさずに全国へ届けたい」とお考えの食肉加工メーカー様、飲食店経営者様。 骨付き肉の難題である「変色」と「ドリップ」こそ、3Dフリーザーの技術力で解決できます。ぜひ一度、その“色の違い”をお試しください。
