冷凍食品市場で拡大を続ける「冷凍ピザ」。 しかし、職人が伸ばした本格的なナポリピザや、こだわりの具材を使ったピザほど、冷凍商品化は困難を極めます。 「解凍して焼いたら、生地がベチャッとしてクリスピー感がない」「フレッシュバジルが黒く変色してしまった」「モッツァレラチーズが分離して、ゴムのような食感になる」。 これは、凍結に時間がかかることで生地がソースの水分を吸ってしまったり、野菜やチーズの細胞が壊れてしまうことが原因です。
今回は、トマトソース、モッツァレラチーズ、そして変色しやすいフレッシュバジルをトッピングした「最終焼成前」のピザを使用し、窯焼き直前の鮮度を維持できるか検証しました。
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テスト条件と結果

今回は、トッピングを終え、常温(23℃)にある状態からのスタートです。
- サンプル名:ピザ(最終焼成前・トマトソース&チーズ&バジル)
- 投入温度:23℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:10分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

常温からわずか「10分」で凍結完了。この圧倒的なスピードが、ピザの命である「生地」と「彩り」を守ります。
1. 生地がダレない!ソースの水分移行を「秒」で止める
ピザ作りで一番の敵は、トマトソースの水分が生地に染み込んでしまうことです。時間が経つと生地がダレてしまい、焼いた時に「カリッ」「モチッ」とした食感が生まれません。 10分という超短時間で凍結することで、ソースの水分が生地に移る前に固定します。ご家庭のオーブンで焼いた際も、ピザ職人が重視する「コルニチョーネ(額縁)」が立ち上がり、香ばしい小麦の香りと食感が楽しめます。
2. バジルは鮮やかな緑のまま、チーズはとろ〜り
画像のような「生のバジル」は、冷凍すると低温障害や酸化ですぐに黒く変色してしまいます。また、モッツァレラチーズは繊維が壊れると、加熱しても伸びが悪くなります。 3Dフリーザーは細胞破壊を起こさないため、バジルの葉脈や色素を傷つけません。焼成後もバジルは鮮やかな緑色を保ち、チーズは繊維感を残したまま糸を引く、お店で食べるシズル感を再現できます。
3. 「発酵」をピタリと止め、品質を均一化
生生地(またはハーフベイク)の場合、冷凍庫に入れている間もイースト菌が活動し、過発酵になってしまうリスクがあります。 23℃から一気にマイナス帯へ落とし込むことで、イーストの活動を瞬時に停止させます。製造時のベストな状態で時を止めるため、在庫期間にかかわらず、常に安定した膨らみと食感を提供できます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
ピザは、生地のタイプやトッピングの水分量によって凍結条件が変わります。
- 生地の厚み:薄いクリスピータイプか、厚みのあるパンピザタイプか。
- 水分量:水分の多い野菜(トマトやズッキーニ)を使用しているか。
- サイズ:個食用のSサイズか、パーティー用のLサイズか。
「耳の部分(縁)まで乾燥せずに凍るか?」「具材が凍結の風で飛んでしまわないか?」 デモテストでは、貴社のピザをそのままの形で凍結し、実際に焼成して「生地の立ち上がり」や「具材のジューシーさ」を確認していただけます。
まとめ
今回のピザのテストでは、「23℃から10分」で処理することで、生地への水分移行を防ぎ、デリケートなバジルやチーズの品質を完璧に維持できることが実証されました。
「レストランで出すピザの味を、そのまま通販で届けたい」「スーパーの惣菜売り場で、焼くだけの本格ピザを展開したい」とお考えの食品メーカー様、イタリアンレストラン様。 生地と具材、両方の鮮度が問われる「ピザ」こそ、3Dフリーザーの技術力で差がつきます。ぜひ一度、その焼き上がりをお試しください。
