日本の国民食とも言える「焼鳥」。 テイクアウトや通販需要が高まる中で、焼鳥の冷凍商品は激戦区です。しかし、「冷凍の焼鳥はタレが水っぽくて美味しくない」「お肉がパサパサで硬い」という消費者の声も少なくありません。
今回は、タレを絡めて焼き上げ、常温(21℃)まで冷ました状態から、3Dフリーザーで30分間の急速凍結を行い、お店の味を再現できるか検証しました。
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テスト条件と結果

焼き上げ後、タレを絡めて常温まで冷まし、トレイに並べた状態
- サンプル名:焼鳥
- 投入温度:21℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:30分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

21℃から30分。凍りにくいタレをまとった焼鳥を、この短時間で仕上げることには大きな意味があります。
1. タレの「艶(シズル感)」を失わず、見た目で食欲をそそる
焼鳥の命とも言える「タレ」。糖度が高いため完全には凍りにくく、また乾燥すると表面の艶が失われてしまいます。 見た目がマット(艶消し)になった焼鳥は、美味しそうに見えません。
今回のテストでは、湿度を保った3D冷気で包み込むことで、タレの水分を奪わずに表面をコーティングしています。 解凍後もテラテラとした美しい艶が残っており、レンジで温めるとタレの甘い香りが一気に広がります。
2. 鶏肉の「パサつき」を抑え、炭火焼のような食感に
「冷凍焼鳥は硬い」。これは、凍結中に鶏肉の繊維が壊れ、肉汁が流出してしまうからです。 特にタレ焼きの場合、加熱時間が長くなりがちで、元々水分が少なくなっているため、冷凍のダメージを受けやすくなります。
3Dフリーザーは、鶏肉の細胞を壊さないスピードで凍結させます。 繊維の中に肉汁が留まっているため、食べた瞬間の「プリッ」とした弾力が残ります。 噛み締めた時に、お肉の旨味とタレが口の中で混ざり合う、あの一体感を再現できます。
3. 「21℃投入」で、効率的な製造フローを確立
焼鳥の製造ラインでは、焼いた後にタレを落ち着かせるための放冷時間が必ず発生します。 21℃(常温)まで下がったタイミングは、タレが肉に一番馴染んでいる状態です。
このベストなタイミングで急速冷凍機へ投入し、わずか30分で処理を完了させることで、「焼く→冷ます→凍結→梱包」の流れを滞留させずに回すことができます。 生産効率を上げつつ、品質のバラつき(過度な乾燥など)を防ぐことができます。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
焼鳥は、タレの濃度や部位によって凍結条件が変わります。
- タレの糖度:糖度が高いほど凍結点が低く、カチカチに凍るまで時間がかかります。
- 部位:脂の多い「ぼんじり/皮」か、密度の高い「つくね」か、パサつきやすい「ムネ」か。
- 串の種類:竹串か、鉄砲串か。串が焦げたり折れたりしないかの確認。
「つくねのような厚みのあるものでも30分で凍るか?」「タレが袋にベタつかないか?」 デモテストでは、貴社のタレと串を使った焼鳥を実際に凍結し、「解凍後のタレの粘度」や「肉の柔らかさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回の焼鳥のテストでは、「21℃から30分で急速凍結」することで、タレの艶と鶏肉のジューシーさを維持し、見た目も美しい商品を製造できることが実証されました。
「通販で、お店のカウンターで食べる味を届けたい」「スーパーの冷凍食品コーナーで、一番美味しそうな焼鳥を作りたい」とお考えの食品メーカー様、飲食店様。 タレと肉の両方を守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
