チンゲンサイのおいしさは、肉厚な茎(軸)のシャキッとした歯ごたえと、葉の瑞々しさにあります。 しかし、水分の多い葉物野菜は、緩慢冷凍(通常の冷凍)すると、細胞内の水分が大きな氷となって細胞膜を破壊してしまいます。その結果、解凍時に水分が流れ出し、繊維が潰れてクタッとした食感になってしまいます。
今回は、洗浄・カット・水切り(またはブランチング後の冷却)を行った20℃の状態から、3Dフリーザーで急速凍結を行い、その品質を検証しました。
Contents
テスト条件と結果

カットして洗浄し、しっかりと水気を切った状態
- サンプル名:チンゲンサイ
- 投入温度:20℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:23分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

20℃から23分。 このスピードは、水分の塊であるチンゲンサイの細胞を守るための必須条件です。
1. 茎の「細胞破壊」を防ぎ、シャキシャキ食感を維持
冷凍チンゲンサイの最大の課題は、茎の部分がふにゃふにゃになってしまうことです。 これは、凍結スピードが遅いと、茎の中の水分が膨張して組織を壊してしまうためです。
今回の「23分」という急速凍結なら、水分が氷の結晶として成長する前に、微細な状態で固定してしまいます。 細胞が壊れないため、解凍してもドリップ(水分流出)が最小限に抑えられます。 炒め物にしても水っぽくならず、チンゲンサイ特有の「シャキッ」とした心地よい歯ざわりが楽しめます。
2. 葉の「乾燥」と「変色」を防ぐ
葉の部分は非常に薄く、強い風を当てるとすぐに乾燥して「冷凍焼け(白っぽくなる)」を起こしたり、酸化して茶色く変色したりします。 見た目が悪くなると、料理の彩りとしての価値がなくなってしまいます。
3Dフリーザーの「包み込むような高湿度冷気」は、デリケートな葉の水分を奪わずに優しく凍結させます。 鮮やかな緑色がそのまま残るため、スープの浮き実や、八宝菜の彩りとして、生のチンゲンサイと遜色ない見た目を提供できます。
3. 「バラ凍結(IQF)」で、厨房の使い勝手を向上
カット野菜は、凍結中にくっついて大きな氷の塊(ブロック)になりがちです。これでは使う時に叩いて割らなければならず、手間がかかります。
23分で表面を素早く凍らせることで、カットされた一つ一つがバラバラの状態(IQF)で凍結できます。 「ラーメンのトッピングに少しだけ使いたい」「炒め物にひとつかみ入れたい」という時に、必要な分だけ取り出せるため、飲食店のオペレーション効率が劇的に上がります。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
チンゲンサイなどの葉物野菜は、前処理(ブランチングの有無)によって品質が変わります。
- ブランチング(加熱):酵素を止めて変色を防ぐが、水分管理が難しい。
- 生冷凍:食感は残りやすいが、酵素による変色リスクがある。
- カットサイズ:株ごと(縦割り)か、一口サイズ(ざく切り)か。
「ブランチングなしでも変色しないか?」「株ごと凍らせても中心まで凍るか?」 デモテストでは、貴社の加工プロセスに合わせた状態で凍結し、「加熱調理後の食感」や「色の鮮やかさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のチンゲンサイのテストでは、「20℃から23分で急速凍結」することで、細胞破壊による食感劣化と変色を防ぎ、使い勝手の良いバラ凍結が可能であることが実証されました。
「契約農家の野菜を、ロスなく年間供給したい」「カット野菜の品質を上げて、他社と差別化したい」とお考えの食品工場様、青果加工業者様。 水分の多い野菜を守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
