チーズケーキ(ベイクド、NY、スフレ、バスクなど)のおいしさは、クリームチーズの濃厚なコクと、舌の上でとろける「滑らかさ」にあります。 しかし、ホールケーキのような大きな塊を冷凍すると、外側と中心の温度差で表面が割れてしまったり、油分と水分が分離してザラついた食感になったりしがちです。
今回は、まだ温かさが残る45℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、ホールケーキの美しさと食感を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:チーズケーキホール
- 投入温度:45℃(※焼成後・余熱あり)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:120分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

45℃から120分。 「2時間もかかるの?」と思われるかもしれませんが、密度が高く分厚いホールケーキを、「割らずに、品質を落とさずに」凍らせるには、この丁寧なプロセスが正解なのです。
1. 最大の敵「ひび割れ(クラック)」を防ぐ
ホールケーキを強力な冷凍機(ブラストチラー等)で急激に冷やすと、表面だけが急速に収縮し、内部の膨張に耐えきれずに「バリッ」とひび割れてしまうことがあります。 表面が割れたチーズケーキは、商品価値がゼロになってしまいます。
今回のテストでは、湿度を保った冷気で包み込むように熱を奪っています。 急激な乾燥収縮を抑えながら芯まで冷やすため、表面がひび割れません。 解凍後も、焼き色の美しい滑らかな表面をキープしており、贈答用として自信を持って出荷できます。
2. 油分の分離を防ぎ、「ザラつき」のない口溶けに
チーズケーキは脂肪分と水分が混ざり合ったデリケートな乳化製品です。 緩慢冷凍(通常の冷凍)では、このバランスが崩れて油分が分離し、解凍後にザラザラとした舌触りになってしまいます。
3Dフリーザーは、組織を壊さないスピードで凍結を進めます。 乳化状態をキープしたまま固まるため、解凍後はねっとりと濃厚で、クリーミーな口溶けが復活します。 「冷凍ケーキは味が落ちる」というイメージを覆す、パティシエも納得の仕上がりです。
3. 「45℃投入」で、しっとり感を逃がさない
通常、チーズケーキは常温になるまで数時間かけて冷ましますが、その間に水分が蒸発し、パサつきの原因になります。 また、冷めるのを待つためのラックやスペースも必要です。
45℃という温かい状態から冷凍工程に入れることで、余分な水分の蒸発を防ぎ、しっとり感を生地の中に閉じ込めます。 また、長時間放置による菌の付着や増殖リスクも減らせるため、衛生管理の面でも非常に有効です。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
チーズケーキは、種類によって水分量や焼き加減が全く異なります。
- 種類:ずっしり重いベイクドか、空気をふくんだスフレか、中が半熟のバスクか。
- 土台:クッキー生地(ボトム)がある場合、湿気ないか。
- トッピング:アプリコットジャム(ナパージュ)を塗った状態で凍るか。
「バスクチーズケーキの『中がとろり』とした食感は残るか?」「スフレがしぼまないか?」 デモテストでは、貴社のレシピで作ったホールケーキを実際に凍結・解凍し、「表面の割れがないか」や「食べた時の滑らかさ」を実食してご確認いただけます。
まとめ
今回のチーズケーキ(ホール)のテストでは、「45℃から120分かけて、乾燥とひび割れを防ぎながら芯まで凍結」することで、濃厚な風味とクリーミーな食感を維持できることが実証されました。
「クリスマスや母の日に向けて、高品質なホールケーキを作り置きしたい」「全国へ、割れのない美しいチーズケーキを届けたい」とお考えの洋菓子店様、製菓工場様。 繊細なケーキを守り抜く技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
