かき揚げのおいしさは、玉ねぎや人参などの野菜の甘みと、それをまとめる衣のサクサク感、そしてボリュームです。 しかし、一般的な冷凍を行うと、冷却中に野菜から出た水分が衣に移ってしまい、解凍後に「濡れたような食感」になったり、酸化した油の臭いが気になったりしがちです。
今回は、まだ温かさが残る45℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、その仕上がりを検証しました。
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テスト条件と結果

- サンプル名:かき揚げ
- 投入温度:45℃
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:42分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

45℃から42分。 具材が密集し、厚みのあるかき揚げを凍らせるには時間が必要ですが、この「42分」の質が、解凍後の食感を決定づけます。
1. 野菜の水分を衣に移さず、「ベチャつき」を防止
かき揚げ冷凍の最大の敵は、具材である野菜の水分です。 ゆっくり冷ますと、玉ねぎなどから出た蒸気が内側から衣を攻撃し、サクサク感を奪ってしまいます。
今回のテストでは、野菜と衣が馴染んでしまう前に、全体を一気に凍結固定しています。 水分移動が起こる前に凍るため、衣はドライなまま、野菜はジューシーなまま。 うどんつゆに浸してもすぐに崩れず、最後までサクサクとした心地よい食感が楽しめます。
2. 厚みのある中心部も、「油戻り」させずに凍結
かき揚げはボール状に厚みがあるため、中心部の熱が非常に抜けにくい構造をしています。 中心が冷えるのに時間がかかると、衣が油を再吸収してしまい(油戻り)、食べた時に「胃もたれするような油っぽさ」を感じてしまいます。
3Dフリーザーの立体的な冷気は、複雑な形状のかき揚げの隙間に入り込み、中心までムラなく熱を奪います。 余分な油が回るのを防ぐため、ボリュームがあるのに食後感は軽く、油切れの良い仕上がりになります。
3. 立体的な形状を崩さず、見た目のボリュームを維持
かき揚げは、ふんわりと空気を含んだ立体的な形が命です。 強い風圧で凍らせると、せっかくの高さが潰れてしまったり、具材がバラバラに崩れてしまったりします。
包み込むような冷気で優しく凍結するため、揚げたてのふっくらとした形状をキープできます。 天丼や麺類に乗せた時の「見栄え」が良く、商品としてのボリューム感を損ないません。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
かき揚げは、具材の大きさや衣の粘度によって条件が変わります。
- 具材:水分の多い玉ねぎ主体か、火の通りにくいサツマイモやカボチャ入りか。
- サイズ:ミニかき揚げか、丼からはみ出るジャンボサイズか。
- 衣:厚衣でしっかりまとめるタイプか、薄衣で素材を活かすタイプか。
「特大サイズでも中心が42分で凍るか?」「解凍後に油が酸化していないか?」 デモテストでは、貴社のかき揚げを実際に凍結・解凍し、「温め直した時のサクサク音」や「油の切れ具合」をご自身の舌で厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回のかき揚げのテストでは、「45℃から42分で急速凍結」することで、衣への水分移行と油戻りを防ぎ、サクサクとした軽い食感を維持できることが実証されました。
「駅そばや社員食堂で、揚げたての味を提供したい」「テイクアウトの天丼を、冷めても美味しい品質にしたい」とお考えの食品メーカー様、飲食店様。 厚みのある揚げ物を攻略する技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
