【実証テスト】「す(鬆)」が入らない!板付き「かまぼこ」を52分で急速冷凍して食感を守る

かまぼこのおいしさは、魚のすり身が凝縮された「プリプリ」とした弾力(足)と、ツルッとした喉越しにあります。 しかし、一般的な冷凍を行うと、凍結中に氷の結晶が大きくなり、タンパク質の網目構造を押し広げてしまいます。解凍するとそこから水分が抜け、まるでスポンジのようなボソボソ・スカスカの食感(いわゆる「す」が入った状態)になってしまいます。

今回は、製造・冷却後の9℃の状態から、3Dフリーザーで急速凍結を行い、練り物最大の課題である「す」の発生を防げるか検証しました。

テスト条件と結果

  • サンプル名:かまぼこ
  • 投入温度:9℃
  • 取出温度:-18℃(中心温度)
  • 凍結時間:52分

この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

9℃から52分。 かまぼこは厚みがあり密度も高いため、中心まで凍るのに時間がかかりますが、この時間をどう冷やすかが品質の分かれ目です。

1. 最大の敵「す(鬆)」の発生を阻止し、弾力をキープ

かまぼこ冷凍の成否は、いかに「す」を入れないかに尽きます。 「す」が入ると、かまぼこ特有の歯を押し返すような弾力が消え、高野豆腐のような食感になってしまいます。

今回のテストでは、52分かけてじっくり冷やしつつも、氷の結晶を微細に留めるコントロールを行っています。 すり身の水分とタンパク質が分離する前に凍結されるため、解凍後も断面が滑らかでツヤがあり、「プリッ」とした本来の食感が完全に蘇ります。

2. 表面の「乾燥」を防ぎ、皮のシワをなくす

かまぼこの表面(山)は非常に乾燥しやすく、強い風を当て続けると水分が飛んで硬くなり、シワが寄ってしまいます。 特にお祝い用のかまぼこは、見た目の美しさが商品価値そのものです。

3Dフリーザーの「包み込むような高湿度冷気」は、約1時間冷却しても表面のみずみずしさを奪いません。 解凍後も皮にハリがあり、紅白の色合いも鮮やか。スライスした時の断面も美しく、贈答用としての品格を保ちます。

3. 年末の「おせち需要」に向けた計画生産が可能に

かまぼこ業界は、年末の「おせちシーズン」に一年分の需要が集中すると言っても過言ではありません。 これまでは日持ちしないため、12月末の数日間に不眠不休で製造する必要がありました。

急速冷凍で「す」の入らない高品質な在庫が作れれば、11月頃から計画的に製造・ストックが可能になります。 労働環境を改善しつつ、一番売れる時期に欠品を出さない体制を作れることは、経営的に非常に大きなメリットです。

なぜ「デモテスト」が必要なのか?

かまぼこは、魚種や製法によって凍結の難易度が変わります。

  • 魚種:グチ、スケソウダラ、ハモなど。魚種によってタンパク質の強さが違います。
  • デンプン量:つなぎ(デンプン)の量が多いほど老化しやすく、食感が変わりやすい。
  • サイズ:一般的な紅白かまぼこか、細工かまぼこ(飾り切り用)か。

「飾りかまぼこの細い部分が折れないか?」「解凍後に水が出ないか?」 デモテストでは、貴社の製品をお持ち込みいただき、「解凍後の弾力(足)」や「断面の滑らかさ」を実際にスライスしてご確認いただけます。

まとめ

今回のかまぼこのテストでは、「9℃から52分で急速凍結」することで、スポンジ化(す)と乾燥を防ぎ、プリプリとした弾力と滑らかさを維持できることが実証されました。

「年末の過酷な製造現場を変えたい」「通販で、全国へ名産のかまぼこを届けたい」とお考えの練り製品メーカー様。 練り物の常識を変える冷凍技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。

仕組みやスペックはカタログで確認できますが、
「貴社の食材での再現性」はテストでしか分かりません。
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KOGASUN PRESS

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