鯛の煮付けのおいしさは、箸を入れた瞬間にほぐれる「身の柔らかさ」と、甘辛いタレの「照り」にあります。 しかし、一般的な冷凍を行うと、魚の繊維が収縮して硬くなったり、タレの水分が飛んで見た目が悪くなったりしがちです。
今回は、味が一番染み込む温度帯である28℃の状態から、3Dフリーザーで90分かけて凍結を行い、料亭の味を維持できるか検証しました。
Contents
テスト条件と結果

- サンプル名:鯛の煮付け(調理後、少し冷まして味を含ませた状態)
- 投入温度:28℃(粗熱取り後)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:90分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット

28℃から90分。 煮汁を含んだ厚みのある魚を中心まで凍らせるには時間が必要ですが、この「90分」の間、品質を守り続ける技術が重要です。
1. 身が「ギュッ」と締まらない!箸でほぐれる柔らかさ
煮魚を冷凍して一番ガッカリするのは、解凍後に身が繊維質で硬くなってしまうことです。これは、凍結時の脱水作用で身が収縮してしまうためです。
今回のテストでは、高湿度の冷気で包み込むことで、魚の水分を奪わずに、煮汁の中に旨味を閉じ込めたまま凍結させています。 解凍して温めると、炊きたてのようにふっくらとしており、箸を入れるとホロリと崩れる、理想的な柔らかさが戻ります。
2. 長時間の冷却でも「タレの艶」を失わない
90分間も風を当て続けると、通常ならタレの表面が乾いてカピカピになり、照りがなくなってしまいます。煮魚にとって「照り」はシズル感の命です。
3Dフリーザーは、乾燥させない冷気流で冷やすため、長時間庫内に入れていてもタレの水分蒸発を防ぎます。 解凍後もタレがトロリとしており、美しい艶が残っています。「見た目がおいしそう」な商品は、通販やギフトでの購入率を大きく左右します。
3. 「28℃投入」で、味が染みる時間をコントロール
煮物は「冷める時に味が染みる」と言われますが、28℃付近は菌が繁殖しやすい危険な温度帯でもあります。 ここでゆっくりしすぎると、衛生リスクが高まります。
味がちょうど良く馴染んだ28℃のタイミングで急速凍結機へ入れることで、「一番美味しい味の濃さ」で固定しつつ、菌のリスクを断ち切ることができます。 衛生管理を徹底しながら、プロの味付けを均一に届けることが可能です。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
鯛の煮付けは、提供スタイルによって条件が変わります。
- サイズ:尾頭付き(姿煮)か、切り身か、カマ(アラ炊き)か。骨周りは熱が抜けにくい場所です。
- タレの粘度:サラッとした薄味か、こってりとした濃厚ダレか。
- 包装:深絞りパックか、トレイ盛りか。
「姿煮の厚い部分までしっかり凍るか?」「解凍時にドリップとタレが混ざらないか?」 デモテストでは、貴社の商品を実際に凍結・解凍し、「身のふっくら感」や「皮目の美しさ」をご自身の舌で厳しくチェックしていただけます。
まとめ
今回の鯛の煮付けのテストでは、「28℃から90分かけて、乾燥させずに芯まで凍結」することで、身の硬化とタレの乾燥を防ぎ、料亭のような品質を維持できることが実証されました。
「お祝い用の高級冷凍膳を作りたい」「通販で、レンジで温めるだけの本格煮魚を販売したい」とお考えの食品メーカー様、飲食店様。 煮魚の繊細な食感を守る技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
