レモンの命は、皮に含まれる精油(リモネン)の「爽やかな香り」と、果肉の「ジューシーさ」です。 しかし、一般的な冷凍庫でゆっくり凍らせると、細胞が壊れて果汁が流れ出し、香気成分も一緒に揮発してしまいます。また、皮が酸化してエグ味が出やすいのも課題です。
今回は、カット直後の20℃の状態から、予冷なしで3Dフリーザーへ投入し、その品質を検証しました。
Contents
テスト条件と結果

くし切り(ウェッジ)やスライスにし、トレイに並べた状態
- サンプル名:カットレモン(くし切り/スライス)
- 投入温度:20℃(※常温)
- 取出温度:-18℃(中心温度)
- 凍結時間:20分
この結果から分かる「3Dフリーザー」3つのメリット
20℃から20分。 このスピードは、果実のフレッシュさを閉じ込めるための合格ラインを余裕でクリアしています。
1. 命である「香り」を逃さない!グラスに入れた瞬間のインパクト
レモンサワーや紅茶に入れた時、一番重要なのは「立ち上る香り」です。 緩慢冷凍(通常の冷凍)では、凍るまでの間に香りが飛び、代わりに冷蔵庫特有のニオイが移ってしまうことがあります。
今回の「20分」という急速凍結なら、揮発しやすい香気成分を瞬時に閉じ込めます。 解凍したり、ドリンクに入れたりした瞬間、まるで今カットしたばかりのようなフレッシュな香りが弾けます。「香りの強さ」は、そのまま商品の魅力に直結します。
2. 果肉(さじょう)を潰さず、美しい形をキープ
レモンの果肉は「砂瓤(さじょう)」と呼ばれる小さな袋の集まりです。 冷凍で細胞が壊れると、この袋が破れて果汁が流出し、解凍後にグズグズに崩れて見栄えが悪くなってしまいます。
3Dフリーザーは、細胞を壊さずに微細な氷結晶を作ります。 果肉の粒立ちがしっかり残るため、見た目が美しく、ドリンクに入れた時の存在感が違います。 また、皮の苦味成分(リモニンなど)が果肉に移るのも防ぐため、クリアな酸味を楽しめます。
3. 「バラ凍結(IQF)」で、オペレーションを劇的に改善
カットレモン同士がくっついて大きな氷の塊になってしまうと、使う時に剥がすのが大変で、飲食店でのオペレーションを阻害します。
20分という短時間で表面をサラッと凍らせることで、一つ一つがバラバラの状態(IQF)で凍結できます。 「必要な時に、必要な個数だけ」トングで取り出せるため、ドリンク提供のスピードアップや、ロス削減に大きく貢献します。
なぜ「デモテスト」が必要なのか?
レモンは、産地やカット方法によって条件が変わります。
- 皮の厚さ:輸入レモン(皮が厚い)か、国産レモン(皮が薄い)か。
- カット形状:輪切り(スライス)か、くし切り(ウェッジ)か、乱切りか。
- 糖度と水分:シロップ漬けにしているか、生のままか。
「皮ごと食べられる国産レモンだが、変色しないか?」「ハチミツに漬けた状態でもバラ凍結できるか?」 デモテストでは、貴社の製品スペックに合わせて凍結し、「解凍後の香りの立ち方」や「皮の変色の有無」を実際に確認していただけます。
まとめ
今回のカットレモンのテストでは、「20℃から20分で急速凍結」することで、フレッシュな香りと果肉の形状を維持し、使い勝手の良いバラ凍結が可能であることが実証されました。
「最強のレモンサワーを作りたい」「カフェのドリンクメニューを効率化したい」とお考えの飲食店様、飲料メーカー様。 香りを凍らせる技術を、ぜひ3Dフリーザーで体感してください。
