「高級なマグロを仕入れたが、すぐに色がくすんでしまう」 「冷凍マグロを解凍すると、ドリップで旨味が逃げてしまう」 「遠方の顧客に、最高の状態のマグロを届けたい」
寿司店や高級料亭、鮮魚店にとって、マグロの品質管理は最も重要な課題の一つです。特に、マグロの鮮やかな赤身と繊細な味わいは、時間とともに失われやすく、多くの事業者を悩ませています。
この問題を解決する鍵が、「急速冷凍」です。
この記事では、業務用急速冷凍機の専門メーカーであるKOGASUNが、マグロの価値を最大限に高めるための急速冷凍技術について、以下の点を徹底解説します。
•なぜマグロに急速冷凍が必要なのか?
•マグロの急速冷凍に最適な方法とは?
•鮮度と色を保つための具体的な手順
•旨味を逃さないプロの解凍テクニック
•KOGASUNの3Dフリーザー®がマグロに最適な理由
この記事を読めば、あなたもマグロの品質を自在にコントロールし、ビジネスチャンスを大きく広げることができるようになります。
Contents
なぜマグロに急速冷凍が不可欠なのか?
マグロは、他の魚と比べても特にデリケートで、品質劣化が早い食材です。その理由は、筋肉中に含まれる「ミオグロビン」という色素タンパク質にあります。
1. 色の変化(褐変)
ミオグロビンは、空気に触れると酸化し、鮮やかな赤色から茶褐色へと変化(褐変)してしまいます。通常の冷凍(緩慢冷凍)では、凍結に時間がかかるため、この褐変が進行しやすく、解凍後には見るからに鮮度の落ちた色合いになってしまいます。
急速冷凍は、極めて短時間で凍結させるため、ミオグロビンの酸化を最小限に抑え、マグロ本来の鮮やかな赤身を長期間キープすることができます。


2. ドリップによる旨味の流出
緩慢冷凍では、細胞内の水分が大きな氷の結晶となり、細胞膜を破壊してしまいます。その結果、解凍時に「ドリップ」として、旨味成分や栄養素が大量に流れ出てしまい、味の低下やパサつきの原因となります。
急速冷凍は、最大氷結晶生成温度帯(-1℃〜-5℃)を素早く通過させることで、氷の結晶を微細化します。これにより、細胞膜の破壊を防ぎ、ドリップの流出を劇的に抑制。解凍後も、獲れたてのようなジューシーさと濃厚な旨味を保つことができます。
3. 長期保存による販路拡大
生のマグロの賞味期限は、わずか数日です。しかし、適切に急速冷凍されたマグロは、数ヶ月から1年以上の長期保存が可能になります。
これにより、以下のようなビジネスチャンスが生まれます。
•豊漁時に安く大量に仕入れ、需要期に販売
•希少部位や高級マグロを安定的に供給
•ECサイトでの全国販売や海外輸出
•計画的な生産と在庫管理によるフードロス削減
| 項目 | 緩慢冷凍 | 急速冷凍 |
|---|---|---|
| 色 | 褐変しやすい | 鮮やかな赤身を維持 |
| ドリップ | 多い(旨味流出) | 少ない(旨味を保持) |
| 食感 | パサつきやすい | もっちり、ジューシー |
| 保存期間 | 短い | 長い(数ヶ月〜1年) |
| ビジネス | 販路が限定的 | 全国・海外へ拡大可能 |
マグロに最適な急速冷凍の方法
マグロの急速冷凍には、いくつかの方法がありますが、特に品質を重視する場合、以下の2つの方法が推奨されます。
1. 液体急速冷凍(ブライン凍結)
-35℃程度に冷却したアルコール液(ブライン液)に、真空パックしたマグロを浸して凍結させる方法です。熱伝導率が非常に高いため、極めてスピーディーに凍結できます。
•メリット: 凍結速度が最速クラス
•デメリット: 液体に浸すため、包装が必要、アイテムが限定される。ランニングコストが高い
2. 3Dフリーザー®(特許技術 ACVCS®方式)
KOGASUNの**3Dフリーザー®**は、高湿度な3D冷気を多方向から食品を包み込むように均一に当てることで、乾燥を防ぎながら氷結晶を均一に生成して高品質冷凍を可能にします。これを3D凍結®といいます。マグロの表面が乾燥(冷凍焼け)するのを防ぎ、みずみずしさを保ったまま凍結できます。

•メリット: 乾燥を防ぎ、品質劣化が極めて少ない、包材なしでも高品質に凍結可能
•デメリット: 液体凍結よりは凍結速度がやや緩やか
マグロ本来の繊細な食感と、解凍後の瑞々しさを最大限に保つためには、乾燥を防ぐ**3Dフリーザー®**が最も適していると考えています。実際に多くの寿司店や水産加工会社様で、その品質の高さを評価いただいています。
プロが教える!マグロ急速冷凍の具体的な手順
最高の品質を実現するための、具体的な手順を解説します。
ステップ1:下処理
1.柵取り: マグロを適切な大きさの柵(サク)に切り分けます。
2.ドリップの拭き取り: キッチンペーパーなどで、表面の水分(ドリップ)を優しく拭き取ります。これが臭みや変色の原因になります。
ステップ2:急速冷凍
予冷した急速冷凍機に、マグロを入れます。トレイに並べる際は、マグロ同士が重ならないように注意してください。
•目標温度: 中心温度が-18℃以下になるまで。
•所要時間: 急速冷凍機の種類やマグロの大きさによりますが、30分〜1時間程度が目安です。
ステップ3:包装(真空パック)
品質を長期間維持するため、真空パックが推奨されます。
1.真空パック袋に入れる: 冷凍したマグロを真空パック用の袋に入れます。
2.脱気・シール: 真空パック機で空気を抜き、完全に密封します。これにより、酸化と冷凍焼けを効果的に防ぎます。
ステップ4:保管
急速冷凍が完了したら、-35℃以下の超低温冷凍庫で保管するのが理想です。家庭用冷凍庫(-18℃)でも保管可能ですが、品質維持の観点からは、早めに消費することをお勧めします。
旨味を逃さない!最高の解凍テクニック
解凍は、冷凍と同じくらい重要です。間違った方法では、せっかくの品質が台無しになってしまいます。
おすすめの解凍方法:氷水解凍
最も品質を保てる、プロ推奨の方法です。
1.準備: ボウルに氷と水を入れ、氷水を作ります。
2.浸す: 真空パックのままの冷凍マグロを氷水に完全に浸します。
3.解凍: 40分〜1時間程度で、中心部が少し凍っている「半解凍」の状態になります。
4.取り出す: 半解凍になったら氷水から取り出し、表面の水分を拭き取ってから切り分けます。
ポイント: 完全に解凍するのではなく、半解凍の状態で切り分けるのが、ドリップを出さず、綺麗な切り口にするコツです。
やってはいけないNGな解凍方法
•常温解凍: 温度変化が激しく、ドリップが大量に出るだけでなく、菌が繁殖しやすく危険です。
•電子レンジ解凍: 加熱ムラが起こり、一部だけ火が通ってしまい、マグロの繊細な風味が完全に失われます。
•流水解凍: 水道水で直接解凍すると、温度が高すぎてドリップが出やすくなります。行う場合は、必ず氷水に近い低水温で行ってください。
まとめ:急速冷凍でマグロの価値を最大化する
マグロの品質管理における急速冷凍の重要性について解説しました。
•品質維持: 急速冷凍は、マグロの色、味、食感を獲れたての状態に保ちます。
•最適な方法: 品質の高さで選ぶなら、乾燥を防ぎながら均一凍結する「3Dフリーザー®」が最適です。
•重要な手順: 「下処理」「急速冷凍」「包装」「保管」の各ステップを丁寧に行うことが重要です。
•解凍が鍵: 最高の解凍方法は「氷水解凍」。常温や電子レンジでの解凍は絶対に避けるべきです。
急速冷凍技術を正しく理解し、活用することで、フードロスの削減、新たな商品開発、そして全国・世界への販路拡大が可能になります。
「自社のマグロで、急速冷凍の効果を試してみたい」 「どの急速冷凍機が最適か、専門家のアドバイスが欲しい」
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