「冷凍すると栄養が失われる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は急速冷凍は、栄養素を非常によく保つ保存方法であることが、科学的に証明されています。
本記事では、急速冷凍による栄養素の変化を、科学的データをもとに詳しく解説します。
Contents
結論|急速冷凍は栄養をよく保つ
先に結論を述べると、
•急速冷凍は、生鮮品と比べても栄養素の損失が非常に少ない
•むしろ、収穫・水揚げ後に時間が経った生鮮品よりも、栄養価が高い場合もある
•通常冷凍(緩慢冷凍)よりも、栄養素の保持率が高い
ということが、複数の研究で明らかになっています。
栄養素別|急速冷凍による保持率
1. ビタミンC
ビタミンCは、水溶性で熱に弱く、酸化しやすいため、最も失われやすい栄養素の一つです。
研究データ(ほうれん草の場合):
| 保存方法 | ビタミンC保持率 |
|---|---|
| 収穫直後(基準) | 100% |
| 冷蔵保存(3日後) | 50〜70% |
| 急速冷凍(1ヶ月後) | 80〜90% |
| 通常冷凍(1ヶ月後) | 60〜70% |
結果: 急速冷凍は、冷蔵保存よりもビタミンCをよく保ちます。これは、急速冷凍により、酵素の働きが瞬時に停止するためです。
2. ビタミンB群(B1、B2、B6など)
ビタミンB群も水溶性ですが、ビタミンCほど不安定ではありません。
研究データ(肉類の場合):
| 保存方法 | ビタミンB1保持率 |
|---|---|
| 調理直後(基準) | 100% |
| 冷蔵保存(3日後) | 85〜90% |
| 急速冷凍(1ヶ月後) | 90〜95% |
| 通常冷凍(1ヶ月後) | 75〜85% |
結果: 急速冷凍は、ビタミンB群もよく保ちます。
3. ビタミンA、E(脂溶性ビタミン)
脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンよりも安定しており、冷凍による損失はほとんどありません。
研究データ(にんじんの場合):
| 保存方法 | ビタミンA保持率 |
|---|---|
| 収穫直後(基準) | 100% |
| 急速冷凍(1ヶ月後) | 95〜100% |
| 通常冷凍(1ヶ月後) | 90〜95% |
結果: 急速冷凍は、脂溶性ビタミンをほぼ完全に保ちます。
4. ミネラル(鉄、カルシウム、カリウムなど)
ミネラルは、冷凍による損失はほとんどありません。
結果: 急速冷凍でも、ミネラルはほぼ100%保持されます。
なぜ急速冷凍は栄養を保つのか?
急速冷凍が栄養を保つ理由は、以下の2つです。
1. 酵素の働きを瞬時に停止
食材は、収穫・水揚げ後も、内部の酵素が働き続け、栄養素を分解します。急速冷凍は、この酵素の働きを瞬時に停止させるため、栄養素の損失を最小限に抑えます。
2. 細胞破壊を最小限に抑える
通常冷凍では、大きな氷結晶が細胞を破壊し、細胞内の栄養素が流出します。急速冷凍は、小さな氷結晶により細胞破壊を最小限に抑えるため、栄養素の流出も少なくなります。
詳しくは**急速冷凍と緩慢冷凍の違いとは?**をご覧ください。
「旬の時期に急速冷凍」が最も栄養価が高い
興味深いことに、旬の時期に収穫した野菜を急速冷凍したものは、旬以外の時期に流通している生鮮品よりも栄養価が高いという研究結果もあります。
これは、
•旬の野菜は、栄養価が最も高い
•急速冷凍により、その栄養価を長期間保てる
•旬以外の時期の生鮮品は、栄養価が低く、流通過程でさらに損失する
ためです。
解凍方法も重要
急速冷凍で栄養を保っても、解凍方法を誤ると、栄養素が流出してしまいます。
•NG: 常温解凍、流水解凍(ドリップとともに栄養素が流出)
•OK: 冷蔵庫でゆっくり解凍、凍ったまま調理
詳しくは**【永久保存版】冷凍食品の解凍方法10選**をご覧ください。
まとめ|急速冷凍は「栄養を守る」保存方法
本記事で紹介した科学的データから、急速冷凍は、
•栄養素を非常によく保つ保存方法
•生鮮品と比べても遜色ない、むしろ優れている場合もある
•通常冷凍よりも栄養素の保持率が高い
ことが明らかになりました。
「冷凍すると栄養が失われる」というのは、通常冷凍(緩慢冷凍)の話であり、急速冷凍には当てはまりません。
KOGASUNの3Dフリーザー®は、高品質な急速冷凍により、食材の美味しさだけでなく、栄養価もしっかり守ります。
