ショックフリーザーと急速冷凍機の違いは?実は同じ!正しい選び方を解説

「急速冷凍機を探しているけど、『ショックフリーザー』という言葉も出てきて混乱している」 「ショックフリーザーと急速冷凍機って、何が違うの?」 「結局、どちらを選べばいいんだろう?」

業務用冷凍機の導入を検討していると、様々な専門用語が出てきて戸惑うことがありますよね。特に、「急速冷凍機」と「ショックフリーザー」は、非常によく似た文脈で使われるため、その違いが分からず悩んでしまう方が少なくありません。

しかし、ご安心ください。先に結論からお伝えします。

「急速冷凍機」と「ショックフリーザー」は、基本的に同じものを指す言葉です。

「え、そうなの?」と驚かれたかもしれません。そうなのです。明確な定義の違いはなく、メーカーや業界の慣習によって呼び方が異なっている、というのが実情です。

この記事では、なぜこのような分かりにくい状況が生まれているのかという背景と、言葉の違いに惑わされずに本当に重要な比較ポイント、すなわち「冷却方式」による違いに焦点を当て、あなたのビジネスに最適な一台を選ぶための正しい知識を解説します。

言葉の定義:なぜ呼び方が違うのか?

•急速冷凍機(Quick Freezer): 文字通り、「食品を急速に冷凍する機械」全般を指す、最も一般的で広い意味を持つ言葉です。英語の”Quick Freezer”を直訳したもので、日本の多くのメーカーがこの名称を使用しています。

•ショックフリーザー(Shock Freezer): 主にヨーロッパのメーカー(特にイタリアなど)で使われることが多い呼称です。食品に冷気の「衝撃(ショック)」を与えるようにして急速に凍結させる、というイメージから来ています。英語の”Shock Freezer”をカタカナにしたもので、日本でも海外製品を扱う代理店や、一部の国内メーカーがこの名称を使っています。

つまり、両者に機能的な違いや性能の優劣を示す定義はありません。 日本語の「急速冷凍機」と、英語由来の「ショックフリーザー」が、市場に混在している状態なのです。

同様に、「ブラストフリーザー」や「ラピッドフリーザー」といった言葉も、基本的には急速冷凍機と同義で使われることがあります。

重要なのは、名称に惑わされるのではなく、その製品が「どの冷却方式を採用しているか」を見極めることです。

本当に重要なのは「冷却方式」の違い

「急速冷凍機」や「ショックフリーザー」という名前の製品は、その冷却方式によって、大きく3つのタイプに分類できます。性能や得意な食材、価格が大きく異なるため、比較検討すべきなのは、まさにこの「冷却方式」です。

1. エアブラスト式

•仕組み: 冷たい風をファンで強く吹き付けて凍らせる、最も一般的な方式。

•メリット: 汎用性が高く、比較的安価。

•デメリット: 食品が乾燥しやすい(冷凍焼け)。

•別名: 「冷風式急速冷凍機」「ブラストチラーフリーザー」などと呼ばれることもあります。

2. リキッド式(液体凍結)

•仕組み: 冷却したアルコールなどの液体に、真空包装した食品を漬けて凍らせる方式。

•メリット: 凍結スピードが非常に速く、品質が高い。

•デメリット: 真空包装が必須。柔らかいものは凍結できない。

•別名: 「液体凍結機」「ブライン凍結機」など。

3. 3Dフリーザー®(ACVCS式)

•仕組み: 湿度を含んだ冷気で食品を包み込むように、優しく均一に凍らせるKOGASUNの特許方式。

•メリット: 包装なしでも乾燥せず、高品質な凍結が可能。

•デメリット: リキッド式よりは凍結速度が緩やか。

これらの冷却方式ごとの詳しいメリット・デメリットについては、以下の記事で徹底的に比較しています。ぜひ合わせてご覧ください。

▶ 関連記事:急速冷凍機の方式別メリット・デメリット|エアブラスト、リキッド、3Dの違い

「ブラストチラー」との違いには注意!

一方で、「ショックフリーザー」とよく似た言葉で、明確に役割が異なるのが「ブラストチラー」です。

•ショックフリーザー(急速冷凍機): 食品を**-18℃以下まで「冷凍」**するための機械。

•ブラストチラー(急速冷却機): 加熱した食品を**3℃付近まで「冷却」**するための機械。

目的が「冷凍」か「冷却」かで、全く役割が異なります。ショックフリーザーの中には、ブラストチラーの機能(急速冷却)を兼ね備えた「ブラストチラー/ショックフリーザー」と呼ばれる複合機も存在します。この違いは非常に重要なので、以下の記事で詳しく確認してください。

▶ 関連記事:ブラストチラーと急速冷凍機の違いとは?役割・温度・目的を徹底比較

まとめ:言葉に惑わされず、本質を見極めよう

「ショックフリーザー」と「急速冷凍機」の違いについての長年の疑問は、解消されたでしょうか。

•結論: ショックフリーザーと急速冷凍機は、呼び方が違うだけで、基本的には同じもの。

•本当に重要な比較ポイント: その製品がどの「冷却方式(エアブラスト式、リキッド式など)」を採用しているか。

•注意すべき言葉: 「冷凍」が目的のショックフリーザーに対し、「冷却」が目的の「ブラストチラー」とは明確に区別する。

高価な設備投資で失敗しないためには、言葉の表面的な違いに惑わされることなく、それぞれの製品の性能や特性といった「本質」を見極めることが何よりも重要です。

「うちの製品には、どの方式のショックフリーザーが最適なんだろう?」

そんな疑問をお持ちでしたら、ぜひお気軽に、私たち冷凍のプロにご相談ください。言葉の混乱を整理し、あなたのビジネスに本当に必要な一台を見つけ出すお手伝いをさせていただきます。

▶ おすすめ記事「急速冷凍とは?」で全体像を理解する

▶ 関連記事「急速冷凍機の種類と選び方」を読む

▶ 導入に関するご相談・お問い合わせはこちら

KOGASUN PRESS

3D凍結®で「食」の未来を変える。 技術と品質に絶対の自信をもつKOGASUNが、豊富な経験と専門知識に基づいた有益な情報をお届けします。

関連記事

お問い合わせ