スパイラルフリーザーのメンテナンス・洗浄ガイド|寿命を延ばし衛生を保つ秘訣

スパイラルフリーザーは、食品工場の生産性を飛躍的に向上させる強力な設備ですが、その性能を長期にわたって維持し、安全な製品を製造し続けるためには、適切なメンテナンスと洗浄が不可欠です。

メンテナンスを怠ると、予期せぬ故障による生産停止、製品への異物混入、食中毒リスクの増大など、経営に深刻なダメージを与えかねません。

本記事では、スパイラルフリーザーの寿命を最大限に延ばし、常に最高の衛生状態を保つためのメンテナンスと洗浄の具体的な方法を、専門メーカーの視点から徹底的に解説します。

そもそもスパイラルフリーザーとは?という方は、まずはこちらの完全ガイドをご覧ください。 → スパイラルフリーザー完全ガイド|仕組み・選び方・価格まで徹底解説

1. なぜ洗浄とメンテナンスが重要なのか?

1-1. 食の安全を守る(HACCP対応)

食品工場において、衛生管理は最優先事項です。特に、スパイラルフリーザーの内部は低温多湿で、製品カスや油分が残りやすく、微生物が繁殖しやすい環境です。不十分な洗浄は、サルモネラ菌やリステリア菌などの食中毒菌の温床となり、重大な製品事故につながるリスクがあります。

1-2. 装置の寿命を延ばす

定期的なメンテナンスは、装置の寿命に直結します。コンベアベルトの摩耗、モーターの不具合、冷却フィンへの霜付きなどを早期に発見し対処することで、大規模な故障や部品交換を防ぎ、結果的に修繕コストを抑制できます。

1-3. 性能を維持し、省エネを実現する

冷却フィンに霜が過剰に付着すると、熱交換率が低下し、製品を冷却するためにより多くのエネルギーが必要になります。定期的なデフロスト(霜取り)や清掃を行うことで、冷却効率を最適な状態に保ち、無駄な電気代を削減できます。

2. 洗浄の決定版「CIP (Cleaning In Place)」とは?

スパイラルフリーザーの複雑な内部構造を、人の手だけで隅々まで洗浄するのは非常に困難です。そこで現在の主流となっているのがCIP(定置洗浄)システムです。

CIPとは、装置を分解することなく、あらかじめ設置された洗浄ノズルから洗剤や温水を噴射し、内部を自動で洗浄・殺菌するシステムです。

CIPシステムのメリット

•洗浄品質の安定: 人のスキルに依存せず、常に高いレベルの洗浄が可能です。

•時間短縮と省力化: 洗浄作業にかかる時間を大幅に短縮し、従業員の負担を軽減します。

•安全性向上: 作業員が危険な薬剤に触れたり、庫内に入るリスクを低減します。

KOGASUNのこだわり:ダクトレス構造とCIP

従来のスパイラルフリーザーは、庫内に冷気を送るための「ダクト」があり、その内部が洗浄の死角となっていました。KOGASUNの「3Dスパイラルフリーザー®」は、このダクトを完全になくしたことで、CIPの効果を最大限に高め、圧倒的な洗浄性を実現しています。

KOGASUNの技術について詳しく知りたい方はこちら → 3Dスパイラルフリーザー®|高湿度冷気で品質・歩留まりを最大化

3. 日常・定期メンテナンスのチェックリスト

CIPだけに頼らず、日常的な点検と定期的な専門メンテナンスを組み合わせることが重要です。

3-1. 始業前・終業後の日常点検

点検項目 確認内容
異音・異臭 モーターやコンベアから普段と違う音や臭いがしないか
コンベアベルト 蛇行、摩耗、損傷がないか
庫内 製品カスや氷の塊が残っていないか
計器類 温度表示などに異常がないか

3-2. メーカーによる定期メンテナンス(推奨:年1~2回)

専門技術者による詳細な点検・整備です。人の健康診断と同様に、プロの目でなければ発見できない初期の不具合を見つけ出し、大きなトラブルを未然に防ぎます。

点検項目 確認内容
駆動部 モーター、ギア、ベアリングの摩耗・劣化状態
冷却ユニット 冷媒ガスの漏れ、コンプレッサーの動作確認
電気系統 配線の劣化、制御盤の動作確認
安全装置 非常停止ボタンなどが正常に作動するか

4. よくあるトラブルとその対策

トラブル例 主な原因 対策
製品が凍結不良 冷却フィンへの過剰な霜付き、冷媒ガス不足 定期的なデフロスト、メーカーによるガス圧チェック
コンベアが停止する ベルトの蛇行、モーターの不具合、異物の噛み込み 日常点検でのベルト状態確認、定期メンテナンス
庫内から水が漏れる ドレン配管の詰まり 定期的なドレン配管の清掃

まとめ:計画的な保全が未来の利益を守る

スパイラルフリーザーのメンテナンスは、単なるコストではなく、将来の安定生産と食の安全を守るための重要な「投資」です。

•日常: 始業・終業時の簡単な点検を習慣化する。

•洗浄: CIPシステムを積極的に活用し、洗浄の質と効率を高める。

•定期: 年に1~2回は必ず専門家によるメンテナンスを実施する。

この3つのサイクルを確実に回すことが、装置の価値を最大限に引き出し、長期的な利益につながります。KOGASUNでは、お客様の状況に合わせた最適なメンテナンスプランもご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。

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