ショックフリーザーは、食品を短時間で-18℃以下まで均一に凍結するための“急速冷凍機。一方、ブラストチラーは加熱後の食品を+3℃程度まで急速に冷却する機器です。まずは「目的」と「到達温度」が違います。
Contents
この記事の要点
- ショックフリーザー=急速冷凍用/ブラストチラー=急速冷却用。
- 品質差の鍵は「最大氷結晶生成帯」をいかに短時間で通過させるか。
- 導入の判断基準は「一日処理量・時間・設置条件・湿度制御・温度ログ(HACCP)」。
- 迷ったらまず実サンプルでデモテスト→製品ラインアップ比較→補助金も確認。
ショックフリーザーとは?(定義)
ショックフリーザーは、強力な送風と低温制御で食品の中心温度を短時間で-18℃以下に到達させ、氷結晶を微細化してドリップや食感劣化を抑えるための業務用設備です。ロス削減・計画生産・EC/冷凍販売など、収益化に直結する用途で広く使われます。関連する基礎知識は「通常冷凍と急速冷凍の違い」も参照してください。
ブラストチラーとの違い(冷凍と冷却の線引き)
| 項目 | ショックフリーザー(急速冷凍) | ブラストチラー(急速冷却) |
|---|---|---|
| 主目的 | 短時間で -18℃以下へ到達し、長期保存・流通に対応。 | +3℃付近まで短時間に冷却し、衛生・歩留まりを確保。 |
| 対象工程 | 凍結(保存・在庫化・出荷) | 加熱後や室温からの急冷(クックチル・仕込み) |
| 品質の鍵 | 氷結晶を微細化(食感・ドリップ抑制) | 危険温度帯の通過短縮(衛生・酸化・乾燥抑制) |
| 代表用途 | 惣菜・パン・スイーツ・精肉・魚介・ソースの冷凍 | 炊飯・煮物・揚げ物・ソース・デザートの急冷(HACCP対応) |

仕組み:最大氷結晶生成帯を短時間で通過
食品の細胞に大きな氷結晶ができると、解凍時にドリップや食感劣化が起きます。ショックフリーザーは高風量・低温・均一循環で熱を効率的に奪い、最大氷結晶生成帯(一般に0〜-5℃周辺)を短時間で通過させることで、氷結晶を小さく均一にします。方式別の特徴は「急速冷凍の5方式比較」が分かりやすいです。
導入メリット(現場が変わる5つの効果)
- 品質・再現性向上:解凍後も食感や色が安定。
- 歩留まり改善・原価最適化:ドリップや乾燥ロスを抑制。
- 計画生産・省人化:仕込みの平準化で人件費/残業を削減。
- 衛生・HACCP対応:危険温度帯の滞在短縮&温度ログ運用。
- 販路拡大:EC/テイクアウト/ギフトなど冷凍商材化が容易。
現場具体例は「冷凍デモテスト事例」をご覧ください。
失敗しない選び方(チェックリスト)
- 1) 1日処理量とピーク時間(必要能力・トレー段数・サイクル時間)
- 2) 食材と形状(パン・揚げ物・ソース・刺身・ケーキ等)
- 3) 設置・電源・搬入経路(200V/三相・カート/ラックイン・排熱)
- 4) 湿度制御と均一性(乾燥/霜だまり/冷凍ムラ対策)
- 5) 温度ロガーとHACCP書類(時間温度管理・記録運用)
- 6) 保守サポート(メンテ・部品供給・教育体制)
網羅解説は「業務用急速冷凍機の選び方と活用法」を参照。機種の比較検討は「製品ラインアップ」が便利です。
ブラストチラー(急速冷却)を併用するケース
加熱後はまず急速冷却で+3℃付近まで落とし、必要に応じて急速冷凍で-18℃以下へ。衛生・歩留まり・食感の総合バランスが良く、クックチル運用にも適します。「急速冷却ガイド」「クックチル方式」もチェックください。
導入前の無料デモ&補助金
FAQ(よくある質問)
A. 冷凍販売や在庫化が主目的ならショックフリーザー。加熱後の迅速な冷却や仕込み効率化が主目的ならブラストチラー。両工程がある現場は併用が最適です。
A. 食材・厚み・装置能力で変動しますが、目安は約10〜60分。事前のデモで実測しておくと安全です。
A. 惣菜・米飯・パン・スイーツ・精肉・魚介・ソースなど幅広く対応。乾燥しやすい食材には高湿度循環と短時間処理が有効です。
A. 時間・温度の記録(ロガー)と手順書整備で対応可能。急速冷却パートの基準も合わせて運用します。
A. こちらから無料相談。食材・1日の処理量・設置条件が分かると初期診断がスムーズです。
