重原商店、小売事業を強化

引用元:みなと新聞 2023年3月14日 掲載

直売所改装、温泉に自販機

【北海道】生鮮魚介卸・加工の重原商店(北海道羽幌町、重原伸昭社長)が小売事業に力を入れている。昨年秋に本社事務所兼直売所をリニューアル。また近隣の道の駅を兼ねた温泉施設3カ所に自動販売機を設置し、自社加工品や地元の菓子店や農家とコラボしたオリジナル商品を販売している。

日本海産ナンバンエビ(アマエビ)、タコをはじめ、前浜産魚介類の生鮮出荷・冷凍加工、ニシン・カズノコ製品などを主力とする同社。新型コロナウイルス禍の中小企業を支援する事業再構築補助金を活用し、昨年から新規事業に取り組む。11月に事務所兼直売所をリニューアル。従来、小売対応は客が工場敷地内を通って事務所を訪問する必要があったが、改装後は町道に面して直売所専用の入り口を設け、気軽に来店できるようにした。店舗スペースは約30平方㍍で、冷凍ケースを3基設置した。

3D凍結のアマエビや「甘えびの塩辛」、タコザンギ(唐揚げ)、味付けカズノコ、ニシン切り込み、糠(ぬか)ニシンなどを販売。「近年、商品開発に力を入れてきた加工品を取りそろえている」と重原社長。

キャンプめし重点コラボデザートも

同時期に冷凍自動販売機を3台導入し、「はぼろ温泉サンセットプラザ」(羽幌町)、「しょさんべつ温泉ホテル岬の湯」(初山別村)、「とままえ温泉ふわっと」(苫前町)に設置した。自販機オリジナルの加工品、地元菓子店や農家とのコラボ商品を販売。商品コンセプトは“キャンプめし”」重原啓汰常務。温泉施設はいずれも日本海に面し、近くの海辺にはキャンプ場もあり、夏はキャンパーや海水浴客が多く訪れる。「バーベキューをしていて『地元の物が食べたい、肉に飽きたから魚が食べたい、デザートが食べたい』というニーズに応える商品を製品化した。施設で電子レンジも使えるので手間をかけずに食べられる商品にしている」(同)

自社加工品は3D凍結を使った「浜茹で瞬冷シマエビ」や「獲れたて瞬冷甘えび」、スチームコンベクションを活用した「たこめし」や「焼き糠にしん」、「数の子松前」や「韓国風鰊きりこみ」の生珍味などを販売。また老舗菓子の梅月(羽幌町)の「チーズあんケーキ」、農産物生産・加工販売の上田ファーム(苫前町)の「かぼちゃ団子」など自販機専用商品として企画したコラボ商品も販売する。価格帯は1品500~1000円に設定する。「温泉を利用する地元客のリピート需要がある」(重原社長)

観光客などが少ない冬場は閑散期ではあるが、これまで月の売り上げは1台当たり10万~20万円で推移。「地元の旬の産品も扱ったり、もっと工夫して観光シーズンには3台で月商100万円以上を目指したい」(同)と話している。

▼㈱重原商店=北海道苫前郡羽幌町南1条3の3の4、℡0164・62・2138

 

北海道・羽幌
改装した直売所内部と重原社長
直売所入り口
近隣の温泉施設に設置した冷凍自販機

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