引用元:みなと新聞 2018年5月18日 掲載
鹿児島チリメンを「生・釜揚げ」で届ける挑戦
鹿児島県東串良町の東串良漁業協同組合は、これまで乾燥品が中心だった地場産チリメンを、生や釜揚げで出荷できる体制づくりに取り組んでいます。まず、2018年4月には古賀産業(山口県下関市)の3Dフリーザー®を導入。さらに、鹿児島大学水産学部と連携し、衛生管理と鮮度保持技術の検証を進めています。
背景と狙い
同漁協の主力は志布志湾のチリメンで、ばっち網(機船船引網漁業)船団8カ統を擁します。年間水揚量は約1,000トン、金額で約1億5,000万円。一方で、これまでは多くを乾燥品として共販に回してきました。そこで、地元の食卓へも新鮮なチリメンをそのまま楽しんでもらうため、まずは食べ方の提案と情報発信を強化します。
3Dフリーザー®導入のポイント
- 急速凍結で鮮度をキープ:水揚げ直後に3Dフリーザー®で凍結し、品質劣化を抑制。
- 湯煎で再現:解凍は湯煎を基本に想定。再現性の高い「生の食感」を目指します。
- 衛生面の共同研究:鹿児島大学と、衛生管理や雑菌低減の手法を検証。
地元への浸透と情報発信
志布志のチリメンは全国上位の生産量を誇ります。しかし一方で、生や釜揚げで食べる習慣はまだ十分に根付いていません。そこで、レシピの開発や試食提案などを通じて、「まず一度、生で味わってもらう」機会を増やしていきます。さらに、店頭やウェブでの訴求も強化し、認知拡大を図ります。
今後の予定
- パッケージ開発:家庭で扱いやすい容量・表示・保存方法を設計。
- レシピ整備:釜揚げ丼、サラダ、パスタなど手軽なメニューを提案。
- 製品化スケジュール:年内の製品完成を目標に、官能評価とライン試験を進行。
楠田勇二 組合長「他産地に負けない高品質な商品を作り、志布志のチリメンを県内外へ広めたい」
本記事は、みなと新聞(2018年5月18日)掲載情報をもとに編集・要約しています。



