3Dフリーザーで冷凍フグ革命|福岡のふくます水産が挑む高品質冷凍加工

3Dフリーザーで冷凍フグを製造する福岡・ふくます水産の作業風景


冷凍しても鮮魚のような食感と旨味を維持する――。
福岡市の老舗ふぐ専門メーカー「株式会社ふくます水産」は、古賀産業株式会社(下関市)の最新急速冷凍機「3Dフリーザー」を導入し、冷凍フグの新しい可能性を切り拓いています。これにより、ふぐ加工の品質向上と流通効率化を同時に実現。委託加工や地域水産業の活性化にも大きく貢献しています。

福岡の老舗ふぐ専門メーカー「ふくます水産」とは

1973年創業のふくます水産は、稲益徹社長のもとで福岡市に拠点を構えるフグ専門メーカー。トラフグ薄造りや鍋セットなど、付加価値の高い加工品を数多く手がけています。創業当初から「品質第一・顧客満足」を掲げ、長年にわたり地元市場や全国の取引先から高い評価を受けてきました。

福水協との連携で新たな生産体制を構築

同社は、福岡水産物商業協同組合(福水協)が鮮魚小売商のために立ち上げた加工事業部の委託業務も代行。福岡市鮮魚市場内の加工施設を活用しながら、組合員の高齢化や後継者不足といった課題に対応しています。
この取り組みは、地域全体の水産加工技術の維持・発展にも寄与しており、持続可能な水産業モデルの一例として注目されています。

3Dフリーザー導入による品質革新

ふくます水産が3Dフリーザーを導入したのは約3年前。
マイナス35℃の3次元冷気が製品全体を包み込み、ムラなく短時間で冷却・冷凍するため、ドリップがほとんど発生しません。従来の冷凍方式に比べ、表面乾燥を防ぎ、ふぐ特有のしっとりとした食感と旨味を保ちます。

稲益会長はこう語ります。

「冷凍してもまるで生のような食感が保てるのが3Dフリーザーの強み。お客様からも“冷凍とは思えない”と高評価をいただいています。」

“3Dふぐ”ブランドとして全国展開

ふくます水産では、この技術を活かした冷凍フグ製品を“3Dふぐ”ブランドとして展開。
薄造り、鍋セット、唐揚げ、一夜干し、皮製品など、多様なラインアップを揃え、業務用から一般消費者向けまで幅広い市場をカバーしています。

現在では、関東を中心とする卸売市場や鮮魚専門店、スーパー、外食産業に販路を拡大し、「高品質冷凍フグ」の代名詞として確かな地位を築いています。

今後の展望:急速冷凍技術で広がる可能性

同社では、フグに加えてヒラメ、マハタ、タチウオ、カワハギ、アオリイカなどの鮮魚加工にも3Dフリーザーを活用。多様な魚種で高品質な冷凍技術を展開し、全国の小売店や外食企業を支援しています。
今後も「冷凍で鮮魚を超える品質」を目指し、急速冷凍技術の発展とともに新たな価値を創出していく方針です。

引用・出典

引用元:みなと新聞(2012年9月28日)記事をもとに再編集・構成

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