別海町尾岱沼・丸尚富崎水産が3D冷凍導入—玉冷の高品質化と増産へ

新聞記事画像|別海町尾岱沼 丸尚富崎水産 3D冷凍導入 - ホタテを高品質化し販路拡大へ

引用元:水産新聞 2021年9月27日 掲載

別海町尾岱沼の株式会社丸尚富崎水産(富崎洋尚社長)は、前浜で水揚げされるホタテの加工体制を強化するため、古賀産業株式会社製の3Dフリーザー®を導入しました。-35℃の急速凍結によりドリップを抑え、食感を保ったまま凍結できるため、主力の玉冷の品質安定と生産効率の向上が見込まれます。

導入の背景

同社は野付を主体に標津を含め、原貝ベースで年間1千トン超を取り扱っています。これまで活貝は中国・韓国向けに300〜400トンを輸出。一方、玉冷はネット通販やふるさと納税など個人向けが中心でしたが、国内外での需要増に対応するため、輸出販路の拡大と品質強化が急務となっていました。

導入設備と能力

  • 機種:古賀産業株式会社製 3Dフリーザー®
  • 凍結温度:-35℃(急速凍結)
  • 凍結能力:50kg/時
  • 生産想定:7〜8回稼働で日産350〜400kgの玉冷

従来は-20℃の冷凍庫で凍結完了に丸一日を要していましたが、3Dフリーザー®により処理時間を大幅に短縮。さらに、冷解凍時のドリップ抑制生に近い食感の維持が期待できます。

品質・生産性の向上

急速凍結は細胞破壊を抑えるため、解凍後の水分流出を最小限にできます。その結果、歩留まりと官能品質が向上。加えて、1バッチ当たりの処理時間短縮により、同一人員でも実質的な増産が見込めます。

販売戦略と展望

同社は、これまでの活貝輸出の実績を生かしつつ、玉冷の国内外BtoB販路の拡大に挑みます。海外では3D冷凍商材の人気が高いことから、品質訴求と安定供給体制を武器に、新規取引の獲得を目指します。

会社概要と歩み

  • 創業:2006年(水産品の土産需要向け販売からスタート)
  • 事業拡大:加工場取得後、前浜産の鮮魚・加工卸へ展開
  • 法人化:2010年

3Dフリーザー®の導入により、丸尚富崎水産は品質(ドリップ低減・食感維持)生産性(50kg/時・日産350〜400kg)を両立。玉冷の価値を高め、国内外の販路拡大につなげます。


出典:水産新聞(2021年9月27日 掲載)。

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