【徹底解説】ブラストチラーの選び方と導入メリット|急速冷却で食材の鮮度・衛生管理を強化!

ブラストチラーとは?

ブラストチラー(Blast Chiller)とは、食品を短時間で急速冷却・凍結するための機器です。食材の温度を急激に下げることで、鮮度や味を保ちつつ品質管理を徹底できます。従来の冷蔵庫や冷凍庫より強力な冷却機能を持ち、調理後の食品を素早く冷ますことで菌の繁殖を抑制する効果も期待できます。

  • 別名・類似用語:急速冷却器、ブラストフリーザー、チラー&フリーザー

ブラストチラーの仕組み

ブラストチラーは強力な送風と低温を掛け合わせることで食品の表面温度を効率的に下げます。従来の冷蔵機器では数時間かかる温度降下を、数十分~1時間程度で完了させることが可能です。とくに大量調理を行う飲食店や病院、学校給食などで需要が高まっています。

ブラストチラー導入のメリット

3Dフリーザーと緩慢冷凍での冷却時の温度変化の比較図

  • 食品の安全性向上
    急速に温度を下げることで、食品中の細菌が増殖しやすい危険温度帯(10℃~60℃)に滞在する時間を短縮できます。HACCP(危害分析重要管理点)の観点からも、急速冷却は衛生管理上きわめて重要です。

  • 品質・風味の保持
    一気に冷やすことで食材の細胞を壊しにくく、ドリップの発生も最小限に抑えられます。肉や魚、スイーツなど、本来の旨みを失わずに保存できる点が大きな利点です。

  • 作業効率の向上
    短時間で冷却が完了するため、次の調理ステップに速やかに進めます。とくに繁忙期の仕込み作業や大量生産時には大幅に時間を節約でき、人件費の削減にもつながります。

  • メニューの幅が広がる
    冷やすのに時間がかかるメニューでもブラストチラーを活用すれば、調理後すぐに仕上げや別工程へ移行できるため、メニュー開発の柔軟性が高まります。
    また、製菓や製パンの現場でも、生地の温度調整が容易になることで新たなレシピ開発が可能になります。

ブラストチラーの選び方

3Dフリーザーカートインタイプにカートを入れている。

1. 容量・サイズの検討

導入前に確認すべきは、どのくらいの量を一度に冷却・凍結したいのかです。

  • 小規模飲食店・カフェ:20~30L程度の小型ブラストチラー
  • 大量調理施設・工場:100L以上の大型機器やラックタイプ

店舗スペースや生産量に合わせて最適なサイズを選びましょう。

2. 冷却スピードとモード

製品によって、急速冷却モードや急速凍結モードの切り替えができるものがあります。

  • 急速冷却:目安として30分~1時間ほどで+3℃まで冷却
  • 急速凍結:目安として60分~2時間で-18℃まで凍結

複数のモードがある製品を選べば、幅広い食材・メニューに対応できます。

3. 電力消費と運用コスト

ブラストチラーは高出力のコンプレッサーを搭載しているため、消費電力が大きめです。導入前に店舗や施設の電力容量をチェックし、ランニングコストも考慮しましょう。最新モデルの中には省エネ性能を高めたものもあるので、長期的なコスト削減を見据えて検討するのがポイントです。

4. メンテナンスと故障対応

飲食店など衛生管理が厳しい現場では、清掃のしやすさも大事なポイントです。

  • 内部の棚やトレイが着脱しやすいもの
  • ステンレス製でさびにくく掃除が簡単なもの
  • アフターサポートや修理対応体制がしっかりしているメーカー

トラブルが発生した際の部品交換や修理のしやすさも考慮に入れましょう。

ブラストチラー活用の注意点

グラタンがアルミトレーに6つ並べて置いている。

  • 事前の下処理
    調理後すぐにブラストチラーに入れることで、菌の増殖を最小限に抑えられます。ただし、油が多い料理や大型の塊肉などは、表面の油分や大きさに応じて小分けするか、下処理を行ってから冷却しましょう。

  • 急速冷却後の保存方法
    ブラストチラーで狙いの温度まで下げたあとは、適切に包装し冷蔵庫または冷凍庫で保管します。冷却・凍結のプロセスがいくら優れていても、その後の保管で温度管理を怠ると品質が低下する恐れがあります。

  • 定期メンテナンス
    フィルターの清掃や内部の消毒、冷却性能のチェックを怠ると、ブラストチラー本来の性能が発揮できなくなります。定期的なメンテナンスを計画的に行いましょう。

導入前に知っておきたいQ&A

Q1. ブラストチラーで作った料理は冷凍庫と比べてどう違う?

A. ブラストチラーは急速冷却・凍結が可能なので、冷凍時の細胞破壊が少なく風味が落ちにくいというメリットがあります。解凍後の品質が高く、食感や味を損ねにくいのが特徴です。

Q2. 中古のブラストチラーを導入しても大丈夫?

A. メーカーや状態によりますが、保証やメンテナンス体制が不明確な場合は注意が必要です。価格が魅力的に感じることもありますが、長期的な運用を考えると新品のほうが安心なケースも多いです。

まとめ

ブラストチラーは、食品衛生と品質保持の観点で非常に優れた機器です。飲食店・製菓・食品工場など幅広い現場で導入がされています。
選ぶ際は、サイズ・冷却スピード・消費電力・メンテナンス性など、店舗や使用目的に合わせたポイントをしっかり吟味しましょう。
ブラストチラーを上手に活用することで、効率アップ・食品ロス削減・売上向上につなげることが期待できます。

トレーに乗せたエビのグラタンを3Dフリーザートレーインタイプに入れている

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