ホテルの味のまま商圏を全国へ広げた千草ホテル様の導入事例

1914年創業、北九州で100年以上の歴史を重ねてきた千草ホテル様は、コロナ禍という危機を乗り越える一手として冷凍惣菜・スイーツの新規事業を選びました。「ホテルの繊細な料理を、品質を落とさずに家庭へ届けたい」という理想には、料理人が納得する凍結技術が欠かせません。本記事では、商圏を地元から全国へ広げた導入事例に加えて、複合料理ほど冷凍が難しい理由と、消費期限を延ばせる仕組みまで解説します。

結論:ホテルの惣菜は劣化に気づかないレベルで冷凍でき、商圏が全国へ広がった

千草ホテル様は、3Dフリーザー®の導入で、ホテルの味をそのまま届ける通販体制を作りました。サンプル機を借りて自社の料理で行ったテストでは、冷凍前後で品質の劣化に気づかないレベルであることを確認しました。高品質な冷凍が可能になったことで全国発送が実現し、これまでホテルを知らなかった遠方にもファンが広がっています。冷凍とは思えない品質は雑誌などのメディアにも取り上げられ、消費期限の延長は計画生産と食品ロス削減にもつながりました。導入の概要は次のとおりです。

項目内容
導入企業千草ホテル様(福岡県北九州市・1914年創業)
事業ホテル・ブライダル・レストラン事業、冷凍惣菜とスイーツの外販
対象食材ドリアなどの冷凍オードブル、惣菜、スイーツ
導入目的新規外販事業の品質確保、通販による商圏拡大、計画生産
導入機種3Dフリーザー® トレーインタイプ(2枚扉モデル)
導入の決め手サンプル機のテストで、冷凍前後の劣化に気づかない品質を確認できた

導入企業:創業110年、洋食文化を伝えてきた老舗ホテル

千草ホテル様は、創業から110年を超える北九州の老舗ホテルです。地域にいち早く洋食文化を取り入れ、地産地消にこだわった料理で多くのファンに愛されてきました。近年は冷凍オードブルとスイーツの専門店「6kozzy(シックス・コージー)」を立ち上げ、外販事業を強化しています。

導入前の課題:コロナ禍で外販へ挑んだが、冷凍で品質が落ちた

黒い容器に盛られた、エビをのせたホテルのドリアのクローズアップ

コロナ禍でホテル内の飲食需要が減る中、外販部門の強化を決断しました。しかし、ホテルの味をそのまま届けるには技術的な難所がありました。

  • 品質への懸念:従来の冷凍技術では、解凍時に味や食感が落ちてしまう恐れがあった。
  • 生産体制:新店舗の立ち上げにあたり、大量調理と長期保存を両立させる必要があった。
  • オペレーション:料理人の技術が詰まった繊細な惣菜を、誰でも簡単に提供できる仕組みが必要だった。

老舗の名を掲げる以上、妥協した味は出せません。品質の確信が、新規事業の前提条件でした。

なぜ、ホテルの料理ほど冷凍が難しいのか

一皿のドリアを例に取ります。下にはバターで炊いたライス、その上にとろりとしたソース、具のエビ、表面には焼き色のついたチーズ。四つの層が重なって一皿になっています。ここに、複合料理の冷凍の難しさが集約されています。

層ごとに、水分の量も脂の量も違います。ソースは水分と乳脂肪が細かく混ざり合った状態で、その混ざり方が口当たりを作っています。ライスはでんぷんが水を抱えてふっくらした状態です。エビは繊維が水分とうま味を抱えた身です。それぞれ理想的な凍らせ方が違うのに、一皿として同時に凍らせなければなりません。

ゆっくり凍らせると、この一皿の中で水分が動き始めます。水は多い層から少ない層へ移る性質があるため、ソースの水分がライスへ染み、ライスは水っぽくなり、ソースは残った脂と分かれて分離したように見えます。エビの身は氷の粒に繊維を壊され、解凍時にドリップとなって流れ出します。皿の底に水がたまり、層の境目がぼやけます。ホテルの料理人が最も恐れる姿です。

料理が繊細であるほど、層は細かく、境目は繊細になります。そのため、技術が詰まった料理ほど冷凍で崩れやすくなります。

なぜ冷凍すると、惣菜の消費期限を長く設定できるのか

もう一つ、外販事業の設計を左右するのが期限の考え方です。

食品の品質が落ちていく速さは、温度に強く支配されます。常温より冷蔵、冷蔵より冷凍と温度を下げるほど、風味や食感の変化はゆっくりになります。-18℃以下まで下げてしまえば、食品の中で水は動けず、多くの変化は事実上止まります。この結果、冷凍品には冷蔵品よりはるかに長い期限を設定できます。

ただし、これは「凍らせさえすればよい」という話ではありません。凍る途中で層をまたいで水分が動いてしまえば、その崩れた状態のまま長期間保存することになります。期限を延ばせるかどうかは、凍り終わった時点でどれだけ良い状態を作れたかで決まります。同社が消費期限を長く設定でき、計画生産へ進めたのは、凍結を終えた時点の品質が高かったためです。

3D凍結®が、ドリアの層を崩さずに凍らせられる理由

3Dフリーザー®(ACVCS®高湿度冷気)でムラなく冷却・冷凍するイメージ

答えは、水分が層をまたぐ前に凍らせてしまうことです。それには速さが要ります。ただし強い風で速さを得る一般的な急速冷凍機では、焼き色のついたチーズやソースの表面から水分が奪われてしまいます。一皿もののドリアには、強風に頼らない速さが必要です。

3D凍結®では、高湿度の冷気が皿の上からも横からも当たり、一皿をまるごと包み込みます。全方向から同時に冷やされるため、一皿の中の温度差が小さいまま、氷が育つ温度帯を短時間で通り抜けます。水分は移動する間もなくその場で微細な粒として固まります。ソースはソースのまま、ライスはライスのまま、境目を保ったまま固定されます。

層のある料理では、凍り方の均一さがいっそう重要になります。冷気が偏れば、皿の縁は速く、中央は遅く凍ります。後から凍る部分では結晶が大きく歪んだ形に成長し、角の立った先端がソースの乳化や具の繊維を壊します。一皿の中で縁と中央の食感が違うという状態は、この差から生まれます。3Dフリーザー®の3D冷気には風上も風下もないため、皿の縁も中央もほぼ同じ速さで凍り、どこを取っても微細な結晶になります。

3D凍結と通常冷凍の温度曲線、0〜-5℃の最大氷結晶生成温度帯、氷結晶の大小と細胞膜への影響を比較した図

微細な氷は、エビの繊維も壊しません。その結果、解凍しても身から水が出ず、皿の底に水たまりができません。乳脂肪と水分が分かれることもないので、ソースはなめらかな口当たりのまま戻ります。

ソースや衣が露出した料理では、冷気の湿度も仕上がりを左右します。湿った冷気は熱だけを奪い、焼き色のついた表面の水分を残します。温かい料理を続けて投入しても庫内の湿度が落ちないのは、冷却器への着霜を抑えるKOGASUN独自のACVCS®によるものです。

電気代やデフロスト削減効果などランニングコストに関する説明資料

サンプル機のテストで「劣化に気づかないレベル」という評価が出たのは、四つの層すべてが同時に守られたからでした。仕組みの詳細は3Dフリーザーの特徴で確認できます。

導入の決め手:サンプル機のテストと、伴走型サポート

決め手は、サンプル機を借りて自社の料理で行った実験でした。冷凍前後で品質の劣化に気づかないレベルであることを確認しました。導入前から相談に乗り、最適な運用方法を共に検討するKOGASUNの対応も信頼につながりました。

コック帽のシェフが、ドリアを並べたトレーを3Dフリーザーの庫内へ入れる場面
比較・選定で迷ったら
食品や処理量に合う急速冷凍機を、カタログと導入相談で具体的に確認できます。
仕様・寸法はカタログで確認し、設置可否や機種選定は導入相談で確認できます。

効果1:通販での全国発送が実現し、商圏が地元から全国へ拡大した

最大の変化は商圏の拡大です。凍結品質が上がったことで、通販による全国発送が実現しました。これまで千草ホテルを知らなかった遠方のお客様にもホテルの味が届き、新たなファン層の獲得につながっています。

効果2:冷凍とは思えない品質が雑誌などのメディアに取り上げられ、ブランド価値が高まった

冷凍とは思えない品質が話題を呼び、多くの雑誌やメディアで取り上げられました。導入した凍結技術そのものが、ホテルのブランド価値を高める発信材料になっています。受託製造の現場でも同じく凍結品質が受注の決め手になった例として、洋食OEMのアドバンスフード様の導入事例があります。

パンや瓶詰め、冷凍ショーケースが並ぶ、6kozzyの店内の売場

効果3:計画生産で、食品ロスを削減

消費期限を長く設定できるようになり、計画生産が可能になりました。必要な時に必要な分だけ提供できる体制は、食品ロスの削減と経営効率の両面で成果を生んでいます。導入前後の変化をまとめます。

観点導入前導入後
商圏ホテル来館者が中心通販で全国へ発送
品質冷凍による劣化の懸念劣化に気づかないレベルを確認
生産作り置きが難しい計画生産で食品ロスを削減

ドリアなど米飯の実例は米飯類の導入事例一覧にもまとまっています。

導入機種:一皿ずつ凍らせるトレーインタイプ(2枚扉モデル)

導入機種は、3Dフリーザー®のトレーインタイプ(2枚扉モデル)です。ドリアなどの一皿ものをトレーに載せ、棚へ差し込んで凍結します。上下2室の扉で仕込みのタイミングを分けて使えるため、ホテル厨房の空き時間を生かした計画仕込みに合う構造です。機種の一覧は3Dフリーザーの製品ラインナップで確認できます。

トレーインタイプ2枚扉モデルの正面。開いた上下の扉の中にトレー棚、脇にタッチパネル

お客様の声:千草ホテル様より

「導入前から色々と相談に乗ってもらい、サンプル機で実験もできたので安心でした。おかげさまで全国に通販が可能になり、より多くの方に千草ホテルを知っていただくきっかけになりました。何より、自信を持って『高品質な冷凍惣菜です』とお客様に提供できることが、とても重宝しています。」

ご協力いただいた企業様

赤いひさしに「6kozzy」のロゴを掲げた、冷凍オードブルとスイーツの店舗外観

千草ホテル様

ドリアの層とソースが崩れずに戻るかを見る:無料の凍結テスト

ホテルやレストランの味の最終的な判断基準は、料理人の舌です。KOGASUNの凍結テストは、テスト費用も出張費も無料です。自慢の一皿を持ち込めば、次の項目を厨房の基準で確かめられます。

確認項目見るポイント
層の境目ソースがライスへ染みていないか、断面で確かめる
ソースの状態分離せずなめらかな口当たりが戻るかを実食で見る
具のドリップエビなどの具から水が出て皿にたまっていないかを見る
表面の見た目焼き色やつやが残っているかを、作りたてと比べる
温め直しの条件加熱時間を変えて、最適な戻し方を探る

本事例のようにサンプル機での実験や運用相談も含めて、導入前の不安を解消できます。申し込みの流れは食品を持ち込める凍結テストでご確認ください。

自社商品で確認したい方へ
カタログだけで判断しにくい仕上がりは、実際の食材で凍結テストできます。
乾燥・ドリップ・形崩れ・解凍後の品質など、導入前に自社商品の状態で確認できます。

ホテル・レストランの冷凍事業でよくある質問

ホテル品質の料理は、冷凍で本当に劣化しませんか?

凍結速度と冷気の質次第です。複合料理では、凍るまでの間に層をまたいで水分が動くことが劣化の主因になります。本事例では3Dフリーザー®のサンプル機で自社の料理をテストし、冷凍前後で劣化に気づかないレベルであることを確認してから導入しました。思い込みではなく実験で確かめるのが確実です。

導入前に、実機で試すことはできますか?

できます。本事例ではサンプル機を借りて自社の厨房で実験し、品質と運用の両方を確かめました。KOGASUNでは無料の凍結テストに加え、運用方法の相談まで導入前から伴走しています。

ホテルや料亭が中食・通販事業を始める際に重要なことは何ですか?

味の再現度、大量調理と保存の両立、そして誰でも提供できるオペレーションの三つです。本事例では3Dフリーザー®が味の再現度と、大量調理・保存の両立を満たし、新店舗の立ち上げと全国通販につながりました。

消費期限を延ばせると、経営はどう変わりますか?

品質が落ちる速さは温度に支配され、-18℃以下ではほとんどの変化が止まります。このため冷凍品は長い期限を設定でき、需要に合わせた計画生産へ移行できます。売れ残りによる廃棄が減り、食品ロス削減と利益率改善の両方に直結します。本事例でも必要な分だけ提供できる体制が整いました。

ホテルの新規事業立ち上げの設備投資にも、補助金は使えますか?

検討できます。外販や通販といった新分野への設備投資は、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金などの対象になり得ます。事業計画に合う制度の選定は、KOGASUNの導入相談でご確認ください。

まとめ:老舗の味は、凍結技術で全国へ届けられる

千草ホテル様の事例は、急速冷凍技術が地方企業の商圏を全国へ広げうることを示しています。複合料理が崩れる理由は、層をまたいで動く水分にありました。動く前に凍らせてしまえば、料理人の仕事はそのまま保存できます。劣化に気づかない品質が通販を可能にし、メディアの注目がブランドを押し上げ、計画生産が経営を支えます。創業から続く調理の技術に凍結技術が組み合わさり、新しい事業が生まれました。味や風味を落とさずに販路を広げたい食品事業者は、無料の凍結テストからお試しください。機種選定や設置のご相談は、以下からお問い合わせください。

KOGASUN 3D FREEZER
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機種選定、見積もり、凍結テスト、既存ラインへの設置可否まで、検討段階からご相談いただけます。
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