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この記事でわかること
スパイラルフリーザーは、らせん状のベルトで製品を連続搬送しながら強制対流で急速凍結する装置です。縦方向の空間を活かして省スペースで大容量を実現し、CIP(定置洗浄)やドラムレス/自積層ベルトなどの衛生設計も進化。この記事では、製品ページ・解説記事・方式比較・通常冷凍との違い・導入事例と連携しながら、仕組み・選定・レイアウト・衛生・省エネ・価格感・FAQまでを1本に集約します。スパイラルフリーザーとは(基本と主なメリット)
スパイラルフリーザーとは(基本と主なメリット)
スパイラルフリーザーはらせん状に積層したコンベヤベルトで製品を搬送し、庫内の冷気で連続的に大量凍結するフリーザーです。縦に段を積む構造のため、同じ床面積でも長い搬送長と滞留時間を確保できます。
- 省スペース×大容量:縦積みでフットプリント最小化
 - 連続ライン化:前後工程と直結し人手・ロスを削減
 - 幅広い適用:IQF(ばら凍結)~包装品まで(機種による)
 - 衛生性の進化:CIPやドラムレスで洗浄時間を短縮
 
まずはKOGASUNの製品概要を押さえたい方は:スパイラルフリーザー(製品情報)/関連解説:急速冷凍とは?

構造とトレンド(自積層・ドラムレス・包装対応)
セルフスタッキング(自積層)型はベルト自体が積層し、製品ゾーンを開放的に保ちやすく、空気流を最適化しやすいのが特長です。ドラムレス(外周駆動)は中央ドラムを廃止して部材点数を減らし、洗浄アクセス性と保守性を高めます。モデルにより包装品/IQFの両対応も可能です。

スパイラル vs トンネル:適材適所の見極め
- トンネル型:直線搬送でシンプル。直進ライン・清掃性重視の現場に相性良し。
 - スパイラル型:縦方向を活用し、省スペースでも滞留時間を確保。連続大量生産に向く。
 
方式の総合比較は 急速冷凍の最適解は?5方式比較 をどうぞ。基礎知識の整理は 通常冷凍と急速冷凍の違い が便利です。
対象製品(IQF適性・包装品)
- IQF:唐揚げ・ミートボール・シーフード・ベーカリーなど自立性のある製品
 - 包装品:トレー/袋詰めの連続凍結(モデル・ベルト仕様に依存)
 
用途別の実例は 導入事例(一覧) から。カテゴリ別の事例:肉類/魚介類

レイアウト設計(入出し方向・高さ・動線)
- 入出し:上入れ/下出し・下入れ/上出し・下入れ/下出し など柔軟に構成
 - 幾何条件:段数/ベルト幅/段ピッチをスペースと能力から最適化
 - 周辺機器:前後機(整列・衣付・包装・金検)との高さ・向き・点検動線
 

選定手順(失敗しない要点)
- 処理量(kg/h)・温度条件:初期温度/最終中心温度を定義
 - 滞留時間:負荷計算(比熱・潜熱・付着水・侵入熱)から推算
 - ベルト/段数/入出し:フットプリントとライン制約に合わせる
 - 衛生設計:CIPの要否、ドラムレス/自積層、アクセス性
 - 冷媒/省エネ:CO₂/NH₃等の自然冷媒、除霜制御、気流最適化
 
衛生設計と洗浄(CIP)
課題になりやすいのは庫内の死角・着霜・洗浄時間。CIP(定置洗浄)やベルト自動洗浄、ドラムレス、外置き駆動などで洗浄性と可動率を両立できます。排水・床タンク設計まで合わせて最初に計画しておくのがコツです。

省エネ・ランニングコスト(kWh/kg の考え方)
- 気流最適化:歩留まりと電力を両立(風速・エアバランス)
 - 着霜管理:計画除霜で連続稼働時間を延伸
 - 入口対策:インフィルトレーション(侵入熱)抑制で無駄負荷を低減
 
価格感とTCOの見方(参考)
仕様差が大きいですが、装置規模やオプションにより価格帯は大きく変動します。意思決定はTCO(電力・洗浄工数・保守・停止ロス・歩留まり)で評価しましょう。大型機の選び方は 大型急速冷凍機の選び方 も参考になります。
よくある質問(FAQ)
A. 縦方向に段を積む設計のため、同等能力の直線型より床面積を抑えつつ滞留時間を確保しやすい傾向があります。
A. モデル・ベルト仕様次第で両対応が可能です。用途別は 導入事例一覧 を参照ください。
A. CIPやドラムレス、外置き駆動などの採用で洗浄時間の短縮・アクセス性が向上しています。初期の排水・床設計が重要です。
A. 処理量(kg/h)・温度条件・レイアウト制約・衛生レベル・冷媒方針を共有ください。デモテストで当たり値を検証します。
目標処理量(kg/h)/初期温度/最終中心温度
製品サイズ・コーティングの有無・包装有無
設置スペース・入出し方向(上入れ/下出し 等)
冷媒方針(CO₂/NH₃ 等)と衛生レベル(CIP要否)
    
   
   
      
      
      
      
      
      